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[No.1545]

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「島ネタCHOSA班」2014年11月20日[No.1545]号

武道家だらけのバー

 那覇市の崇元寺通りに「DOJO BAR(ドージョーバー)」という気になる名前の店があります。どんなバーか調べてきてください。

(那覇市 道場破りさん)

武道家だらけのバー!?

武道家だらけのバー!?

 DOJO=道場? 英語にも武術にも弱い調査員ですが、行ってみましょう! 店に着いたのは午後7時。入り口には「DOJO」というネオンサインと、「道場」と達筆な字で書かれた紙が。たのも〜!

空手グッズでいっぱい

まず目に付いたのが、寄せ書きとサインだらけの壁。サンドバッグと胴衣。そして、いたるところに飾られた武具。

 きっと店の奥から、屈強な男が…と思いきや、現われたのはチャーミングな女性スタッフたちでした。

 お客さんの姿はまだ見えません。まずはオーストラリア出身のスタッフ、サム・チャンバーズさんに話を聞きます。

 「これから人が増えますよ〜。10月、11月の沖縄は空手・古武道のセミナーやイベントが多いので、世界中からたくさんの人が集まるんです」

 流ちょうな日本語で話すサムさんは2年前に来沖。小学校で英語を教えていて、店は週末のみ手伝っているそう。なんと武道歴12年。最近、琉球古武道2段を取得しました。

 「空手を始めたのは両親に勧められたのがきっかけです。古武道を始めたのは18歳くらいで、豊見城市にある道場に通っています。南アフリカ出身の女の子もいますよ」

 空手と古武術の発祥の地・沖縄には、国内外から多くの修行者が訪れます。なかにはサムさんのように沖縄で暮らしたり、長期滞在したりして、道場に通う外国人空手家も。

 DOJO BARはそんな空手・古武術愛好家が集まる場だったのです。ではオーナーも空手家?

 「はい、松林流です。入り口にある胴衣と帯は、オーナーが師匠の新垣敏光先生から譲り受けた、松林流の開祖・長嶺将真先生のものなんですよ」

 なるほど〜。それにしても店内は空手・古武道グッズでいっぱいですね!

 「オーナーはおたくなの。ここは『空手博物館』とも呼ばれています」

 棒、鉄甲など武具の説明を受けたところで、オーナーのジェームス・パンキュビッチさんが登場しました!

国境を越えた交流の場

 イギリス出身のジェームスさんは、空手歴22年の41歳。 「もともと武道に興味があり、高校卒業後に地元の小さな道場に通い始めました。空手は奥が深くて、稽古はとても楽しい。心と体をバランスよく鍛えることができます」

 大学時代に出会ったうちなーんちゅ女性と結婚したことをきっかけに、2009年に沖縄へ移住。11年7月に店を開きました。松林流空手道3段取得者で、日本語も話せます。

 「沖縄には空手家たちが交流できる場所がなかったので、みんなが気軽に集まれる店をつくろうと思いました。英語に興味がある日本人のお客さんもきますよ」

 経営のかたわら、来沖する外国人や地元の人に向け、沖縄ツアーや道場の訪問、各種イベントを実施。地道な努力のかいあって、店には世界の空手家や、沖縄の先生たちも集まるように。

 さらに10月25日の『沖縄空手の日』には、座喜味城跡で空手の「型」を演武するイベントも開催。大成功を収めました。

 「流派も国籍も違う約120人が参加しました。今後も続けていきたいですね」

 カウンター席にいたカナダ人男性、プレストン・ビーチさんもイベントに参加した一人。

 「14日間の滞在を予定しています。沖縄では『イチャリバチョーデー』という言葉通りの素晴らしい出会い、武道体験ができています」

   ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇

 空手は礼に始まり、礼に終わる。ここはそんな、相互尊重の交流が図れる場所。一礼し、軽い足取りで店を後にした調査員でした。

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武道家だらけのバー
サムさん
武道家だらけのバー
ジェームスさん(右)と沖縄旅行中のジェームスさんの父・ポール・パンキュビッチさん
武道家だらけのバー
「U.S.A KARATE」や「Shorin-Ryu」など壁の寄せ書きはお客さんたちによるもの
武道家だらけのバー
さまざまな国籍の客でにぎわう店内。英語が話せなくても大丈夫!
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