沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1686]

  • (日)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2017年08月17日[No.1686]号

造船会社の敷地にロボット

 那覇新港から浦添市方面に車を走らせている途中、ロボットらしきものを発見! 海に面した倉庫街のようなエリアで近づけなかったのですが、詳しく調べてもらえませんか。

(南城市 アズナブルが大好きさん)

造船会社の敷地にロボット!?

 ロボットですか!? 間近では見る機会がなく好奇心がそそられますし、情報によると調査員のオフィスから近くのよう。すぐに探してみたところ…見つけました! 門番のように堂々と立つその姿。某国民的アニメの人型ロボットのようであり、某銀行のキャラクターのようにも見えるのですが、一体何者でしょう?

「りゅうぞうくん」!

 ロボットが出迎えるその場所は、浦添市伊奈武瀬の「琉球造船鉄工株式会社」。調査したいとガードマンさんに取り次いでもらったところ、代表取締役社長の平良和彦さんに会うことができました。

 表に立っているのは、何というロボットですか?

 「りゅうぞうくんです! 今年2月に設置しました」と平良社長。いろんな人が注目する会社のシンボルをつくってほしいと社員に伝えたその半年後、りゅうぞうくんが完成したそうです。

 琉球造船鉄工の社員が手作りした、完全オリジナル・ロボットだったんですね。

 「30代の男性社員が中心になって、鉄を組み立てペンキを塗ってつくっていきました。鉄を扱う我々は、硬い商売をしていると思われがちです(笑)。でも軟らかさもあるとアピールしたくて、社員に相談したんです」

 笑顔で語る平良社長は完成したりゅうぞうくんを見て、「すごい! こんな本格的なロボットができるなんて」と想像を超える出来栄えの良さに感動。制作過程は一切見ずに、制作者である社員に全てを任せたとのことでした。

 通り掛かったファミリーや職場見学に来た高校生の注目も浴びていて、実際に活躍中のりゅうぞうくん。取引先からの反響もあり、見学に来る人もいるそうです。

 実は敷地内にはりゅうぞうくんの前身ともいえる「ロケット」があり、救急箱や担架・消火器などを保管。

 「分散して置くより、緊急時の安全対策として1カ所にまとめた方が使いやすいと思い、ロケット型の保管場所を作ってもらいました。目立っていいですよ」

 大切な資源でありながら廃材にもなる鉄を、ユニークなアイデアで有効活用しているすてきな会社だな、と調査員は感じました。

期待と将来を背負う役目

 りゅうぞうくんというシンボルができて喜ぶ平良社長ですが、楽しい職場にすることや社員の技術向上という目的も持っていました。

 「働く魅力がある会社にしたいですよね。主な業務は船造りと船の修理ですが、そればかり続けるのは面白みがありません。仕事をしながら少しだけでも遊び心を表現できたら楽しくなりますし、いろんなアイデアが生まれます。そして興味を持つと挑戦する意欲が出ることも大切ですね」

 りゅうぞうくん制作の中心人物は、普段はあまり溶接作業には携わっていませんが、ロボットづくりのために積極的になり、協力する社員も出てきて技術を身に付けながら完成させたと教えてくれました。

 平良社長は若い人が夢を持って働ける職場作りを心掛け、創意工夫しながら「会社に来る楽しみを与えたい」と話します。 「島に橋がかかるなど定期船は減っていますが、ゼロになることはありません!」と、船に関わる業務の重要性や任務もいろいろと教えてくれました。

 帰り道、りゅうぞうくんにあいさつしようと近寄った調査員ですが、100㌫鉄製の重厚感に圧倒されました。正確に計測してはいませんが、高さは2㍍超えで重さは300㌔㌘から400㌔㌘の間ではないか、とのことです。

 とにかく存在感があるりゅうぞうくんですが、目が光ったり手が動いたりする進化版制作の計画も出ています。県内有数の造船会社の社長と社員の期待と将来を背負い、大きな役目を担っていますね。見学も歓迎してくれますよ!



琉球造船鉄工株式会社
浦添市伊奈武瀬1丁目6番5号
☎098-868-4088

このエントリーをはてなブックマークに追加


造船会社の敷地にロボット
365日、訪問客を歓迎して事務所を守る「りゅうぞうくん」
造船会社の敷地にロボット
1号機ともいえる「ロケット」。扉を開けると救急箱など、左右下の円柱には消火器が保管されている
造船会社の敷地にロボット
1947年創業の「琉球造船鉄工株式会社」。船舶の建造と修理が主な業務です
>> [No.1686]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>