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[No.1816]

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「島ネタCHOSA班」2020年02月27日[No.1816]号



 先日国頭村に行った時に、ユニークな形の三線を発見しました。天(頭)の部分が国頭の地形やヤンバルクイナなどになっているんです。どんな人が作っているのか調べてください。

(宜野湾市 サンシャインガールさん)

個性的デザインの三線制作者?!

 依頼者によると、そんなユニークな三線は国頭村の道の駅ゆいゆい国頭で展示・販売しているそうです。制作者は知花善光さん(あしび三線ZEN)と判明。さっそく工房を訪ねてみました。

 辺士名漁港にほど近い建物の2階にある工房「あしび三線ZEN」。目深にかぶった麦わら帽子にジーンズ姿という粋なファッションに身を包んだ知花さんが出迎えてくれました。

ひらめきから作品が次々誕生

 「自由に何でも作っている」という知花さん。工房の中に入ると、ユニークな三線がずらりと並んでいます。天(頭)が国頭村の形をしたもの、ラインストーンを貼り付けたもの、棹(さお)部分に縦のラインが施されたもの、カラクイ(糸巻き)部分がギター用のものになったもの、四線、六線、八線、ダブル三線など、伝統的な三線とは一味違った雰囲気を醸し出しています。

 「ひらめくとすぐ新しいのを作ってしまうから、仕事にならない」と笑う知花さん。会話やテレビなどを通してヒントを得ては作品を制作しているそうです。知花さんの作品を見て「こんなもの作ってほしい」と訪ねてくる人もいるそうで「これが楽しい」と目を輝かせます。

 知花さんは、15歳で県外へ出てから、県内外を行ったり来たりしてさまざまな職を体験してきたといいます。

 「東京などで舞台の大道具や自動車の溶接工、造船業、超高層ビルの工事現場、看板屋などの職を経験。20歳の頃は、那覇市の老舗ジーンズショップで継ぎはぎジーンズを制作していた」と話す知花さん。ものづくりのベースとなる技術を身に付けてきたのですね。

 三線を作り始めたのは30年以上前。30歳を過ぎて沖縄に腰を据えた頃からだそうです。ある日、父親の三線を見つけ「作ろうとひらめいた」そうです。

 いきなり作れるのですか?

 「寸法を測って、図面を書けば作れる」と答えます。当時、ギターは弾けたものの三線は弾いたことがなかったという知花さんでしたが、その作品は三線職人から評価されます。

自由な発想で制作活動

 三線作りが楽しくなり、伝統の三線を作っていた知花さんに転機が訪れたのは、知り合いからの電話。「今変な三線で歌っている人がテレビに出ているよ」。見ると、弦を巻くカラクイの部分が、ギターのようなデザインになっていました。「『三線は自由でいいんだ』とひらめいた知花さんは、それ以来ユニークな作品を作り続けています。

 ラインストーンを三線に貼った作品を作り始めたのは10年以上前。知花さんの三線が欲しいと訪ねてきた福岡の女性とのやりとりの中で、「またひらめいた」といいます。女性に受けるようなものを何か作ろうと思い、100円ショップのラインストーンを送ってほしいと頼んだ」のが始まりだそう。

 今使用しているのは世界的に有名なクリスタルブランドのラインストーン。ある日、依頼者が三線に貼ってほしいと材料を持ち込んできたときに出合ったそう。そのきらきらとした輝き具合に魅せられ、東京にあるアクセサリーパーツの販売元に頼み込んで、やっと送ってもらえるようになったといいます。やり取りは電話や手紙のみという知花さんに担当者は応えてくれ、今では応援してくれているようです。

 「ものづくりが楽しくて、遊んでいる時間がもったいない」という知花さん。今後どんな作品ができるのか楽しみですね。知花さんの作品はゆいゆい国頭で見ることができます。機会があれば、ぜひ実物を見に出かけてみてはいかがでしょうか。



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個性的デザインの三線制作者?!
天(頭)部分が北部の地形、ヤンバルクイナ、カラクイ(糸巻き)部分がギタースタイル、ラインストーンを貼ったものなど
個性的デザインの三線制作者?!
ダブル三線(左)、棹(さお)部分にラインが入ったデザイン(右)
個性的デザインの三線制作者?!
万年筆、琉球松のペン、ピアス、三線型のかんざしなども制作
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