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[No.1834]

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「島ネタCHOSA班」2020年07月02日[No.1834]号



 那覇の浮島通り沿いに木造2階建ての古〜い家屋があります。最近リフォームしているようですが、板張りの壁にしたりとあえてレトロな雰囲気にしているみたい。これからどのように生まれ変わっていくんでしょう? 調べてみてください。

(那覇市 ウッディーヌ)

1952年を再現?! 「あおみどり」色のおうち

 その建物、調査員も知ってます! 板張りの外壁に、淡い青緑色が特徴の2階建てですよね。赤瓦や木製の窓枠や柵が「昭和っぽいなぁ〜」と思ってました(今回の調査員は平成生まれですが)。

 建物を訪れると、一階部分の壁にリフォームのことを紹介する案内パネルを発見しました。…なになに、建物は1952年落成の旧・神谷薬局の店舗兼住居だったそう。90年代まで薬局が営業し、その後、貸し物件となっていた時期も経て、現在築60年以上となります。数年前、老朽化による取り壊しも検討されたのですが、神谷薬局の創業者のお孫さんが「元に戻そう」と決心したんですって。

街の歴史を伝える

 ということで調査員は、リフォーム計画を中心となって進める當銘すみれさん(旧姓・神谷)、と當銘さんの父親で、神谷薬局2代目の神谷朝雄さんにお話を聞くことに。2人のもとを訪れると、「まずは」と當銘さんが建物の中を見学させてくれました。

 貸しギャラリーや多目的スペースとするために改装中の建物。内部は照明などがモダンな雰囲気になっていますが、神谷薬局時代からの木材や古材も活用され、歴史が味わえるような工夫が散りばめられています。施工業者の「アトリエ・ネロ」や「工房地球のかけら」の監修を受けながら當銘さんも内装工事に携わっているんですよ。

 「うちの建物が浮島通りの歴史を伝えるランドマークになればいいなあ、って考えています」と話す當銘さん。もともと古民家やインテリアに興味があったそうですが、1952年当時の姿へ戻す、という決断を後押ししたのは「祖父が建て、父が育ち、自身も慣れ親しんだ建物を地域のために活用したい」という思いでした。

 地域に残る古い建物を目にすれば、子どもや旅行者でも、土地の特色や歴史を感じることができます。旧・神谷薬局がそのきっかけとなれば、と當銘さんの計画はスタートしたのです。

「あおみどりの木」に

 建物の外装は創業当時の色を忠実に再現しているんですよね? 神谷さんに尋ねると、案内してくれたのは隣接する物件との間の狭い路地。「60年あまり、何度も改築や塗り替えを行いましたが、ここの壁には創業時のペンキが残っていたんですよ」とうれしそうに教えてくれました。「この頃の建物はこの淡い青緑色か、クリーム色が塗られることが多かったね」とも話します。

 このレトロな外装の色味が、現在の浮島通りではなかなか目立ちます。なので、改装後の建物の名称は「あおみどりの木」に決めたのだと當銘さんが教えてくれました。

 「あおみどりの木」の中には、薬局時代の名残だけでなく、幼かった神谷さんとその家族が住んでいた頃の思い出も詰まっています。8人家族が建物2階で暮らしていたこと。お風呂は無かったが、当時は近所に多くの銭湯があったこと。夏は蚊帳を張って寝ていたこと…。若い世代にとっては、戦後から復帰前後の暮らしを学ぶことのできる情報ばかりですね。

 「あおみどりの木」は今夏をめどにオープン予定です。こけら落としには写真家、藤代冥砂さんの個展も予定されているとか。現在は改装作業中ですが、お近くをお通りの際はレトロな板張りの建物に目を留めてみてください。



あおみどりの木(旧・神谷薬局)
那覇市松尾2ー19ー10
インスタグラム: @aomidorinoki

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1952年を再現?! 「あおみどり」色のおうち?!
改装計画の中心を担う當銘すみれさんと、神谷薬局の2代目、神谷朝雄さん親子。現在71歳の神谷さん、建物の建築時の様子もなんとなくですが覚えているそうです
1952年を再現?! 「あおみどり」色のおうち?!
浮島通り沿いにある「あおみどりの木」(旧・神谷薬局)。杉の板張り、木製の柵が目を引く外装は、建物が落成された1952年当時の様子を再現しています
1952年を再現?! 「あおみどり」色のおうち?!
2階部分の窓枠と柵。古い木材や造りにこだわることで「いつまでも見ていられる」趣に仕上げていると當銘さん
1952年を再現?! 「あおみどり」色のおうち?!
柱には幼かった神谷さんとそのきょうだいが身長を測った後も!
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