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[No.1615]

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「島ネタCHOSA班」2016年04月07日[No.1615]号

アンティーク・ミシンを収集

 先日車で壺屋を通りがかった際に、たくさんのミシンが展示されている光景を見ました。車中からはっきり見えなかったのですが、年代物がかなりあるようなお店でした。販売しているのでしょうか? 

(読谷村 手作り派)

アンティーク・ミシンを収集!?

 恥ずかしながら、その存在を知らなかった調査員。さっそく、那覇新都心にある天久りうぼう楽市にやって来ました。

 キーワードは「ミシン店」と「壺屋」のみ。果たしてその店にたどり着けるのか…。壺屋やちむん通りのシンボル「うふシーサー」を目指して歩く調査員、その後ろにミシン店を発見したのであります! 外から確認できるほど、きちんと飾られているミシンの数々…売り物なのでしょうか? それとも? 早速調査を開始します。

ミシンにほれ込んで

 「すみませ〜ん。飾ってあるミシンについて教えていただきたいのですが…」と「国吉総合ミシン」のドアを開けると、笑顔で迎えてくださった国吉繁さんと英子さん。開業から30年余りの夫婦経営のミシン店です。店内から飾り棚のミシンを眺めると、台数の多さに改めてびっくり。さらに1台ずつ見ていくと、歴史を感じるレトロなミシンがたくさんあるではないですか! なんと100年以上前の型もあるとのことで、店の歴史より古いのですが…

 「10年ほど前、修理先でアンティーク・ミシンを見かけたことをきっかけに、集めるようになりました」と話し始めた繁さん。飾り用にと、骨董(こっとう)品店で購入した古いミシンだったそうです。「ミシン関連の情報は何でも知っているつもりだったのに、趣味で集める世界があるなんて!」と、目からうろこが落ちた繁さんにとって、ミシンは大切な商売道具であり、縫い合わせのための実用的な機械。それを飾り物にするなんて…繁さんのミシンに対する思いが、ガラッと変わる出来事でした。

 繁さんは、学校卒業後に電器店に就職。ミシン部に配属され、家電担当者よりも珍しいポジションで脚光を浴びたそうです。「やりがいを感じました。縫製工場には女性の縫い子さんが大勢いたことも、元気に仕事ができた理由」と茶目っ気たっぷりの笑顔。1980年代の沖縄には現在の3倍以上も縫製工場があり、活気付いていたそうです。繁さんは独立を決め1983年に「国吉総合ミシン」を開業。「衣類を始め身に付けるものはすべてミシンで縫っているので、種類は豊富で1000万円を超える工業用ミシンもあります。家庭用ミシンが減っても、工業用はいつの時代もニーズがある!」と力説する繁さんから、仕事にかけるプライドが伝わってきました。

想像超えるミシンの数!

 ミシンに愛情を注ぎ続ける繁さんのコレクター魂に火をつけた、修理先のアンティーク・ミシン。自分ならもっと集められると欲が出たのでしょうか。本島内の骨董品店に電話を入れ、ミシンがあれば出向いて購入。入手した時は連絡するように頼み、旅先でも探しに行くなどして1台ずつ買いそろえていったそうです。

 6年前の移転を機に、繁さんは自慢のコレクションの飾り棚を設置。1台ずつ丁寧に並べたミシンが、外側から眺められるようになりました。何台あるかと数えてみたら「40台」! 飾られているのはアンティーク・ミシン中心ですが、販売用の新品や修理中のミシンもあり、店内には一体何台のミシンがあるのか…と想像を超える台数の多さでした。

 修理に出掛けることが多い繁さんに代わって店を守る英子さんは、「おばあちゃんやお母さんの形見のミシンの修理を頼まれた時は、家族で受け継がれているようでうれしくなります」と語りました。最新型はコンピューター仕様で、「お子さんのための手作りグッズも簡単にできるので試してください」と勧めていましたよ。

 ミシンに関することなら、どんなことでも相談にのってくれる「国吉総合ミシン」。息子も後継ぎとして活躍する頼もしいファミリーで、飾ってあるミシンは行き交う人々の目を楽しませてくれます。コレクションは販売はしないとのことなので、近くを通った時に見学を! これからも沖縄のミシン文化の継承と情報発信を、よろしくお願いします。



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アンティーク・ミシンを収集
1983年に開店した「国吉総合ミシン」の国吉繁さんと英子さん
アンティーク・ミシンを収集
外から見えるたくさ〜んのミシン! 写真を撮る通行人が多数
アンティーク・ミシンを収集
珍しいアンティーク・ミシンがずらり!
アンティーク・ミシンを収集
写真コレクションもあり、ミシン博物館のような店内
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