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[No.2015]

  • (木)

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「島ネタCHOSA班」2023年12月21日[No.2015]号



 糸満市にあるパン会社・ハマキョーパンを知っていますか? 糸満市に住んでいた 祖母がおやつにいつも買ってくれて「ファミリーロール」は今でも私の大好物です。ぜ ひ取材してみてください!

(那覇市 甘いの大好き)

時季限定! “糸満市のソウルフード、ハマキョーパン!?

 ハマキョーパン! 糸満市出 身の調査員はもちろん知って いますよ〜。ファーマーズマー ケットいとまん「うまんちゅ 市場」他、糸満市とその近隣 市町村の一部スーパーで販売さ れていますよね。しかし中北 部出身の調査員仲間の中に は知らない人も。調査を通じ てみんなにハマキョーパンの魅 力を伝えたいと思います!

学校給食にも貢献

 さっそく糸満市西崎町にあ るハマキョーパンの工場に訪れ た調査員。お店の看板を見る と、「沖縄県学校給食選定工 場」の文字が目に付きました。

 そこに現れたのは4代目代 表の玉城直人(なおと)さん。 「市販のパンも作っているんで すけど、どちらかというと学 校給食用がメインの商売なん です。誰もが食べたことのあ るコッペパンから、バーガー用 のバンズなど。そういったパン 全般を卸しています。意外と 知られていないんですけど、 学校給食のご飯もうちが提 供していますよ」と話してく れました。

 糸満市を含む近隣市町村 から遠くは沖縄市まで、毎朝 7市町村の学校給食用のご 飯とパンを製造しています。 給食にもハマキョーパンのパン が使われているんですね。

 「もともと祖父・松一(まつ いち)が営んでいた『京屋菓 子店』と、その目と鼻の先で 親戚が営んでいた『浜元菓子 店』というお店があったんです けど、学校給食の卸業を機に 合社という形で1959年に 『ハマキョーパン』を創業しまし た」と玉城さんは語ります。

 学校給食の組合がない時 代、松一さんは旗振り役とし て県内のパン・ご飯工場をま とめ、技術の継承や情報交換 に貢献したといいます。

変わらない味を守る

 さて、ここでハマキョーパン で作られているパンを見せて もらいました。

 ハマキョーパンの人気商品で ある「ファミリーロール」。ココアパウダーを練り込んだ自 家製クリームが入ったパンで、 控えめな甘さが特徴です。

 「このクリームはファミリー ロールでしか食べられない味。 5個入りなので昔は『イチチ ーパン』と呼ぶ人もいたそうで す。ぼくが子どもの頃、おや つ代わりによく食べていまし たね」と笑う玉城さん。

 玉城さんのイチオシは、大 きな花のようなフォルムが特 徴的な「シナモンロール」。「レ ーズンとシナモンの入ったクリ ームを包み込んだちぎりパンでレーズンが好きな人は好き だと思います!」とアピール してくれました。

 「一部材料は時代とともに 変化していますが、レシピの 大枠は昔から変わっていませ ん。そのため、どうしても足 が早いところはあるんです が、品質改良剤や添加物は抑 えています。ハマキョーパンのパ ンは糸満の人からするとソウ ルフードなので、変わらない 味を守っています」

 糸満市民のソウルフードに もなっているハマキョーパン。中 には、県外にいる家族や親戚 から「味が恋しくなったから 送ってほしい」と頼まれる人 も少なくないとか。原価高騰 など時代のあおりを受けな がらも、ハマキョーパンは昔な がらの変わらぬ味を大切に守 り続けています。



ハマキョーパン
糸満市西崎町4丁目15番地
電話:098‐992‐2037



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“糸満市のソウルフード、ハマキョーパン!?"
(右から)現代表の玉城直人さんと事務の新 垣裕美さん
“糸満市のソウルフード、ハマキョーパン!?"
ファミリーロール
“糸満市のソウルフード、ハマキョーパン!?" “糸満市のソウルフード、ハマキョーパン!?"
ハマキョーパンで 作っているパンの 一部
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