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[No.1843]

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「島ネタCHOSA班」2020年09月03日[No.1843]号



 先日スーパーのお酒コーナーで、大きくヤシガニの絵が描かれたボトルを発見。とても映える見た目だったので思わず手に取っていました(笑)。よく見ると宮古島産のラム酒だそう。かっこいいけれど、このラベルにはどんな意味があるのでしょうか? 調べてみてください。

(那覇市 カニ・カーニさん)

ヤシガニマークのラム酒!?

 ヤシガニがラベルに描かれたラム酒ですか! お酒好きな調査員としてもぜひ味見、…違った、調べねば!

 ということで、件のラム酒「MAKUGAN」(マクガン)を製造する宮古島の酒造所「多良川」に話を聞いてみることにしました。味の秘密など、まだまだ解明されていないことも多いという古酒。ですが、少しずつ化学的な分析も進んでいるようです。専門家を訪ねて、話を聞いてみました!

地産地消のシンボル

 「マクガンとは宮古の方言でヤシガニの意味ですよ」

 そう教えてくれたのは多良川の代表取締役社長砂川拓也さん。「マクガン」は先月に発売されたばかりの商品です。泡盛の蔵元として知られる同社。ラム酒という別ジャンルのお酒を造るきっかけは、新種の酵母が発見されたことでした。

 2010年ごろ、宮古島市城辺砂川にある多良川近くの製糖工場で見つかった酵母「MY17」は発酵能力に優れ、これを利用して造った泡盛は甘い香りを出すという特長がありました。ここから同社は、この酵母を造った泡盛や蒸留酒の商品展開するにいたっています。しかし、かねてより「地産地消で何かできないか?」と考えていた砂川さんの行動力はここに留まりませんでした。宮古島でも豊富に生産されるサトウキビが主原料のラム酒なら「島内で全ての材料が調達できる」とひらめき、「マクガン」製造の計画がスタートしたのです。

 ちなみに、多良川の経営陣がラム酒造りを企画したのは今回が初めてではないそう。復帰前にも「キビ酒」という名前で商品化を目指したことがありましたが、この時は設備やノウハウが足りずあえなく断念。新しい酵母の発見と、現在までに得た技術をもって晴れて完成したのが「マクガン」なのですね。

 宮古島産にこだわったのだから、ラベルにもそれを表すものを、と考えた砂川さん。島内でなじみ深い生き物であるヤシガニを「インパクト重視で(笑)」あしらうことに。「でも私が幼かった頃に比べるとマクガンの数は減っています。地域の自然を大事に思ってほしいという気持ちもこめています」とも付け加えました。ヤシガニは地産地消のシンボルだったのです。

おすすめの飲み方は?

 そのまま飲むと黒糖のまろやかな香りが心地よい「マクガン」。ラム酒の中でも「マクガン」が分類されるホワイトラムの中には、風味を抑えた銘柄もあります。しかし、多良川では原料の個性を生かし「クリーンになりすぎない」酒造りにこだわりました。

 「グラスに氷を入れ、マクガンの炭酸割りを作ったら、シークヮーサーを搾り入れてください。シンプルですがおすすめです」

 と砂川さんが、手軽でおいしいレシピを教えてくれました。同社のウェブサイトでは、モヒートやボストンクーラーなど、おしゃれなカクテルの作り方も紹介。また、市販のバニラアイスに1、2滴落とせば、高級感のあるスイーツとして味わうこともできるのだとか。おうちで飲む機会も増えているこの頃。「マクガン」をベースにいろいろ作ってみても良さそうです。

 今後は、オーク樽で熟成させたゴールド・ラムタイプの展開も計画しているという「マクガン」。こちらも楽しみです。真っ赤なヤシガニのイラストをお店で探してみてください。



株式会社 多良川 沖縄県宮古島市城辺砂川85
☎︎0980-77-4108
HP https://taragawa.co.jp/

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ヤシガニマークのラム酒?!
多良川の代表取締役社長 砂川拓也さん
ヤシガニマークのラム酒?!
ヤシガニのラベルがインパクト大の「マクガン」(40度、2,200円、税込)。蒸留方法には同社が泡盛造りで培った技術も生かされています。県内の大手量販店と、多良川オンラインショップで販売中(提供写真)
ヤシガニマークのラム酒?! ヤシガニマークのラム酒?!
同社がラム酒を製造する「上比山(ウイピャーヤマ)蒸留所」と内部の設備
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