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[No.1520]

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「島ネタCHOSA班」2014年05月29日[No.1520]号

トマト早食い王の正体は

先日、地域のお祭りの早食い大会でトマトを食べるのが早い人がいました。とにかく早すぎて翌日、ママ友と話題になったほどでした。気になってしょうがないです。

(とみぐすくマザー・30代女性)

トマト早食い王の正体は?

 依頼者から一緒に送られて来たURLの動画を見て衝撃! トマトを食べるのが早すぎて、もはや面白さが勝ってしまっています。これは3月にJAおきなわ豊見城支店が主催した「第3回とまと早食い王決定戦」の様子。県産トマトの生産拠点になっている豊見城市が県内外にアピールするため、2012年から開催しているそうです。

紳士的な食べっぷり

 トマト早食い王の正体は、豊見城市伊良波の「LIVE BAR BIG」のサックス奏者で「南部マンゴーパーティーズ」というバンドでも活動する宮良至(いたる)さん。

 大会当日、会場に立ち会わせていたというBIGのオーナー久田友一郎さんは、「予選の一組目で超人的な記録が出て、ギャラリー全体がザワついていました」とやや興奮気味。「しかも決勝ではさらに3秒縮めたんですよ! 予選後にしっかり昼飯を食べていたのに。考えられない…」。宮良さんは、6秒の記録で見事、初優勝を果たしました。

 実際にそのパフォーマンスを披露していただくことに。調査員が購入したトマトは、大会よりもやや大ぶり。一般的な成人男性と比較するべく、調査員も本気で挑戦したところ46秒という結果に。

 スタートと同時にトマトを口に運び、汁一滴こぼすことなく淡々と食べ、最後は口元を拭くという紳士ぶり。大きめのトマトにもかかわらず記録は14秒! その早さに場内は感動と爆笑に包まれました。

 それならと、トマト以外も食べてもらうことに。まずはリンゴ。成人男性(調査員)は2分30秒。チャンピオンは1分25秒! ほぼダブルスコア!

 次は球体とはいえ、勝手が違うサーターアンダギーを。口の中の水分を全部吸い取られ、飲み込むのに大苦戦。成人男性は3分ジャスト。チャンピオンは1分10秒。トリプルスコアが飛び出しました。

 さすがに口が渇いたのか「水分補給を」とチャンピオン。飲みだしたのはトマトジュース! どれだけリコピンを摂取するつもりなんでしょうか。

 最後はバナナ。成人男性の記録は50秒。チャンピオンは表情一つ変えず淡々と19秒。むくのも早かった!

お気に入りは豊見城産

 早く食べるコツは?

 「人間が食べる時は『かみ切る』→『かみ砕く』→『飲み込む』という一連の動きが必要ですが、僕は『かみ砕く』をすっ飛ばしています」

 トマトへの思いは?

 「トマトって原生のものは固くて苦く、食べるのに適さなかったんです。しかし、品種改良を重ねて生で食べられたり、料理に使われたりするようになって、食文化の発展にもつながりました。人間の科学や農業の進歩を映していますよね」

 時にうなずき、時に遠くを見つめながら愛を語ります。

 「今日はぜひ『フレッシュトマトのブルスケッタ』を紹介したい」とトマト王。以前は料理人として腕を奮っていた時期も。①トマトをダイス状にカット②2つまみほどの塩を振り5分置く③水気を切り、コショウ、おろしニンニクと混ぜる④❸をバケットの上に乗せてパルミジャーノレッジアーノチーズとバジル、オリーブオイルを散らす。

 これはうまい! トマトの甘酸っぱさとうまさを最大限に引き出し、しかも簡単。トマトを愛するがゆえに生まれたオリジナルレシピ。

 お気に入りの品種は?

 「僕はたくさんのトマトを食べてきましたけど豊見城のちゅらトマトが一番です」。地域への愛も忘れません。

 今後は食育にも携わり、食べることの大切さを教えていきたいというトマト王。宮良さん、子どもたちに一言。 「よくかんで食べよう」



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トマト早食い王の正体は
トマト早食い王の宮良至さん
トマト早食い王の正体は
トマト王の真骨頂=豊見城市伊良波の「LIVE BAR BIG」
トマト早食い王の正体は
リンゴの早食い
トマト早食い王の正体は
喉と相性の良いバナナ
トマト早食い王の正体は
自慢のブルスケッタ
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