沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1945]

  • (金)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2022年08月18日[No.1945]号



 宜野湾市のラジオ局が家事代行サービスを始めているそうです。代行 できる内容など詳しく知りたいので調査してください!

(北谷町 バンジョー次郎)

ラジオ局の「お手伝いマン」!?

 ラジオ好きな調査員ですが、 家事代行サービスを行うラジ オ局は聞いたことがありませ ん。調べてみると、宜野湾市に あるコミュニティーラジオ局 「FMぎのわん」独自の支援事 業「お手伝いマン」だと判明し ました。

地域に根差したサポート

 さっそく宜野湾市喜友名に あるFMぎのわんに向かった 調査員。扉を開けるとパーソナ リティーの軽快な笑い声と、西 海岸が一望できる大きな窓が お出迎えです。 

 「お手伝いマンのサービスは 2021年4月からスタート しました」

 そう語るのは、代表取締役の 山内一郎さん。お手伝いマンの サービスを始めるきっかけは、 同局で番組を持っている宜野 湾社会福祉協議会の人からの 相談だったといいます。

 「コロナ禍で困っている人が 増えたんです。貧困の人はより 貧困に苦しんだり、県内の学校 が一斉休校して、子どもが家に いる時間が増えたことで児童 虐待やDVが増えたり…」と話 す山内さん。

 そこで、放送を通じて支援物 資の協力呼びかけを始めたと ころ、県内外から多くの支援物 資の提供があったそう。

 「おもちゃとか洋服とか、お 米や商品券が届くこともあり ました」

 支援物資の呼びかけは評判 も良く「支援を続けてほしい」 という声も多く寄せられまし た。しかし、一企業であるラジ オ局がどうやって支援活動を 続けられるか。壁にぶつかりか けていたところ、宜野湾市が独 自に、支援活動をしている企 業・団体への補助金の支給をス タート。その補助金を元手に専 門家を雇い、市内に住む人たち の困りごとを聞いた結果、高齢 者の一人暮らしやひとり親家 庭などで千差万別の悩みが明 らかに。

 「幅広いニーズに合う支援活 動は何があるだろうと考えて、 思いついたのが家事代行サー ビスだったんです」と山内さん は説明します。

 支援の輪広げたい

 お手伝いマンは、支援が必要 な人向けのサービス。依頼があ った際は、山内さん自ら依頼者 の相談を聞き、現地調査を行っ た上で必要な時間や派遣する 人数などを決定。依頼者との合 意の上でお手伝いマンを派遣 します。

 最近の例としては、一人暮ら しのおばあさんの庭掃除。依頼 主にはリピーターも多く、毎週 ゴミ出しの依頼をする人や、週 に数回病院の付き添い、買い物代行を頼む人など、さまざまだ といいます。

 現在のお手伝いマンの派遣 地域は宜野湾市、北谷町、中城 村、北中城村、浦添市が対象。 「対象外の地域でも困っていた らプラス料金で請け負うこと もあります」と山内さん。

 依頼が入ると、依頼内容と日 時、場所などを有償のボランテ ィアと共有し、行ける人が行く システム。登録しているボラン ティアは30人ほどで、中には大 学生や福祉の専門職の人もい るそう。

 有償にしたのは本土で20年 近く福祉支援活動をしている 人からの助言があったからと 山内さん。「無料だと後々レギ ュラーで頼みにくくなったり、 ドタキャンや無料がゆえのト ラブルが起こる恐れがある。有 償にすることでボランティア にも責任感を持たせています」

* * *

 「お手伝いマンの支援活動は 細く長く続けていきたい」と山 内さん。ゆくゆくは、公民館と 連携して子どもの世話をする など、幅広い支援の輪を広げて いきたいと展望を語ってくれ ました。

 かゆいところに手が届く支 援がうれしいお手伝いマンの 今後の活躍に期待する調査員 なのでした。



FMぎのわん家事代行支援事業 お手伝いマン
☎098-943-0094
電話受付9:00~20:00(月)~(土)
お手伝い10:00~18:00(土日祝も対応)
対象地域:宜野湾市、北谷町、中城村、北中城村、浦添市
※遠方の地域はお断りする場合があります。



このエントリーをはてなブックマークに追加


ラジオ局の「お手伝いマン」!?
山内一郎さん
ラジオ局の「お手伝いマン」!?
FMぎのわん。大きな窓から差す光が気持ちいい
ラジオ局の「お手伝いマン」!?
ラジオ局の「お手伝いマン」!?
床掃除をしているお手伝いマン
>> [No.1945]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>