沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1967]

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「島ネタCHOSA班」2023年01月19日[No.1967]号



 沖縄に面白いトロンボーン奏者「伊禮みちか」という人がいるそう です。モノマネやちょっとした冗談が得意で人気だそうです。どんな 人か見てきてくれませんか。 

 (沖縄市・うやふぁーじじ)

観客を笑わせる名トロンボーン奏者!?

 「伊禮みちか」さんといえば、 沖縄では数少ないプロのクラ シックトロンボーン奏者。運 良く、近々彼女が出演するコ ンサートの情報を見つけたの で、許可を得て、まずは練習会 場に潜入してみました。

踊るクラシック音楽家

 宜野湾市にあるクラシック 専用スタジオ「ラクダムジカ」 の玄関を開けると、コンサー ト出演予定者が勢ぞろい!弦 楽、木管楽器、金管楽器、ピア ノ、パーカッションとたくさ んの楽器がそろう様子は、ま るで小さなオーケストラ。

 みんなでアイデアを出しな がら和気あいあいと練習をす るなか、小道具も次々と登場 し、クラシック音楽家の皆さ んが「歌って踊れるキャラ」に 変身。

 昨年 12 月 11 日のコンサート 当日は、沖縄市民会館中ホー ルで「わくわくファミリーコ ンサートだョ!♪全員集合♪」 と銘打った公演が開幕。ファ ンファーレや音楽に合わせた 手遊びなど軽快なリズムから 始まり、モーツァルトの格好 をした伊禮みちかさんが登場。 ユニークなトークやモノマネ で年齢幅広い観客の心を一瞬 のうちにつかみ、ひとしきり 会場を笑わせました。

 ソプラノ歌手・友利あつ子 さんによるクラシック曲の歌 唱や、管弦楽アンサンブルに よる「銀河鉄道999」など往 年の名曲が飛び出し、伊禮さ んがひげをつけて再登場。会 場のお客さんと一緒にボール 遊びをすると、この日の最高 潮の爆笑の渦と拍手が客席か ら起こりました。

観客も出演者も笑顔

 家族3人で見に来たという 田場則光さんは「お客さんも 一緒に楽しめる演奏会で楽 しかったで す! 僕もひ げをつけて ダンスしま した(笑)。 息子はバイ オリンを『く ねくね三線』と言って喜んで いました」と笑顔。妻の瞳さん も「気楽でアットホームな演 奏会で面白かったよね」と隣 でほほ笑みます。「大きいピア ノあったよ!」と目を輝かせ るのは、息子の福満ちゃん。

 今回の出演者・吉川えりな さん(バイオリン)は「バイオ リンを持ちながら踊ったのは 初かも(笑)。伊禮さんがやる 事は面白いだろうと今回出演 をお引き受けしましたが、モ ーツァルトの曲を管楽器の皆 さんに囲まれてバイオリン1 人で演奏する貴重な機会でし た。出演者から見てもとても 楽しいステージでしたよ」と 笑顔で振り返ります。

 公演終了後、伊禮さんがな ぜこんなに観客を笑わせるこ とができるか聞いてみました。

 「人を笑わせるのが私の生き がい。幼稚園のころから人を 笑わせるのは好きでしたね。 特にモノマネが好きで、人の 特徴を捉えるのが得意でした。 ネタは『自分がこうされたら 楽しいだろう』と思うのをヒ ントにしていますが、笑って いる人を見て自分が快感にな るから人を笑わせている、とい うのが本音。人を笑わせて一番 癒やされているのは私かも」

 沖縄市出身の伊禮さんは、 沖縄県立芸術大学を卒業後、桐朋学園大学研究科や桐朋オ ーケストラ・アカデミーを経 てプロデビュー。東京で 20 年 間音楽活動をするなかで、1 00校以上の学校公演を経験。

 「人を笑わせたかったら、ま ずは自分を好きになり、肯定 すること。自分ができないこ とに凹んだり責めないで『こ んな自分でもいい』と思うこ と。そこから幸せになるため の音楽や笑いが生まれる。笑 いは想像力です」と目を輝か せます。

 クラシックのトロンボーン 奏者がモノマネやコミカルな トーク。今度はぜひ客席で見 たいです!



問い合わせ・出演のご相談は
☎090-7212-3716
michika.irei@gmail.com



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観客を笑わせる名トロンボーン奏者!?
伊禮みちかさん
観客を笑わせる名トロンボーン奏者!?
沖縄の着物を着た モーツァルトに変身 した伊禮さん
観客を笑わせる名トロンボーン奏者!?
ひげダンスも披露
観客を笑わせる名トロンボーン奏者!?
田場則光さんファミリー
観客を笑わせる名トロンボーン奏者!?
吉川えりなさん (バイオリン)
観客を笑わせる名トロンボーン奏者!?
今回の出演者。(上段左から)たさとしの ぶさん、友利あつ子さん、伊禮みちかさ ん、小渡美和子さん。(下段左から)吉川 えりなさん、伊敷祐希さん、赤嶺涼太さん
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