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[No.2031]

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「島ネタCHOSA班」2024年04月11日[No.2031]号



 大宜味村の国道58号沿いの辺土名高校前バス停の待合所に生き物の 絵が描かれていることに気付いた調査員。さっそくその謎を調査しました。

大宜味村のバス停に生き物アートが登場!?

 「辺土名高校前」バス停(名 護向け)の待合所にやんばる に生息する生き物が描かれて いるのを発見した調査員。生 き物に詳しい同行のカメラマン は「これは生き物が分かってい る人しか描けない絵」と、特 徴をよくつかんでいる絵を絶 賛していました。バス停の後ろ にある辺土名高校に問い合わ せてみると、やはり同校が関 わっていたことが判明しまし た。

落書き対策と魅力発信

 3月に完成したという絵に ついて桃原健次校長に経緯を 聞くと、待合所の落書きを北 部国道事務所に依頼し、きれ いにしてもらったことがきっか けとなったそう。落書きが繰 り返されることを懸念した桃 原校長は「絵を描いたら落書 き防止になるのでは」と思い 付きました。自然環境科に相 談すると、生き物の絵などで コンクール受賞歴などがある 生徒が描くこととなり、北部 国道事務所の許可を得て実 現したそう。

 絵を描いたのは、同校の環 境科(現、自然環境科)を3 月に卒業し、4月から琉球大 学農学部亜熱帯地域農学科 に進学した、上原蓬(よもぎ) さん。生き物好きの上原さん は、幼い頃から自然や生き物 に触れてきました。自身で撮 りためていた生き物の写真を 基にたった一人で絵を描いてい ったといいます。

 「描画中」と看板を立てて、 「約 20 日間、3年生の就職休 みを使って朝から夕方まで毎 日描いていました」と上原さ ん。描いた生き物は7種。村 のチョウに制定されているツマ ベニチョウのオスとメスやアオ ミオカタニシ、県の天然記念 物オキナワイシカワガエルなど 自身でチョイスしたものや、新 種のリュウジンオオムカデなど 後輩たちからのリクエストな ども反映。桃原校長からのリ クエストで大宜味村の特産物、 シークワーサーも足しました。

 1つの生き物を描くのにか かったのは平均2日間。オキ ナワイシカワガエルはなんと 4日間も費やし、下描き用の チョークで、何度も下描きを 消しては描き直したそうで す。5色のペンキを駆使し、色 の三原色を使って、色付けし ていきました。

 チョウは羽ばたいている場面 を描き、高い場所で活動する ヤンバルテナガコガネは上から はうように、逆にリュウジンオ オムカデは地面をはうように と習性に基づいて配置も考え ています。

 生き物の特徴を反映

 「生き物を知っている人が見 ても『おっ!』となるような絵 を狙いました」とは言いつつ、 昆虫が苦手な人もいることも 考慮したという上原さん。特 徴をつかみながらも、リアル を追求し過ぎず、かわいさも 感じられる絵になっています。

 バス停は同校の生徒にとっ て思い入れのある場所。向か いの海側にある赤瓦の待合所 はバックに海があって、観光客 の撮影スポットになっていると いいます。対照的に絵がある 山側は「辺土名高生ぐらいし か使わないんです。いろんな 人が使うバス停になればいい し、反応があるとうれしいで す」と話します。世界自然遺 産にも登録された地域に現れ た躍動感あふれる生き物たち の絵。バス停にいるやんばるの 貴重な生き物たちに会いに行 ってみてはいかがでしょう。



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“大宜味村のバス停に生き物アートが登場!?"
待合所の壁を利用してさまざまな生き物が描かれています
“大宜味村のバス停に生き物アートが登場!?"
ホントウアカヒゲ(国指定天然記念物)
“大宜味村のバス停に生き物アートが登場!?"
ツマベニチョウはオス(左) とメスが描かれています
“大宜味村のバス停に生き物アートが登場!?"
オキナワイシカワガエルと上原さん。「カ エルとチョウなどの幼虫が好きです」
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