沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1711]

  • (水)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2018年02月08日[No.1711]号

コインランドリー界は戦国時代

 県内各地でおしゃれなコインランドリー店を見かけるようになりました。最新情報を教えてください。

(浦添市 布団を洗ってみたいさん)

コインランドリー界は戦国時代!?

 県内におしゃれなコインランドリー店!? 調査員仲間に聞いても誰も現状を知らないので、知人をたどり「自称コインランドリー研究家」の長浜真美さんに会うことができました。
 「今の県内コインランドリー業界は、戦国時代といえるほど熱いんです!」と長浜さん。今までのマイナスイメージを打破する、明るくて清潔な店舗が増え、全国展開をもくろむ社長もいるのだとか。さっそく案内してもらいましょう。

洗濯業界のアップル社

 最初に訪ねたのは、お客さまのニーズを取り入れ「県内では他にないと思うブランド化に成功した店」と長浜さんが絶賛する「フトン巻きのジロー」。オーナーのジローさんは、昨年あたりから過熱したコインランドリー・ブームに慎重に対応してきたと話します。

 「糸満1号店開店後に布団洗いのニーズを強く感じ、衣類洗濯から脱却して布団洗い産業にシフトしました。人生の3分の1の時間を布団で過ごすのに、洗わない人がほとんどではないですか。洗う機材・水・洗剤は良質で、布団を巻くバンドも開発しました。日本全国に『布団洗い文化』を広めたいと考えています」

 美しい仕上がりにもこだわるというジローさんの話に、調査員は清潔な布団で寝られる幸せをイメージ。

 続けて「店の運営を支えるのは主婦の方」と語るジローさん。働くクルー同士、家庭を第一に助け合う体制を整えているそう。店内清掃をしっかりこなせるなら、子ども連れの作業も構わないのだとか。今後はママさんクルーに、在宅業務を任せる計画もあるそうですよ。

 「従業員重視の働き方改革に着手し、経営理念もこれまでのランドリー店とは次元が違いますよね。沖縄発、ランドリー界のアップル社だと思っているんです」と長浜さん。洗濯機や乾燥機を置くだけでもうかる時代は終わった、と感じるそうです。時代を先取りする企業ですね。

健康と環境に配慮

 次に紹介するのは南風原町津嘉山にある「RISE WASH」です。「地域に根ざした親しみやすいお店で、社会貢献にも尽力しています」と長浜さん。どんなお店ですか?

 「店内にスタッフがいる時間を作り、『人が見えるお店』を心掛けています。布団洗いや家事の手助けになるサービスを提供し、使い方などを手書きして温かみを出す信頼関係を大切にしています。柔軟剤ではなく浄化液で仕上げるのもうちの特徴です」とオーナーの當銘昌さん。

 洗濯後に汚水になる柔軟剤は使用せず、微生物の力で衣類や寝具をふんわり仕上げる100㌫天然成分の浄化液を使い、肌にも環境にも優しいそうです。妻の綾乃さんが資格を生かし、ダイエット効果のある耳つぼの施術をするなど、待ち時間を活用できる工夫も。

 長浜さんは「環境問題に正面から向かっていますよね。お店の人との交流で愛着が湧き、通いたくなるんです」と解説します。

 長浜さんの案内のおかげで、おしゃれなランドリー店の現状がつかめました。長浜さんは多数の店舗に出向き、機材から店内の装飾までチェックしてきたそうですが、ランドリー業界に関わって長いのですか?

 「いいえ、サニー沖縄という青果店で働く会社員です。家事を手伝って洗濯に出掛けているだけですよ」

 調査を通して、県内のコインランドリーも大きく変わりつつあることを実感した調査員でした。



このエントリーをはてなブックマークに追加


コインランドリー界は戦国時代
「自称コインランドリー研究家」の長浜真美(まさみ)さん
コインランドリー界は戦国時代
フトン巻きジロークルー三姉妹(左から、ミスズ、ケイコ、ミホ)
コインランドリー界は戦国時代
創業2年目で8店舗に拡大。ワンコイン500円で布団を洗う文化作りを目指す「フトン巻きのジロー」。写真は津嘉山4号店=南風原町
コインランドリー界は戦国時代
「RISE WASH」オーナーの當銘昌さんと妻の綾乃さん
コインランドリー界は戦国時代
アットホーム感のある「RISE WASH」の清潔な店内=南風原町津嘉山
>> [No.1711]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>