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[No.2023]

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「島ネタCHOSA班」2024年02月15日[No.2023]号



 今帰仁村に「沖縄珈琲(コーヒー)仙人」がいると聞きました。コーヒーをはじめ、 いろいろな果物を栽培しているようです。どんな人なのかとても興味があります! ぜひ調べてください。

 (宜野湾市 ヤムヤム・クイナ)

県産コーヒーの可能性を追求する仙人!?

 「沖縄珈琲仙人」とは気に なりますね〜。依頼人による と、今帰仁村諸志で「花野果 (はなやか)」という農園を営 んでいるそうです。さっそく会 いに行ってきました。

コーヒー栽培を研究

 緑豊かな山間部を進んでい くと、「花野果」の看板を発 見。到着すると、白いひげを たくわえた”仙人“が出迎え てくれました! 代表で「沖縄 珈琲仙人」の金城重信さんで す。

 約3000坪はあるという 農園に足を踏み入れると、い くつものビニールハウスが建ち 並んでいます。金城さんが運 営する「花野果」は、無農薬、 無化学肥料で農業を展開。 15 品種のコーヒーの木や 35 品 種のバナナ、パパイヤ、マンゴー などを栽培する他、青い卵を 産む南米チリ原産の鶏「アロ ーカナ」やフランス料理でよ く利用される「ホロホロ鳥」も 飼育しています。

 「いつもコーヒーのことばか り考えている」という金城さ ん。コーヒーの栽培や歴史な どの研究にも従事していて、 現在は沖縄産コーヒーの論文 を執筆中だといいます。「沖縄 の農家が300年生き残る経 営システムを考えている」と 語り、ヨーロッパで代々続くワ イナリーのように、持続可能 な沖縄産コーヒーの栽培に期 待しています。現在モデルケー スを自ら構築しようと栽培に 取り組み、県内外、国内外か らの視察が来たこともあるそ うです。

 金城さんは、高校卒業後に 上京し、アルバイトで結婚式 場やコーヒーハウスで働くうち にコーヒー好きに。帰沖後は、 サラリーマン生活を経て、亡 くなった弟さんの農園を引き 継ぎ、2014年からコーヒ ーの栽培を始めました。ひげ を生やしていたこともあり、 その頃から「沖縄珈琲仙人」 と名乗り出したそうです。「コ ーヒーといったら沖縄県と言 わせたい」と意気込み、20 17年には北部でコーヒー栽 培をする人たちと「沖縄珈琲 観光協会」を設立。会長とし ても活動しています。「自家栽 培・自家焙煎(ばいせん)の カフェが県内 で増えれば、 各農園を巡り ながら味比べ も楽しめ、コー ヒー産業の発 展につながる のでは」と期 待している金 城さん。生産 だけでなく、 加工、販売ま で手掛ける6次産業化を目 標に、ノウハウを共有して協 力し合いながら、県全体のコ ーヒー産業の活性化や観光集 客を推進したいといいます。

目標は「珈琲王国」

 体験農園としても展開して いる金城さんのコーヒー畑で は、コーヒーの実の収穫から 焙煎、試飲まで楽しめるプロ グラムを提供しています。以 前は別の場所で金城さんの育 てたコーヒーが飲めるカフェを 経営していましたが、コロナ禍 の影響で閉店。現在は農園内 にカフェをオープンするため、 準備中だといいます。

 金城さんの最終目標はこ の農園を珈琲王国にすること です。利用者が増え、大繁盛 した暁には「沖縄珈琲王国」 と名称を変え、王様になる予 定だそうです! 「王様になっ たら、琉球王朝の王様の格好 をするよ!」と笑顔を見せる 金城さん。次は王様になった 金城さんに会えることを心 待ちに、農園を後にした調査 員でした。



観光農園花野果珈琲
今帰仁村諸志2064 -11
☎090‐9780‐8258

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“県産コーヒーの可能性を追求する仙人!?"
金城重信さん。大学と大 学院で経営を学んだ経 験を生かし、研究に励ん でいます
“県産コーヒーの可能性を追求する仙人!?"
コーヒーの木。 敷地内で約 500本のコー ヒーの木を栽 培しています
“県産コーヒーの可能性を追求する仙人!?" “県産コーヒーの可能性を追求する仙人!?"
金城さんが飼育す るアローカナが産 んだ薄緑色の卵。 村内でも販売中
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