沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1955]

  • (木)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2022年10月27日[No.1955]号



県民なら誰もが知る、お米が目覚めて踊りだす天気予報の提供元としまいておなじみの沖縄食糧。このたび、オリジナルブランド「mycucuru(米くくる)」を立ち上げ、スキンケア商品を完成させたというのですが...?

県産米で美肌をサポート!?

 お米の会社がなぜスキンケ ア商品を? 興味津々の調査員 は、浦添市勢理客の沖縄食糧株 式会社へ向かいました。

沖縄食糧が開発

 出迎えてくれたのは、品質管 理部主任の山城真知子さん。管 理栄養士・米穀検査上級技術 者の資格を持つ山城さんは、お 米の研究に取り組み、健康をサ ポートする雑穀米などの商品 開発を手掛けてきたそう。

 「沖縄食糧では精米を行っているので、米ぬかが発生しま す。SDGsの観点から、この 米ぬかを何か活用できないか 考えました」

 玄米を白米に精米する過程 で生まれる米ぬかには、美容成 分が豊富に含まれています。昔 の人は米ぬかをせっけんの代 わりに使っていたという話も あり、お米本来が持っている成 分を生かしてスキンケア商品 が開発できるのでは…と思い 至った山城さん。各部署から女 性5人を募って、開発チームを 結成します。そして約1年の時完成させ、オリジナルブランド 「mycucuru」を立ち上 げました

 「ブランド名は『米』と英語 の『私(my)』を掛け合わせて おり、お米に携わる人々の想い と沖縄の心(くくる)を表現し ています」

県産素材にこだわり

 では、実際の商品を見せても らいましょう。今回発売したの は、泡洗顔2種(さっぱりタイ プ・しっとりタイプ)と化粧水。

 試しに泡洗 顔を使わせて もらうと…。 ポンプを押す とモコモコの 泡が出てきま した。手で触 ると、しっと り・もっちり したやさしい 感触です。  「お米由来 成分には、高 い保湿力が期 待されます」 と山城さんの 言葉を、調査員も泡を触って 納得。

 「泡立ちには特にこだわり、 試作を何度も繰り返しました」

 ちなみに、泡洗顔にしたのは 「朝、何かと忙しい女性が、泡を 立てる時間を少しでも短縮で きるように」との工夫。女性5 人の開発チームならではの発 想ですね。

 泡立ちを優先しすぎると保 湿力が落ちるため、泡立ちと保 湿力の理想的なバランスを追 求。また、開発チームのメンバ ーの肌質によって意見が分かっとりタイプの2種類を開発 したそうです。

 「地域の中で作ったものを県 民の皆さんにお届けしたいと いう想いから、県産の素材にこ だわっているのも特徴です」と 山城さん。

 泡洗顔と化粧水には、石垣島 産の米ぬかエキス(※1)、西表 島産の黒米発酵液(※2)、久 米島の海洋深層水など、県産 の天然素材を配合。

 ちなみに、ポリフェノールが 豊富で抗酸化作用が期待され る黒米に着目したのは沖縄食 糧のオリジナル。お米の研究を 行ってきた山城さんの知見が 生かされているのですね。

 製造は久米島の化粧品メー カー「ポイントピュール」が担 当。6月の商品完成以来、販路 も拡充させ、県内量販店など 20 店舗やECサイトでの取り扱 いも始まっています。「今後は、 泡洗顔、化粧水とセットで使え るクリームの開発にも取り組 みたい」と山城さんは次の目標 を話してくれました。

 最後に、泡洗顔のしっとりタ イプと化粧水で顔を洗ってみ ると…。お肌がやさしく包み込 まれるような感覚! もっちり ハリのあるお肌になったよう に感じました。さらに化粧水 は、紫外線によるダメージをケ アしてくれるそうです。お米の 力でこんなにお肌が潤うと は! これまで知らなかったお 米の力を実感し「mycucu ruを通して、お米を生活の中 に身近に感じてほしい」という 山城さんの言葉がよみがえっ た調査員なのでした。

※1 コメヌカエキス
※2 アスペルギルス/コメ発酵液
【皮膚コンディショニング】

…………………………………

問い合わせ ☎098(877)2323





このエントリーをはてなブックマークに追加


県産米で美肌をサポート!?
mycucuruのスキンケア商品。 ①泡洗顔と美容ミストがセットになったスペシャルボック ス、②お米の恵み 美容ミスト(化粧水)(100㍉㍑)、③お 米の恵み 泡洗顔しっとりタイプ、④ 同さっぱりタイプ(ど ちらも150㍉㍑ )
県産米で美肌をサポート!?
開発チームは女性5人。 (後列右から)品質管理部 山城真知子さん、総務部 田幸亜樹子さん、営業部 川平いずみさん、(前列右 から)経理部 宮平清美さ ん、営業部 仲本香さん
>> [No.1955]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>