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[No.1561]

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「表紙」2015年3月19日[No.1561]号

gogo sports

GO!GO!スポーツ 18

女子硬式野球クラブ
沖縄ティーダバル

女子硬式野球大会に向けて

 「バッチイコー、バッチ」「ナイススイング」。一球一球に元気な声がグラウンドに響く。カキーンと金属音を残して飛んでいく打球が相手外野手のグラブに収まっても「ナイスバッティング」「いいスイングだったよ」とバッターを励ます。

  元気にチームメートに声を掛けあっているのは県内で唯一の女子硬式野球クラブの「沖縄ティーダバル」。練習試合でも真剣に、心の底から野球を楽しんでいるように見える。対戦相手は全日本少年硬式野球連盟(ヤングリーグ)に所属する、安仁屋スピリッツの中学1年生チーム。

 試合は1点を争う好ゲームとなった。中盤に1点をリードされるも、終盤に打線が奮起して2点を入れて逆転。最終回はベテラン選手の巧みなピッチングと、堅い守備で相手の攻撃を抑えて勝利した。



硬式野球の楽しさを伝えたい

 現在、「ティーダバル」には13歳(中学1年)から32歳までの18人の選手が所属している。たまらなく野球が好きで集まったメンバーだ。

 県内に女子の硬式野球部ができたのは5年前の2010年12月。きっかけについてチームの代表・安次嶺康一(あじみねこういち)さんは「女子野球は今、埼玉県が盛んなんです。父も私も埼玉に住んでいて、父は女子野球の普及に関わっていたことから、仕事で沖縄に行き来している私に、沖縄の女子野球はどうなっているのか聞いたんです」

 安次嶺さんのお父さんの榮七(えいしち)さんは、元プロ野球選手で沖縄と関わりが深く、沖縄での女子野球の普及を考えていた。

 「それで調べてみると、小学校の野球部にはたくさんの女子選手がいるけれど、その先に野球をやる場所がないのが現状だと報告しました」

 すると、榮七さんがまずは硬式野球を経験させようと親善試合を設定し、その年の暮れに、開催場所として沖縄セルラースタジアム那覇を確保。「それからチーム作りが始まり、野球が好きなメンバーを集めたんです」と安次嶺さん。

 県内のスポーツショップに野球関連商品の卸の仕事していた康一さんは、知り合いを通して野球やソフトボール経験者に声をかけ、親善試合のための選手を集めた。

 当時の様子を知るチームマネージャーの新垣かおりさん(43)は、「当時、本土の女子硬式野球部出身の沖縄の子たちは、野球をやる場所がないからと、本土のクラブチームに所属したり、野球をやめたりしていたんです。そんな子たちに安次嶺さん親子が女子硬式野球部を作ろうといったんです」

 そして、チームは宮崎県の南九州短大野球部と埼玉県のクラブチーム新波(しんば)とセルラースタジアムで親善試合を行った。急ごしらえのチームの結果はボロ負け。己の実力のなさに「このままでは終わりたくない」とメンバーの心に火がつき、もっと練習を重ね対戦相手に失礼のないようなチームになりたいと思った。



 安次嶺さんは「実は、親善試合のあと、チームは解散する予定だったのですが、選手たちの熱い思いと、中学や高校でも野球を続けたいという野球女子の受け皿としてティーダバルを続けようと思ったんです」

 試合後、定期的に親善試合を行うと約束をするが、翌年、大震災で立ち消えに。すると今度は全国大会に出場したいという思いが膨らみ、自ら練習を重ね、その年の7月に愛媛県松山市で行われた全国大会に初出場した。

 全国大会での戦績は2試合コールド負けで予選リーグ敗退となったが、レベルの高いチームや試合を観戦することで目標を高く揚げて練習に励むようになった。

 チーム創立のメンバーで今もプレーを続ける嘉数純菜(あやな)さん(28)は「初めて本土のチームと対戦したときは技術やスピードなどレベルの違いを実感しました」

 安次嶺さんは「県内の高校に女子硬式野球部を設置してほしい。部活で盛んになれば県内の女子野球のレベルが上がるから」と語る。

 ティーダバルの選手たちもレベル向上のため、週に2度密度の濃い練習に励んでいる。

嘉手川 学/写真・村山望

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沖縄ティーダバル
試合前のウオーミングアップ。練習前はけがをしないようランニングやストレッチ、キャッチボールなどで体を温める。今回、練習試合に参加できたメンバーは8人だけ=南城市玉城・喜良原グラウンド

沖縄ティーダバル
鋭い眼光でボールを見極める伊禮まりえ選手。打球は金属音を残し外野へ飛んだ
沖縄ティーダバル
どんな時でも和やかなベンチ内。一球ごとに声援を送る
沖縄ティーダバル
伊禮選手(左)とチーム最年少の澤岻梨緒奈選手(右)
沖縄ティーダバル
先発の新垣友希選手。変化球が低めに決まる
沖縄ティーダバル
ルール
・女子硬式野球のルールは日本野球連盟公認野球規則に準じる
・ボールは日本女子野球協会(WBAJ)公認の公式球を使用
・塁間、バッテリー間の距離、グラウンドの広さはプロ野球は社会人、高校野球と同じ
・試合は7イニング制(女子硬式野球国際ルールに準拠)。5イニングを持って試合成立

  3月21日(土)・22日(日)に恩納村のONNA赤間ボール・パークで「第2回女子硬式野球沖縄大会」が開催されます。入場は無料。

  ●沖縄ティーダバル
連絡先:070-5818-7794(新垣かおり)
「FaceBook 沖縄ティーダバル」で検索してください。

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