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[No.1784]

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「島ネタCHOSA班」2019年07月11日[No.1784]号



 歌手・加藤登紀子さんの曲の作曲のほか、JUJUさん、ソナーポケットさんのキーボード演奏などを手がける県出身の若手音楽家、稲福高廣(たかひろ)さんをご存じでしょうか? なんと、まだ27歳だそうですよ。ぜひインタビューしてください!

(那覇市 音猫さん)

県出身若手が有名歌手の作編曲!?

 ええっ、そんな大アーティストの作曲を県出身の20代の若手が!?

 調べてみると、稲福さんは「爆釣バーハンター」「ケリ姫スイーツ」をはじめ、アニメやゲーム音楽の作編曲を数多く行っており、ポップスでは岩崎宏美さん、玉置浩二さん、渡辺美里さんらの楽曲の編曲も手掛けたそう。

 さらに国内最大規模の音楽イベント「FUJIロックフェスティバル」や人気音楽番組「ミュージックステーション」にキーボード奏者として出演したこともあるとのこと。うーん、一体どんな人物なの? 読者の皆さんも興味が湧いてきましたよね。

小3で楽譜をおこす

 というわけで、県出身、27歳の若手音楽家・稲福高廣さんをインタビュー。いつもは東京を拠点に活動する稲福さんですが、6月中旬、那覇市内で県内の商業音楽家を対象とした講座の講師を務めるため帰沖。そのタイミングでお話を聞くことができました。

 音楽家というと、ちょっと気難しい性格…というイメージもありますが、稲福さんは笑顔を絶やさない好青年! 終始にこやかに、調査員の質問に答えてくれました。

 首里石嶺で生まれ育った稲福さん。音楽を始めたのは、小学校3年生ごろ。アニメ『千と千尋の神隠し』の挿入歌「いつも何度でも」に魅了されたのがきっかけです。

 「自分で弾いてみようと思ったのですが、楽譜がなかったので自分で起こしました」。それまで音楽の専門教育を受けたことはなく、オルガンを使って手探りで音を探しつつ、楽譜を仕上げていったそう。

 その後、小学校では合唱やブラスバンドを経験。中学でピアノを習い始め、県内外のコンクールで上位入賞。そのまま音楽の道へまっしぐら…と思いきや、中学3年から高校3年までは陸上競技とバレーボールに熱中。高3の終わりになって、「やはり自分には音楽しかできない」と音楽大学への入学を決意し、1年の浪人期間を経て、東京音楽大学に入学しました。

人との絆を重視

 東京音楽大学では、作曲指揮専攻・映画放送音楽コースに所属。服部克久氏らに師事し、作編曲・オーケストレーションを学びます。その傍ら、在学中からJUJUさん、ソナーポケットさんのキーボード奏者として活躍。作曲の仕事にもタッチし、さらにオーケストラの企画・運営も始めるなど、多彩な活動を開始します。

 本格的に音楽を学び始めてほんのわずかの期間でめきめきと頭角を現したことに驚く調査員に、「音大は、飛び込むだけで、沖縄にいたら出会えないような千人の人に出会える。その人たちのつてがつながり、仕事になった」と稲福さんは振り返ります。

 オーケストラの運営でも失敗を多く重ねたといいますが、その結果、人の絆の大切さを認識し、成長したことが次の仕事につながったのだとか。

 調査員が意外だったのは、稲福さんが、音楽を続けていくために必要な能力として「コミュニケーション力」を強調したこと。「勉強はうそをつなかいと思っています。コミュニケーションも含め、勉強です」という名言も飛び出しました。

 人を育てることやプロデュースにも興味があるという稲福さん。今後、県出身アーティストの育成や、県内での音楽イベント開催にも携わっていきたいと抱負を述べます。

 8月10日(土)には、那覇市のパレット市民劇場で、クラシックからロックまで、さまざまな音楽を楽しめる「チャンプルーコンサート」をプロデュース。歌手のAnlyほか、さまざまな分野のアーティストが出演します。稲福さんの今後の活躍に注目しましょう。



稲福高廣プロデュース「チャンプルーコンサートVol.3」
8月10日(土)16時〜
パレット市民劇場
全席自由2千円
問い合わせ ☎098(869)4880(パレット市民劇場)

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県出身若手が有名歌手の作編曲!?
県出身の若手音楽家、稲福高廣さん。調査員の質問に、終始にこやかな笑顔で答えてくれました
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