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[No.1982]

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「島ネタCHOSA班」2023年05月04日[No.1982]号



 先日国頭村に行った時に、「やんばる森のおもちゃ美術館」と書いてある看板を 見かけました。ネットで調べてみると沖縄の木でできたおもちゃなどを体験できる 施設のようです。興味があるので、せひ調べてください。

(宜野湾市 トイストイ)

沖縄の木と触れ合える美術館!?

 調査員も存在は知っていて、 気になっていました。ドライブ 日和の週末、現場に出発です。

 国頭村森林公園内にある「や んばる森のおもちゃ美術館」 に到着すると、館長代理の貝 阿弥ひとみさんとチーフディ レクターの我那覇美貴子さん が出迎えてくれました。館内 に足を踏み入れるとほのかに 木の香りがして、温かみのあ る空間が広がります。

県産材でできた多彩な玩具

 2013年 11 月にオープン したという同館は、元々あっ た「交流促進センター」の建物 を改修して造られたといいま す。東京都四谷にある「東京お もちゃ美術館」の 11 館ある姉 妹館の一つで、全国で2番目 にできたそう。「世界自然遺産 の中にあるおもちゃ美術館は 他にはありません。森の中な ので、機械音がない所です」と 貝阿弥さん。我那覇さんも「風 の音も鳥の声も聞こえます」 と続けます。まさに森のおも ちゃ美術館です!

 「使っている木は床材を含め てほとんどがやんばるの県産 材です。ちなみに床材はイタ ジイでできています」と我那 覇さん。沖縄の特徴を生かし た造りになっているのですね。

 美術館にあるおもちゃは1 00種類以上あり、地元の作 家にも多数作ってもらったそ うです。どんなおもちゃがあ るのか見ていきましょう。

遊びながら木の魅力を体感

 まずは2つのトンネル型の オブジェとベンチ(写真左)。 こちらは1本の「蔡温松」から 作られているといいます。蔡 温松は琉球王国の政治家で林 業の父といわれる蔡温が植え たとされる樹齢300年のリ ュウキュウマツ。「本来は伐採 してはいけない木ですが、2 012年の大型台風で倒れた ので作ることができたんです」 と貝阿弥さんは説明してくれ ました。

 一番人気を聞くと「ヤンバ ルクイナのたまごプール」と 2人とも即答。国頭村産のリ ュウキュウマツで作ったヤン バルクイナの卵がプールいっ ぱいに5000個も入ってい ます。大宜味村在住の木工作 家、金城修さんが一つ一つ丁 寧に作ったといいます。子ど もたちは寝転がったり、泳ぐ ように体をスライドさせたり と、いろいろな遊び方をして います。

 館内中央の壁面にあるのは 六角形の積み木。積み木の中 に磁石が入っていて壁の上で 動かして形遊びができます。 リュウキュウマツ、クスノキ、 オキナワウラジロガシなど6 種類の県産木でできた積み木 は、色や感触の違いを比べな がら楽しめます。

 沖縄の伝統的な草玩具があ るのも美術館の特徴。地元の 講師による草編み作りのワー クショップも月2回開催して います。アダンの葉で作るア ダンボール、金魚、マーニの葉 草ソリなどを作ることができ ます。

 「0歳から100歳まで遊べ ますよ」と貝阿弥さん。こまな どの昔ながらの玩具もあるの で懐かしむ人も多いそう。

 木と触れ合うことで心を育 てる「木育」の目的もあるとい う美術館。自分たちで想像力 を働かせて楽しむ子どもたち の姿が印象的でした。木に実 際に触って魅力を体感できる 美術館は、五感を刺激してく れる場所でした。



ゴールデンウイーク期間中は利用時間(90 分)と人数制限を予定。
整理券配布時間は10 時~(なくなり次第終了)

やんばる森のおもちゃ美術館
国頭村辺土名1094-1
☎0980-50-1022
開館時間:10時~16時
定休日:木曜
入館料:中学生以上600円、1歳~小学生400円、1歳未満無料、国頭村民割引あり



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沖縄の木と触れ合える美術館!?
(左から)我那覇美貴子さん、貝 阿弥ひとみさん、山川貴子さん。 貝阿弥さんが持つのは草そり
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