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[No.1516]

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「島ネタCHOSA班」2014年05月01日[No.1516]号

ウサギ、ラジオを焼く

 沖縄市に「うさぎ焼き」という食べ物があると聞きました。パーラーで売っているようですが、どんな食べ物なんでしょうか? まさかと思うけど…。ぜひ調べてください。  (那覇市 ぴょん吉さん)

ウサギ、ラジオを焼く!?

 「うさぎ焼き」ですか? 名前から考えると、ウサギを…。まさかパーラーに並べて…。そうなのでしょうか? ちょっと怖いけど、調査開始です!

 さっそくパーラー探し。キーワードは「うさぎ焼き」。ネットで検索すると、ありました! 「パーラーうさぎ」で販売されているそうです。だから「うさぎ焼き」なのでしょうか? ウサギ好きの店長でもいるのでしょうか? どうやらウサギを焼いているわけではなさそうですね。安心した調査員は「パーラーうさぎ」に出発!

情熱を商品名に

 沖縄市高原のパーラーに到着すると、店主の山本讓さんが迎えてくれました。気さくそうですが、特にウサギ好きという感じではありません。

 うさぎ焼きがあると聞いたのですが?

 「はい。当店の一番人気の商品です。ブタ、昆布、カツオで取っただし汁にタコ、キャベツ、ネギなどを入れた生地で、焼きそばと目玉焼き、天かすなどを挟んだものです。ボリューム満点ですよ」

 やっぱりウサギを焼くわけではなかった! そこで一つ作ってもらいました。大きさは大判焼きぐらい。でも、いろいろサンドされている分、厚みがあります。大きな口を開けて食べてみると、だしのうまみに紅ショウガの辛み、濃厚な焼きそばソースの甘みが口いっぱいに広がります。アツアツでおいし〜い。一つでおなかいっぱいになりますね。

 「定年前に全国への転勤があり、各地のうまいものを食べた経験を生かして作りました」と山本さん。愛媛県出身の山本さんは、55歳で定年退職した後、妻のかよみさんの出身地・沖縄市にパーラーを開店。7年になるそうです。

 ウサギが入ってないのは確認しましたが、それならなぜ「うさぎ焼き」なのでしょうか?

 「私が1951年のうさぎ年生まれだから。第二の人生を、このパーラーとこの焼き料理に賭けようと思って、生まれ年から名付けたんです」

 なるほど〜。山本さんのうさぎ焼きへの熱い思いを聞くと、一層おいしく感じられる調査員なのでした!

たこ焼きの原型

 なぞは解決しましたが、実は調査員にはもう一つ気になる食べ物があるんです。那覇市おもろまちのたこ焼き屋に「ラヂオ焼き」と書かれているんです。「ラヂオ」ってラジオ? こっちも調べることにしました!

 店に着くとびっくり。店舗の黄色いトラックは落書きだらけで、ひときわ大きく「激マズ笑天」と書いてあります。注文するのが不安になります。店内にいた店主の本間健太さんに話を聞きました。

 ラヂオ焼きって何ですか?

 「たこ焼きができる前のたこ焼きです。元々たこ焼きは、タコの代わりに牛すじやコンニャクを入れていたんです」

 つまり、たこ焼きが誕生する前、牛すじなどを入れたたこ焼き風の食べ物があった。それがラヂオ焼き…ということですね。

 「でも、当店では牛すじの代わりにエビを入れます。話題になるかと思ってメニューに出していますが、メーンはたこ焼き。注文もほとんどないです」

 えっ! そうなんですか。でも食べてみたい…。ということで、作ってもらいました。

 調理中、気になっていた「激マズ笑天」について質問。

 「店名です。本当はおいしいと思って作っていますよ。そのギャップを楽しんでもらいたいな〜と思って」と本間さん。神戸出身だけあって、関西ならではノリなのでしょうか?

 そうこうしているうちに、ラヂオ焼きが完成。いただきます! エビのプリプリとした食感がグッドです。

 今回は、変わった名前の焼き料理を食べ大満足の調査員。自慢の商品を食べてもらうため、名前を一ひねりしているのを知りました。商売には工夫が大切なんですね!



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ウサギ、ラジオを焼く
山本讓さんと妻・かよみさん
ウサギ、ラジオを焼く
焼きそばと目玉焼きが挟まれたうさぎ焼き。ボリューム満点
ウサギ、ラジオを焼く
激マズ笑天の本間健太さん
ウサギ、ラジオを焼く
タコの代わりにエビが入ったラヂオ焼き
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