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[No.1726]

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「島ネタCHOSA班」2018年05月24日[No.1726]号

謎多きリサイクル店に潜入

 中城村奥間に「ドリームおくま」というお店があります。リサイクル品を販売しているようですが、すごい陳列をしているので、気になって仕方がないです。どんな方が経営しているのでしょうか。

(那覇市 若山恵理さん)

謎多きリサイクル店に潜入!

 農地の中にある何とも形容しがたい建物、中には大量の木材や便器…。調査員も近くを通ったときにすごく気になっていました、「ドリームおくま」。

 お店に電話したところ、社長の平敷好秀さん(71)が見学を快諾してくれましたが、ここはネット上でもうわさになるほど不思議の多い場所。調査員一人だと見どころを逃してしまうかも…、と思い、今回は助っ人に同行をお願いしました。琉球大学教育学部美術教育専修准教授のティトゥス・スプリーさんです! ティトゥスさんはかねてよりドリームおくまに注目しており、「人によってモノの見方が変わることの面白さ」を教えてくれる場所だと語ります。それでは行ってみましょう!

バスと一体化した店舗

 ドリームおくまは、中城村南上原から奥間に向かう長い坂道を下っていると、右手に見えてきます。店舗を訪れると豪快に陳列された金属の柵や木材、そして大量の便器が出迎えてくれました。そして建物は、一見してどういう構造になっているのかわかりません。この建物、どうなってるの!?

 「建物は全部自分で手作りだよ。10年前、店を始めるときに古いバスを3台買ってきて、ここで廃車にした。バスは『コ』の字型に止めてあって、その周りを柱や板で補強して屋根や陳列スペースを作ったというわけ」

 なるほど、やはり手作りでしたか。たしかによく見ると、店内にはバスが。バス内にも商品がぎっしりと並んでます。平敷さんは建築に関するノウハウがあったのでしょうか。

 「僕は本業が水道業だからね。建築現場なんかで他の業者の仕事も見てるから、なんでもできるさ」

 そう、平敷さんの本業は建物の配管工事・管理を手がける会社「浦水(うらみず)」の経営。リフォーム工事や配管の修理などを請け負う際に、便器や配管など、メーカーの生産が終了している製品のストックを持とう、と思ったのが店を始めるきっかけだったとのこと。

もったいないとDIY

 商品の仕入れは、主に建物の解体業者から。まず、スタッフが解体が決定した建物に出向き、リサイクルできる物を買い付け、お店に運んできます。その後、商品はきれいにクリーニングされてから店頭に並ぶそう。

 「僕は戦後すぐを生きた人間だから、廃棄されるものをもったいないと思う心がある」と平敷さんは言います。物資が不足していた時代、遊び道具も学用品も自分たちでどうにかした、という経験からDIY精神(Do It Yourself、自分でできることはやってみる)が育まれたようです。それを語る平敷さんの表情はとてもイキイキしていて少年みたいでした。

 お店のお客さんは、リフォーム業者や不動産業者など、建物の修繕に関わる人がほとんどです。その他には、「古民家風」なお店を経営したい人、骨董品(こっとうひん)好き、映画撮影のセットを探す人、便器マニア(!?)が訪れるとのこと。

 ティトゥスさんは、解体される民家から仕入れてきたガラス戸や欄間(らんま)に興味深々。確かに、デザインは千差万別で「これをレイアウトするだけでもアートになりそうですね」とのティトゥスさんの言葉に、平敷さんも「いいねえ、今度うるま市にオープンする新店舗でやろうかな」と乗り気に。そんなこんなで夜暗くまで話題が絶えなかった3人なのでした。



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謎多きリサイクル店に潜入
平敷好秀さん
謎多きリサイクル店に潜入
ティトゥス・スプリーさん
謎多きリサイクル店に潜入
気になっている人も多い? 店舗外観。看板がいい感じ
謎多きリサイクル店に潜入
リサイクル便器の品ぞろえはとても豊富。一番古いものは約60年前の型だとか。「タンクのふた」などパーツ単位で購入可能
謎多きリサイクル店に潜入
平敷さんの案内で店内を探検中。こちらはバスの中の陳列スペース
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