沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1740]

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「ワシントコポスト」2018年08月30日[No.1740]号

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ちょっとうれしい瞬間

 私、普段は文房具をまったくというほど買ったことがないんです。なにかしら粗品や景品でいただいたペンや鉛筆などで事足りているんです。
 ボールペンを使っていると、まだまだインクが残っているのに突然書けなくなってしまうことはありませんか? 情報番組で紹介されていたようにボールペンを振ってみたり、温めてみたりしてもやっぱり書いていると文字がかすれて使い物にならない…。どうにもならなくなって、とっても申し訳ない思いで処分したりするんです。
 最近は、確かアンケートか何かの粗品でいただいた3色ペンをずっと使っていました。赤・青・黒のペンなんですが、赤のインクがなくなり、青のインクがなくなり。そして先日、黒のインクがなくなって、3色すべてきれいに使い切ったんです! なんだか一人で、きちんと使い切った達成感で「やったっ!」とつぶやいていました。
 物を大切にしたという感じがして、ちょっぴりうれしくて気持ちが良かったです。旦那に話したら、「じゃあ次はこれどうぞ」と4色ペンをもらっちゃいました! なんだかやる気が出てきちゃいます。

(北谷町 頑張るウーマン)

(編コメ)頑張るウーマンさんは、物を大切にする方なんですね。3色から4色ペンにバージョンアップしたので、よけいに使う楽しみができたのでは?

人類進化の証し

 夏休みは公園がにぎやかです。それだけに、ことのほかほほ笑ましい光景に巡りあえることもあります。
 先日、おもろまちの公園に遠出しました。土手の斜めの芝生に腰かけて、中学生たちのサッカーの練習を見ました。実戦さながらのキビキビした動きで思わず拍手したくなります。
 さて、振り向くと4〜5歳の女の子と男の子が足を下に向けて四つんばいになって土手をゆっくり降りてきました。すると先に道に降り立った男の子は、女の子に手を差し出したのです。それは、ほほ笑ましさを越え実に感動的でした。
 つまり男の子の手を差し出すという行為は「助け合う」という人類進化の証しそのものです。

(那覇市 S)

(編コメ)おお〜、人類進化の証しですか。感動的です。辺りを見回すと、さまざまな出来事に出合えるものですね。たまには公園でのんびりすると、いろいろな発見がありそうです。

息子宛ての手紙

 6歳になる息子が、ここ毎日のように同じ年齢の女の子からお手紙をもらってきます。「遊んでありがとうね。仲良ししようね」「意地悪しないでね」などなど、一生懸命書いたであろう字で、かわいらしくほほ笑ましい内容です。  息子はまだうまく読み書きができないので、私やお姉ちゃんが読んで聞かせていますが、その女の子が同じ6歳でしっかりと手紙を書いてくれることに感心。うれしいかぎりです。
 当の息子は、自分の名前を書く練習をするよりも、おもちゃに夢中。女の子から手紙をもらえるうちが花なのに、まったく価値を分かっていない。
 返事を書いてほしくて促すも「分からない」「難しい」と息子。私が返事を書きたいのを抑えているのに、まどろっこしい。というか明日の手紙を楽しみにしている私。その女の子が、いつまで手紙を書いてくれるかは分かりませんが、1通1通大事に保管しておきます。

(宜野湾市 キラキラ)

(編コメ)息子さんは女の子から手紙をもらって、ちょっとはずかしいのでしょうか? それとも、やはり関心がないのか…。もう少し大きくなって、キラキラさんが保管している手紙を読んだら、どういう気持ちになるんでしょうかね〜。

くびれる長さ?

 7月26日付「インチキを読んで」の中に「頭上等」と書かれていたのを読んで、ある出来事がよみがえりました。私は22歳のときに看護師となり、その年に初めて故郷沖縄を離れ千葉県の病院に就職しました。
 病院の寮生活をしていたころ、仕事は責任が重く毎日が緊迫した状況、生死の間をさまよう人々との関わり、覚えきれない薬の数々、慣れない夜勤…。仕事をこなすことで精いっぱいの日々でした。髪の毛などどうでもよくなり、半年以上放置。気付けば腰のあたりまで伸びていました。
 ある日、友人のおすすめで駅の近くのとてもおしゃれな美容室へ行くことにしました。初めて県外で髪を切る私はドキドキしていました。
 美容室に入り、受け付け用紙の「カット」の箇所に丸を付けました。そして私の順番になり、席に案内されました。上品な店員さんから「どのぐらいの長さでカットしますか?」と聞かれ、心の中では「カンプーできるぐらい」と言いたいところでしたが、「カンプー」は方言なので標準語で言わなくちゃと思い「くびれる長さで」と言いました。しかし、それも通用しないことが判明!
 鏡越しのニコニコしていた店員さんの顔が一瞬にしてこわばり、首をかしげ、何も言わずにその場から立ち去ってしまいました。そして数秒後にヘアカタログを持って戻ってきました。鏡越しにほかの店員と「くびれる長さが何か」を相談しているようにも見えましたが…。そこは気付かないふりをして、ヘアカタログで適当な髪型を見つけ指で差し「このぐらいでお願いします」と言ってその場をしのぎました。沖縄で毎日方言を使っていた私は「『くびる』 お前もか!」と思いました。今となっては若き日の思い出です。

(嘉手納町 愛連)

(編コメ)普段使っている言葉が県外で通じないことで、沖縄独特の言葉、言い回しだったんだと気付くことはありますよね。聞くところによると、沖縄以外にも「結ぶ」ことを「くびる」と言う地域があるようですよ。

関東の実家で

 昨年、関東の実家に帰ると、母がゴーヤーカーテンを作っていました。食べるためと日よけの一挙両得にするつもりだとか。石垣島に旅行したときに見て、いいアイデアだなとまねすることにしたといいます。
 石垣島ではたくさんおいしい物を食べたそうで、特にラー油、コーレーグース、島ラッキョウなどが気に入り、買って帰ってきたそうです。
 実家のゴーヤーはまだ食べられるまで育っておらず、食べそこねました。関東の地で育つゴーヤーも沖縄と味が同じなのか確かめたかったのですが。
 残念がっていると、これならあるぞと出された石垣島ラー油。なんと! 未開封のまま。そんなに気に入ったのに食べてないなんて。そして、「コーレーグースは簡単に家でも作れるんだな」と言って焼酎に唐辛子を入れたものが出てきました。あれれ? 焼酎? 次に、島ラッキョウが食卓に出てきました。実家の畑で作ったそう。
 ちなみに島ラッキョウを石垣島から持ち帰るとき、臭いがきついので飛行機や電車の中で肩身の狭い思いをしたのだとか。車の中もしばらく臭って大変だったと話していました。
 出された島ラッキョウを一口食べて…あれ? やはり関東の土地と気候だと味が変わるのか? あれ? 二口め…。やっぱり違う気がする。恐る恐る、これってエシャロットの味がするけど? と母に聞くと「あれ? 島ラッキョウとエシャロットを近くに植えたから間違えたかも」と。爆笑。
 今年もゴーヤーの季節が来ました。今年こそは関東産ゴーヤーを食べに帰るのが楽しみです。お土産にラー油と泡盛を買って帰ろうっと。

(浦添市 いばら「ぎ」でなくていばら「き」)

(編コメ)今年は猛暑日が続きましたが、実家のゴーヤーカーテンは暑さ対策の一助になっていたでしょうか? 関東産ゴーヤーの味も気になります。島ラッキョウとエシャロットは似ているので間違うかもしれませんね〜。

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