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[No.1631]

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「島ネタCHOSA班」2016年07月28日[No.1631]号

二見にワカゲノイタリ村

 僕の友人が突然、村を作って村長になる…みたいなことを言っています。なんか直接は聞きにくいので、調査をお願いします!

(名護市 副村長希望さん)

二見にワカゲノイタリ村!?

 依頼文を読んだ瞬間、このぶっ飛んだ内容が完全に調査員のアンテナにヒット。さっそく村に行ってみましょう!

新しい価値観を

 その村の名前は「ワカゲノイタリ村」。場所は、名護市の二見トンネルを抜けた大浦湾の辺りです。

 調査員を満面の笑顔で迎え入れてくれたのは、村長の具志堅秀明さん(22)。

 「ここは、衣食住を村内で完結させることで、新しい価値観を提案しようという村です!」と具志堅さんは元気よく話します。

 「私はもともと各地の新しい文化に触れるのが好きで、2年前にヒッチハイクで日本中を旅したんです。その時に、原発やリニア、米軍基地など、経済社会の中で問題に直面している地域を訪れ、社会の構造がこのような状況を引き起こしているのではないかと感じたんです」

 おや、失礼ながら最初の想像と違い、村の活動はしっかりと社会的な意味を持っているようですね。

 「はい。それならば、自分たちで『お互いを活かし合う社会』を表現した村を一から作ってみよう、というところから去年の11月からこのワカゲノイタリ村が始まりました」

 ふむふむ。新しい価値観をポジティブな姿勢で提案しているわけですね! ちなみに、村の住人は現在3人ですが、最終的には15〜20人のメンバーを構想しているそうです。

村づくりを名物に

 村内で衣食住を完結させるということですが、具体的には?

 「この場所は草が生え放題の遊休地だったので、まずは草刈りから始めました。そして次に、建物の補修にトイレ・水道の整備。裏手の川が雑草でせき止まりしていたので、そこも開拓していきました」

 まさに手作りといった感じの地道な作業に汗を流したんですね。

 「地域の方々とのつながりも大事だと考えているので、あいさつ回りや地域の手伝いは最優先に行いました。二見地区は20代の人が数人しかいないので、力になれることは積極的に参加しています」

 食べ物については?

 「魚はすぐそばの大浦湾から釣っています。試しに野菜や果物の栽培もしているんですけど、今のところ塩害の被害もなさそうです。

 ちょくちょく野生化した鶏が村に入ってくるので、ある程度コミュニケーションを取りながら育てていって、感謝しながらいただいています」

 村の一日について教えてください。

 「8時頃、最初に起きた人がみんなを起こします。そのあと30分ほど『ハッピーダンス』という舞をして朝ご飯です。今日はキュウリと塩でした(笑)。それからは各々、村のものづくりをしたり、外資を稼ぎに村の外に出たりします」

 外資って何ですか?

 「日本円です(笑)。近所の定食屋でアルバイトです」

   ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇

 村ではこれまで、夜に映画をみんなで見る「ほしぞらシアター」などのイベントが行われ、この8月にはピザ窯作りのワークショップも行うとのこと。

 「僕は本気で、ここを国際拠点のハブ地域にしたいと考えているんですよ。今でも正規の手続きでリトアニアからのインターン生を受け入れています。

 人が集まれば観光の場所になる。そしたら村づくり自体が新しい産業として成立するかもしれない。行政ができないことを自分できるようになったら、日本はもっと楽しくなりますよ」と熱く語る具志堅さん。今後の村の動向に注目です!



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二見にワカゲノイタリ村
村長の具志堅秀明さん
二見にワカゲノイタリ村
毎朝のハッピーダンス。心も体も元気になれそう?
二見にワカゲノイタリ村
リトアニアからのインターン生マンタスさん(左)と共に
二見にワカゲノイタリ村
村のすぐ近くには大浦湾が
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