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[No.1499]

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「島ネタCHOSA班」2014年1月1日[No.1499]号

馬と会話したい

 馬の言葉「馬語」についての本があり、話題になっているそうです。県内の人が出版したそうですよ。馬と話せるようになれたらステキなので、調べてください。

                                           (年女さん)

馬と会話したい!!

 確かに、馬と会話できたらステキ。しかも今年はうま年!
 これは調べて、馬語を話せるようになるしかありません。
 県内で馬といえば、在来種の宮古馬と与那国馬が思い浮かびます。そこで、本島で与那国馬の体験乗馬ができる牧場の一つ、うるま市浜比嘉島の「清ら海ファーム 馬ぐゎ広場」を運営する鎌田真さん(40)に電話して聞いてみました。

 「馬語」に関する本があると聞いたのですが?

 「『馬語手帖』のことですね。与那国島で与那国馬を育てている女性が作った本です」

 いきなり、大きな手がかりをつかみました。もうすぐ馬と話せると思うとワクワクします!


観察して学ぶ

 と、本来なら与那国に行き、本を参考に馬と会話を楽しみたいところ。しかし、それが難しい。残念。今回は電話で、本の執筆者で、与那国で出版社「カディブックス」を運営する河田桟(さん)さん(49)に話を聞きました。

 どうして馬語の本を書いたのですか?

 「私は元々、東京で編集など本の仕事をしていました。5年ほど前に旅行で沖縄に来て、与那国馬に出会いました。与那国では、暮らしの中に馬がいるという感じがあり、とても引かれて移住し、すぐに子馬カディと暮らすことになったんです。でも経験もないし、専門書を調べても、一番知りたい『馬が何を思っているか』ということを書いている本はありませんでした。それで、与那国で野生に近い形で飼われている馬を観察して分かったことや馬を飼っている仲間たちに聞いたことをまとめて、2012年1月に発刊したんです」

 なるほど、馬の素人だったからこそできた本なのかもしれませんね。ところで、馬語はやはり「ヒヒーン」ですか?

 「鳴き声が言葉だと思っている人が多いですが、馬が声を使うのは会話全体の5%ほどです。会話の中心は体を使ったボディーランゲージ。体の動かし方で感情を伝え合っているのです。それが分かると、馬独特の動き方があることが分かりますよ」

 えっ、そうなんだ。でも、体の動きは電話では分かりづらい…。本を読みながら、実際に馬を観察したくなりました。

 本はネット以外に、本島などの与那国馬の牧場で販売しているとのこと。そこで最初に電話した「清ら海ファーム—」に行き、1冊購入しました。

仲間同士、伝え合う

 ふむふむ、耳の動き一つにも意味があり、耳や目、鼻、首などの他、体の向きや距離などを通して、馬同士は実に多くのことを伝え合っているのですね。驚きです。
 本は、手描きのイラスト付きで、馬の表情がよく分かります。おっ、「かわいい目をする」という項目を発見。イラストの馬の目がキラリとしていて、本当にかわいい。「何かをほしがっている時などにする」とのこと。こんな目を見たい! そこで、「清ら海ファーム—」の与那国馬・ラッキーにお願いして、かわいい目をしてもらいました(上の写真)。
 かわいい目を見た調査員は、だいぶ馬の気持ちが分かってきたと意気揚々。すると、牧場主の鎌田さんが「本にも書いてありますが、個性や環境の違いで、馬の反応が違うことがあります。『こうだからこうだ』と、決めつけるのではなく、目の前にいる馬がどう思っているのかを探っていくのが楽しいですよ」と話してくれました。
 河田さんも「続編がほしいという声があり、人が馬と関わる時にどのようなコミュニケーションをとればいいのかを書きたいと思っています。ただ、それは人と馬の関係の在り方によって変わってきます。私はカディとどんな関係になりたいのかをずっと考え続けているんです」と言っていました。
 馬の考えを理解した上で、それをどう発展させていくのか。馬を飼う人たちは常に試行錯誤しているんですね。馬語を話すことはできませんでしたが、馬に癒やされた調査員は、もっと馬のことを知りたいと思いました。


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馬と会話したい
河田桟さんと相棒のカディ=与那国島(河田さん提供)
馬と会話したい
河田さんが執筆した「馬語手帖 ウマと話そう」
馬と会話したい
かわいい目を見せてくれたラッキー。実は、エサを見せています=うるま市浜比嘉島の清ら海ファーム 馬ぐゎ広場
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