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[No.1930]

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「島ネタCHOSA班」2022年05月05日[No.1930]号



 座間味島には、カジキを使ったカレーがあると聞きました。どんな味なんでしょう? 気になるので詳しく調べてみてください。

(那覇市 ちむドンドンドンキ)

座間味島新名物?! カジキのキーマカレー

 口先が角のように長くて鋭いことが特徴のカジキ。調査員はあまり口にしたことがないのですが、 カレーの具にするとおいしいのでしょうか?

 早速調べてみると、カレーを手掛けているのは座間味島の「COCO KITCHEN(ココキッチン)」というお店のようです。オーナーの前田直人さんが那覇市内を訪れるタイミングでお会いし、話を聞くことになりました。

土地のものを食べてほしい

 「座間味島メインの産業は観光業。第一次産業は弱くて、島の特産物やお土産になるものがなかったんです。でも旅行者は訪れた土地のものが食べたいですよね。何かないかな? と考えた時に目を付けたのがカジキでした」

 そう話す前田さんは大阪府出身。約9年前に座間味島へ移住し、SUP(スタンドアップパドルボード)体験をはじめとするマリンレジャー業と宿を営んでいます。自身も旅行好きで国内・国外を旅していた経験から、島ならではの味覚の必要性を感じていたそうです。

 白羽の矢を立てたカジキは座間味島で大量に水揚げされる魚種。毎年カジキ釣りの大会も開催されているので、前田さんいわく「座間味と言えばカジキ!」という人もいるのだとか。

 しかし、マグロなどと比べるとカジキの肉質はパサパサしていて味も淡白。市場でも良い値段は付かず、島内でも持て余し気味でした。おいしく食べるには一手間加えなければと、考えた前田さんは「カレー、特にミンチを使うキーマカレーが一番ええんちゃうかな?」と思い立ったのです。

 宜野湾市にあるレストラン「KOBA(コバ)」の協力も得ながら、レシピ開発をした前田さん。そして昨年、ついに完成したのが「Zamamiでとれた カジキのキーマカレー」なのです。

鮮度にもこだわり

 調査員は前田さんに「カジキのキーマカレー」を振る舞ってもらいました。カジキのミンチがごろごろっと入っていてボリュームのある一品です。そのままでは淡白な味わいのカジキですが、ミンチにすることで味気なさは消え、スパイシーなカレーとも相性抜群。「試食」のはずでしたがあっという間に完食してしまいました。

 カレーに使うカジキは鮮度にもこだわっているという前田さん。島の漁師、宮里祐司さんに協力してもらい、カジキが釣れると漁港に着いてすぐに解体に取り掛かれる態勢で加工を行っているそうです。手作業で身を取っていくので「骨と皮、食べられない一部の内臓以外は無駄にしませんよ!」とも教えてくれました。

 ちなみに前田さんたちは通常、70~80㌔のカジキをカレー用に加工しているそうですが、一度だけ170㌔の大物を扱ったことがあるそう。スタッフ3、4人と共に作業しても2日かかったとのことで「もう大きいのは買わない。しんどいもん」と苦笑い。

 「カジキのキーマカレー」は現在、レトルトタイプも販売中(700円)。県内・県外への発送も座間味島から行っています。なかなか離島に行けない、という方はそちらをお取り寄せしてみてくださいね。



COCO KITCHEN 座間味店

座間味村座間味128
☎︎070‐2637‐5065

座間味島新名物?! カジキのキーマカレー

Instagram:@cocosup_zamami

LINE:COCO KITCHEN



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座間味島新名物?! カジキのキーマカレー
漁港に水揚げされたばかりのカジキ。こちらは170㌔になる大物です。フォークリフトを操縦しているのがカジキを釣った漁師、宮里祐司さん(提供写真)
座間味島新名物?! カジキのキーマカレー
レトルトタイプのカレーをアピールするCOCO KITCHENのオーナー、前田直人さん
座間味島新名物?! カジキのキーマカレー
「Zamamiでとれたカジキのキーマカレー」。カジキの身たっぷりで食べ応えがあります。座間味島では、マリンレジャーの合間に美しい海を眺めながら食べると格別だそう
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