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[No.1906]

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「ワシントコポスト」2021年11月18日[No.1906]号

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心がほっこり

 琉球新報10月8日付『未来へ いっぽにほ』の三代達也さんの記事で思い出しました。約3年前、半身不随で車いすの母、姉妹、めいっ子で「女子会」と銘打って南部のカフェに出掛けたときのことです。

 入口は2階で、階段を上がる必要がありました。店員さんに「母が車いすなんですが、階段以外の方法はないですか?」と聞いたところ、申し訳なさそうに「階段しかないんです。すみません」と言われ、諦めて車に戻ろうとしました。

 すると店長さんとおぼしき男性が追いかけてきて、「車いすごと持ちますよ」と言ってくださいました。あまりの神対応に恐縮し、つえと皆の支えで上がることにし、時間はかかりましたが無事店内へ。海を見下ろせる絶景で、また、ピザが売りのお店ですが、飲み物も含め全ておいしくいただき、楽しい時間を過ごしました。

 階段の昇降中、足を止めざるを得なかった他のお客さんたちも嫌な顔一つせず待ってくださいました。設備的には入店が厳しくても、ソフト面でカバーしようとするその気持ちが何よりうれしく、心がほっこりする思い出です。

(浦添市 ビクンフ婆)

(編コメ)三代さんの記事によると、関東に住んでいる時は「車いすは難しいですね」と入店を断られることがあったが、沖縄で拒否されたことは一度もないとのこと。世の中全体が優しい社会でありますように。

小学1年生の息子

 先日の話です。現在、育児休暇中の私は、普段、息子が学校から帰ってくる時間を留守にすることはなかったのですが、その日、友人からお茶の誘いの連絡があり、息子が帰ってくる15時には帰宅しようと思って出掛けました。

 しかし、話が盛り上がってしまい気付けば15時過ぎ。慌てて帰ると、家の近くで傘をさして一人で帰る息子を見つけました。普段は友達と帰るが、今日は1人⁈ 顔を見ると疲れたのか、いつもとちょっと違った表情だったので、お友達とけんかでもしたのかな? と思い、どうしたのと問いかけると―。

 「どこ行ってたの? 帰ったけど、誰もいなかったから捜したんだよ。保育園(弟が通う)も行ったんだよ」と言って泣き出してしまいました。

 私は不安から解放された息子の表情を見て、メモでも残しておけばよかった、申し訳ないことをしてしまったと反省した反面、小学校に入って泣くことが減り、母親を見て? 安心した姿にうれしく、息子のことがとてもいとおしい気持ちになりました。母親となって8年。忙しさや苦労の方が多い今日このごろではありますが、このような出来事は、子どもを育てる親の醍醐味(だいごみ)ですね。

 子どもの表情や言動、些細(ささい)な出来事でも、いつまでも近くにいて寄り添ってあげたいなぁと思う出来事でした。

(沖縄市 ミュージッくぅ)

(編コメ)いるのがあたりまえだと思っていた親がいない…。小さな子どもにとっては衝撃的な出来事でしょうね。私も幼稚園のとき似たような経験があったことを思いだしました。

Rちゃんは元気です!

 5月に里帰りしたRちゃんが5カ月ぶりに帰ってきました。夜中でした。うちのワンコFとPが激しくワオンワオン、キャンキャン鳴き、Rちゃんの姉妹Hも何度かウオンウオン鳴いたので目が覚めました。

 外に出ようとした僕の目に、玄関の扉のすりガラス越しにワンコらしいシルエットが右から左に通り過ぎるのが映りました。扉を開けました。十三夜の月明かりで庭全体が見渡させました。ワンコはいません。南側の軒からHが身を乗り出して、しっぽを振っているのは見えました。道路に出て生け垣を周ると、「おや?」ビーグルっぽい小柄なワンコに3㍍くらいの距離で出会いました。

 なぜかこのときRちゃんだとは思いませんでした。眼鏡を掛けてなかったせいか、まだ寝ぼけていたからか、懐中電灯を向けられてクルッと背を向けて逃げたせいか、ちょうど10年前に台風の朝、逃げてそのまま行方知れずとなったRちゃん&Hのお母さんワンコAちゃんが帰ってきたのではないかと思ってしまい、ドキドキしながら逃げた方角に向かって「Aちゃん!」と呼び掛けていました。でも姿を見せてくれないので家に戻って寝床に入りました。すると、またうちのワンコが吠え始めました。

 今度は扉を開けてすぐHが誰かとじゃれ合っているのが見えました。近づくとそのワンコがスライディングをしてきて、おなかを見せ、なでてと甘えてきました。なでながら、お顔と体の毛柄や、小柄ではない体格や匂いを確認してようやくRちゃんだと気付きました。

 今夜のRちゃんは若犬のように躍動して走り回りました。リードを持って近づくと、また逃げました。それでもすぐ戻ってきて、首を近づけてくれました。夜中でしたが、いまの飼い主Tさん宅の灯りがついていてブロック塀越しにTさんの頭が動くのが見えました。

 僕はほっとして、Tさんに声を掛けました。こうして、元気なRちゃんが再びTさんのワンコに戻りました。

(南城市 ワンコより老人)

(編コメ)5月27日付「待ってるよ、いつでも」では、Rちゃんが老犬になり心配していましたね。いまも元気だと知り、うれしいです。これからも時々遊びに来てくれるといいですね。

ボケ防止と…

 わが家ではテレビ各局のクイズ番組を録画し、家族3人で見ながらガチンコでバトルします。

 それぞれ得意分野があり、私は英語、国語、家庭科、計算。夫と子どもは歴史、社会、理科。得意な科目ではそれぞれがうんちくを語りながら自慢げに問題を解いて、「知ったかー」になりますが不得意な科目になると「それは生きていく上で、なんの役に立つ知識なのかな?」と負け惜しみのセリフを言い放つ。

 夫は仕事で疲れて帰ってきては「また家で頭使って疲れる〜」とはいうものの、私はお互いのボケ防止と家族のコミュニケーションに役立っていると感じます。できる限り今後も続けていきたいです。

(宜野湾市 麗舟)

(編コメ)3人で盛り上がっている様子が目に浮かぶようです。脳に良い刺激になっていることでしょう。これからも家族で楽しんでください! 私もクイズに挑戦してみようかな? 

10円玉ハゲの思い出

 公務員をしていた30代の頃、看護師の妻が夜勤へ出掛けるときには4人の子どもの面倒を一人で見てきました。深夜に妻がいないことに気付いて、一人が泣き出すと全員が起き出してくる始末。翌朝はどうにか4人を学校、保育園へと送迎してから出勤。そんなことが重なってか、10円玉ハゲができてしまいました。

 あるとき、尊敬していた先輩が「頑張れるときなんて、そんなにないんだよ。君が頑張れるときは今だから頑張れ…」と励ましてくれました。そんなありがたい励ましの言葉で、仕事も子育ても10円玉ハゲも乗り越えられた、と感謝しています。

(宜野湾市 たかし)

(編コメ)いい先輩に恵まれましたね。本当に大変だったと思いますが、今となってはそれもいい思い出になっていることでしょう。

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