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[No.1684]

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「島ネタCHOSA班」2017年08月03日[No.1684]号

国頭村に宇良関応援ののぼり

 先日、北部をドライブ中、国頭村で「ちばりよ〜 宇良関」と書かれたのぼりを至る所で見かけました。なぜ国頭村で宇良関を応援しているのでしょうか。ぜひ調べてください。

(那覇市 ヤンバルンバさん)

国頭村に宇良関応援ののぼり!?

 宇良関といえば、7月に横綱日馬富士から初金星を挙げた業師として注目を浴びる大相撲の東前頭4枚目。

 依頼人が送ってくれた写真を見ると、宇良関を応援する多くののぼりの下に「国頭応援会」と書かれているのを発見。何カ所かに問い合わせたところ、宇良関の国頭応援会会長で、宜名真区長の山入端立全さんと連絡が取れました。さっそく宜名真区まで車を走らせました。

 国道58号を北へ進み、左手に海、右手に山と絶景のドライブコースを走りながら、国頭村に入ると、「ちばりよ〜 宇良関」と書かれたピンク色ののぼりがいくつも目に入ってきました。道路沿いや、企業の前、個人宅の玄関先など、さまざまな場所に「宇良関」「宇良関」と掲げてあります。 。

祖父母が宜名真区在住

 宜名真地区公民館に到着すると、山入端さんが出迎えてくれました。

 「のぼりは現在400本ほど立っていますよ」と山入端さん。

 それは想像以上です。国頭村で宇良関を応援するようになったきっかけは?

 「宇良関は大阪府出身ですが、彼の祖父母が国頭村宜名真区在住。父親も同区出身という縁で応援を始めました」

 宇良関の国頭応援会を発足し、宜名真区だけでなく、村を挙げて応援しています。山入端さんたちは約2年前の序ノ口のころから応援を始めたそう。宇良関の祖父母も交えて千秋楽に祝勝会を開くなどしています。

 のぼりは、相撲の場所が始まる前に各集落で掲げているといいます。

 のぼりを立て始めてから、反響があったそうで「何で宇良関ののぼりが立っているの?」と問い合わせがきたり、観光客もバスを停めて写真を取ったりしているそうです。

 デザインは宜名真区事務所で考案し、発注。「ちばりよ〜 宇良関」のほかに、幕内に昇進したときに作った「祝 宇良関 幕内昇進」と書かれたのぼりが今でも若干残っています。

 2015年5月に序ノ口優勝を果たした際には、泡盛の記念ボトルを販売。300本が完売し、手に入らなくて残念がった人も多かったといいます。

まわしの色と同じピンク

 「のぼりのピンク色は、宇良関のまわしの色に合わせています」と山入端さん。

 あのかわいいピンクは宇良関のまわしの色にちなんだものだったとは驚きです。ちなみにピンクは宇良関の母が好きな色ということも知りました。母親思いのすてきな力士です。

 「あと、黒星を連想させるので、のぼりには黒色を使用していません」

 なんと、縁起を担いでいるのですね。のぼりのデザインにさまざまな思いが込められていることを知りました。

 今では、のぼりを見て、「うちものぼりを作りたい」と依頼も来るといいます。これからもどんどん増えていきそうな予感です。

 宇良関の活躍のおかげで、今まで相撲を知らなかった住民たちも相撲の面白さを知り、ファンが増えたといいます。

 「相撲の時間になると、外に出る人はほとんどいません」

 みなさんテレビの前で観戦するという熱狂ぶり。もう、大フィーバーじゃないですか。

 宇良関の活躍は、おじい、おばあたちの元気にもつながっているという山入端さん。「みんなの楽しみにもなっています。会話も生まれ、コミュニケーションが深まってきました。いいことばかりですよ」

 今後もさらに昇進が期待できそうですね。

 「みんなの夢でもありますね。のぼりを立てる時は1本1本に『頑張って』『けがをしないで』と願いを込めています」と山入端さん。

 12月には大相撲沖縄巡業が開催予定。宇良関を生で見られるチャンスに、県内でもさらに盛り上がりを見せそう。今後の活躍から目が離せません。



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国頭村に宇良関応援ののぼり
山入端立全さん
国頭村に宇良関応援ののぼり
「宇良関」と書かれたピンクののぼりがずらりと並びます
国頭村に宇良関応援ののぼり
沖縄場所のPRのため来沖した宇良関。宜野湾警察署の一日署長も務めました=7月25日
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