沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1544]

  • (土)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2014年11月13日[No.1544]号

サトウキビの沖縄そば

 先日の「沖縄そばの日」に、うちのめいっ子が学校給食で「ウージそば」を食べたと言ってました。サトウキビが入ったそば? 甘いんでしょうか? ぜひ、調べてほしいです。

サトウキビの沖縄そば!?

栄養豊富で味がない?

 今回の質問者のめいっ子さんが通っているのが、浦添市立神森小学校とのこと。さっそく、市内の給食作りを担当している、「市立学校給食当山共同調理場」に確認してみようではありませんか。

 「確かに今年の沖縄そばの日に、ウージそばを提供しましたよ。その麺を作っているのはサン食品さんです」との、ありがたいご回答。それなら、サン食品さんに赴いてみることにしましょう。

 迎えてくださったのは、笑顔がチャーミングなサン食品企画課主任栄養士の諸見里よもきさん。「今年は、浦添市内だけでなく、中城や西原、普天間などの学校給食センターに約1万7600食のウージそばを出荷しました。子どもたちにも好評でしたよ」とにっこり。

 なんでも、ウージそばには、サトウキビの搾りカスを粉末にした「ウージパウダー」が練り込まれているそうです。おからの約2倍と、食物繊維が豊富なほか、鉄分やミネラルなども含まれていて、今年4月から県学校給食会の推奨品になっているそうです。

 ふむ、なるほど。沖縄そばだけでは不足しがちな栄養素が取れるのは嬉しいですね。通常の沖縄そばとは製法に違いがあるのでしょうか?

 「栄養価的には、麺にパウダーを3%練り込むのが理想。この割合を維持しながら、食感やコシを出すのが大変でした。弊社の製麺技能士が粉の配合を変えたり、麺の太さや形状を変えてみたり、麺が完成したのは沖縄そばの日の直前でしたよ」と諸見里さん。  学校給食のメニューには、見えない努力が隠されているんだなぁ、と感心しながらも、やはり気になるのはその味。ということで、もちろん試食させていただきました!!

給食メニューで大活躍

 少し茶色っぽい麺を口に運んでみると、ん? 甘くない? 何というか…普通の沖縄そばとそんなに変わりがない気がするんですけどぉ。   「いろいろな用途に使いやすいよう、ウージパウダーはほぼ無味無臭ですよ(笑)」と、登場したのは沖縄パウダーフーズ(株)商品開発部課長の松井大吾さん。ウージパウダーの開発を含め、県産の農産物や薬草を粉末加工して、健康食品の材料として出荷しているそうです。

 「ウージパウダーは、最近特に注目を浴びています。サトウキビの繊維質にはかなりの強度があるため、細かい粉末にするために、8年の月日を費やしました」と松井さん。パウダーの粒子は約30ミクロン。人の毛根が約50ミクロンというから、その細かさが想像できますでしょうか。この技術のおかげで、栄養価を保ちつつ、口当たりのよいパウダーが誕生。何とも涙ぐましい企業努力ではありませんか。

 産業まつりの際に試食で出したウージそばも好評だったそうで、諸見里さんは「そば専門店や病院、保育園にもウージそばを紹介しているところなんですよ」とのこと。

 松井さんは、「小麦粉を使った料理やカレー、スムージーなどにもおすすめですよ」とも。学校給食でも、サーターアンダギーや揚げパンなど、実はいろいろなメニューに取り入れられているそうです。

   ◇    ◇    ◇    ◇    ◇    ◇

 甘い麺でなくて、何となくホッとしましたが、それ以上にサトウキビの秘めたる可能性にはビックリした今回の調査員でした。

このエントリーをはてなブックマークに追加


サトウキビの沖縄そば
諸見里よもきさん
サトウキビの沖縄そば
香りや食感も通常の沖縄そばと大差がない
サトウキビの沖縄そば
細かい粒子で液体に入れても沈殿しないウージパウダー
サトウキビの沖縄そば
ウージパウダーは県内の薬店やスーパーなでも販売も行う
サトウキビの沖縄そば
松井大吾さん
>> [No.1544]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>