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[No.1583]

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「島ネタCHOSA班」2015年8月20日[No.1583]号

マニアも喜ぶレトロバス

沖縄で、車が右側通行から左側通行に変わった、通称「7・30(ナナサンマル)」の時期から走っているバス車両が今でも活躍していると聞きました。興味があるので調べてください!

(復帰っ子の弟 40代男性 南風原町)

マニアも喜ぶレトロバス!?

 読者の皆さんは「7・30」をご存じでしょうか。米国占領下に右側通行だった車線を1978年7月30日に現在の左側通行に変更したという出来事です。

 車線が変更されるとなると、それまでの右側の乗降口を左側にする必要が生じ、1000台以上の新しい型式の車両が県内のバス会社で投入されたといいます。この車両について、沖縄バスの総務課長、外間達也さんが詳しく教えてくれました。「7・30に合わせて投入されたバスはナナサンマル車という呼び名で親しまれています。製造から37年経ち、今は沖縄バスと東陽バスに1台を残すのみとなっています。沖縄バスに残るナナマンマル車は三菱ふそう製のMP117Kという型番です」

 ナナサンマル車は今も現役。毎日ではないようですが、時おり各路線をピンチヒッター的に走っているとのこと。さらに聞けば、7・30を記念して、7月30日に県内でもにぎわいを見せている路線の一つ、沖縄バス92番線(那覇〜イオンモール沖縄ライカム)をナナサンマル車が臨時で走るという情報が。行ってみる必要がありそうです!

臨時運行に密着!

 7月30日当日、バス停に到着した調査員が目にしたものは─。カメラを手に待ち受けるバスマニアの皆さん! 大スター並みの扱いです。

 車内に入ると、窓の上には7・30当時の様子やバス車両の変遷なども紹介されていました。車両そのものも貴重ながら、まるで博物館のよう。

 路線を走り終えてからも、マニアの皆さんのバス談義は止まりません。何人かにお話を聞いてみました。

 まずは、この日のために、なんと福岡から駆け付けたという小坂宏さん。「ナナサンマル車は全国でも1、2を争う古い車両なんじゃないでしょうか。自分と同い年なので愛着が湧きます。昔ながらのエンジン音が心地良いんですよね」とうれしそうに話します。

 中学生の新城伊雲(いずも)さんは「ヘッドライトが現在の主流よりも上に付いていて、顔が今風じゃないところに味があって良いです」とコメント。ちなみに新城さんは時刻表マニアでもあるそう。一概にバスマニアといえど、さらに「写真マニア」「車体マニア」「路線図マニア」などさまざまに枝分かれしているのだとか。これは興味深い!

 続いては奥原崇達(むねたつ)さん。「県内や離島のバス会社の取り組みを見るのが好きですね。新しい路線ができたらチェックします」と目を輝かせます。

運転手が語る魅力

 この日運転手を務めていた田仲新二さんも、もともとは大型の乗り物マニア。好きが高じてバスの運転手になったといいます。

 「このバスは、とにかくギアの遊びがものすごい(笑)。感覚をつかむには熟練の技が必要です。ハンドルもかなり“寝た角度”についてます。それに、新型車両はハンドルの輪の中がYの字になっているのですが、このバスは浅い逆Vの字です。レトロでしょ?」

 田仲さんの語るマニアな言葉の中に、バスへの深い愛情を感じた調査員でした。



   ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇

 ナナサンマル車は今回のように臨時で運行する場合もありますが、普段は毎週日曜日の午前中に沖縄バス39番線(百名線)で定期運行しているとのこと。気になる方は、乗りに行ってみてはいかがでしょうか?



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マニアも喜ぶレトロバス
これが沖縄バスのナナサンマル車、MP117K。丸いフォルムがいかにもレトロです
マニアも喜ぶレトロバス
アイドルのおっかけのようにバスの到着を待ち受けるマニアの皆さん
マニアも喜ぶレトロバス
正面から見ると、昭和ならではの味わいが!
マニアも喜ぶレトロバス
小坂 宏さん
マニアも喜ぶレトロバス
新城 伊雲さん
マニアも喜ぶレトロバス
奥原 崇達さん
マニアも喜ぶレトロバス
「ハンドルの形がレトロ」と解説する運転手の田仲新二さん
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