沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.2085]

  • (木)

<< 前の記事  

「島ネタCHOSA班」2025年05月01日[No.2085]号



 南城市に月単位で借りることができるレンタル農園があると聞いて気になっています。誰でも気軽に農業の体験ができるみたい。どんな場所か調べてみてください。 

(那覇市 ぽっぴー)

楽しみ方いろいろ、レンタル農園に注目!

 レンタル農園ですか、おもしろそうですね。 調査員も利用してみようかなあ。

 少し調べると、依頼にあったのは南城市にある「新里いきいき農園」のことだとわかりました。さっそく現地に行って、代表で菜園アドバイザーの具志堅秀雄さんにお話を聞いてみましょう。

初心者も安心

 新里いきいき農園は、南城市佐敷新里を中心に数カ所のレンタル用の畑を確保しています。耕作放棄地となっていた畑を活用しているんですって。20平米(約2㍍×10㍍/約6坪)からレンタルが可能。農園の野菜は全て無農薬栽培。種や苗も準備してくれて、農機具も貸し出しています。

 調査員が訪れた畑では、那覇市在住という利用者の女性がレタス、ブロッコリー、セロリの収穫をしているところでした。セロリは豊作で、一家族では持て余すほどの量でしたよ。

 「具志堅さん、これどんなやって取るの〜?」

 「外側から葉っぱを一枚一枚取るんだよ。今回植えすぎだね。種いっぱいまいたでしょ(笑)」

 おじいちゃんと孫のような雰囲気で楽しそうな二人。作業中は具志堅さんやスタッフの方がそばにいるので、わからないことがあっても安心です。機械を使った作業や、日々の作物の管理もサポートしてくれます。ただし、手伝いすぎない、ということも意識しているとか。

 「草抜きはしすぎないようにしているよ。手間も知ってほしいからね」

 具志堅さんが笑顔で教えてくれました。作物や季節の変化、地味な作業のやりがいも感じてほしいのだそう。

 農園の利用者は、街中に住んでいて畑がない、忙しくて毎日農作業することはできない、転勤がよくある、といった事情のある方が多いとのこと。子ども連れで楽しんでいる方もいるそうですよ。

福祉と農業

 別の畑に足を運んでみると、西原町の障がい者就労継続支援B型事業所「スマイリーワークアルファ」から来た利用者の方々が、収穫や水やりを行っていました。太陽の下、汗をかきながらの作業ですが、皆さん和やかに取り組んでいます。同事業所のスタッフ、下地幸美さんは「外での作業は会話もはずみ、自主的に働く力も育んでくれるようです」と話します。

 「これまでは、主に都市部に住んでいる方々向けに畑を提供する„都市と農業“のつながりに注力してきました。これからは„福祉と農業“のつながり、可能性も大事にしたい」

 具志堅さんはそう展望を語りました。障がい者の就労継続支援だけでなく、放課後等デイサービスや学童との提携も始めているそうです。

 新里いきいき農園には、敷地内でバーベーキューができる、夏場はホタルが見れる、という魅力もあります。野菜作りのハードルをぐっと下げてくれるだけでなく、利用者に合わせたさまざまな楽しみ方、活動ができますよ。



(一社) スペースウィズグリーン沖縄新里いきいき農園
電話=070-5481-1315(具志堅)
応対可能時間=10時〜日没まで

このエントリーをはてなブックマークに追加


“楽しみ方いろいろ、レンタル農園に注目!"
セロリを収穫する利用者
“楽しみ方いろいろ、レンタル農園に注目!"
具志堅秀雄さん
“楽しみ方いろいろ、レンタル農園に注目!"
「スマイリーワークアルファ」の利用者とスタッフの皆さん
“楽しみ方いろいろ、レンタル農園に注目!"
シュンギクの収穫中
>> [No.2085]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事