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[No.1709]

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「島ネタCHOSA班」2018年01月25日[No.1709]号

「おでかけなんじぃ」どう運行!?

 南城市内を走るバス「おでかけなんじい」を利用している者です。電話で予約すれば指定の場所にお迎えに来てくれるので、とても助かっています。バスに決まったルートはなく、毎回違う道を通っていますが、一体どんな仕組みで運行されているのでしょうか?

(那覇市 ボードウィンさん)

「おでかけなんじぃ」どう運行!?

 「おでかけなんじぃ」のように、利用者の要望に応じて運行する乗合バスを「デマンドバス」と呼ぶようですね。
 デマンドバスは、路線バスに代わる地域交通システムとして全国で広がりを見せているそうですが、沖縄では南城市が平成25(2013)年にいち早く試験導入し、平成28(2016)年から本格的な運用がスタート。市民や観光客に親しまれ、1回300円の運賃で南城市内の好きな場所に運んでくれます。

毎回違うルート

 調査依頼に応えるべく、調査員はさっそく、南城市から委託を受けバスの運営を行う南城市シルバー人材センターを訪ねました。

 出迎えてくれたのは、事務局長の屋我和枝さん。さっそくバスのルートを決定している現場を見せてもらうと……。

 置かれていたのは2台のパソコン。「ここでオペレーター2人が利用者から電話を受け、バスのルートを決定しています」と屋我さん。

 「利用には、事前登録が必要です(南城市民以外の場合は不要)。登録時に氏名や住所、電話番号を聞き、その情報をデータベースに入力すると、電話がかかってきたら、画面にその方のお名前とご住所がぱっと表示されるんですよ」

 えっ、それは便利!

 「この方の住所がA地点、行きたい場所がB地点だとすると、A地点→B地点というルートが決まり、画面上にコンピューターが計算したルート候補とおおよその所要時間が表示されます」とオペレーターの1人、石田英明さんが続いて解説。

 ふむふむ。でも利用者は1人ではありませんよね。皆、出発地と目的地がバラバラだと思うのですが……?

 「そこがオペレーターの腕の見せどころです。別の方からリクエストが入ると、その方たちもうまく乗り降りできるよう瞬時に判断して、ルートを調整していくんですよ」

 なんと! オペレーターさんはものすごく頭を使うお仕事をされているのですね。

 「南城市内の道を隅々まで熟知しておく必要があるので、最初のうちは休みの日に市内を車で走り回って、地図を体で覚え込ませました」

 地道な努力、本当に頭が下がります!

利用者の足として

 おでかけなんじぃは、毎日8時〜20時、1時間間隔で1日12便が運行。各便のルートは30分前に決定し、バスに情報を転送。運転席に設置されたモニターにルートが表示され、運転手さんが確認できる仕組みになっているそうです。IT技術を駆使したシステムに驚きです!

 しかし、デマンドバス特有の難しさも。「他の利用者との乗り合いになりますので、残念ながら全てのリクエストに必ずお応えできるとは限りません。どうしても要望に応えられるルートが組めなかった場合、次の便までお待ちいただくことになります」(石田さん)

 反対に、「うまく利用者の希望通りのルートを組めた時は最高にうれしいですね」と笑顔を見せる石田さん。利用者の役に立てたと思える瞬間が、何よりの喜びなのだそう。

 車で移動することが難しい高齢者や高校生、観光客の足として親しまれている「おでかけなんじぃ」。運行は南城市内に限られますが、利用は南城市民以外でも可能。調査員も、次の休みにはおでかけなんじぃで南城市内を散策したいです!



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「おでかけなんじぃ」どう運行!?
おでかけなんじぃは10人乗りのワゴンバス。平日では1日平均約100人前後が利用
「おでかけなんじぃ」どう運行!?
バスの管制業務は市から委託を受けた南城市シルバーセンターの事務所で行っています(運転業務は第一交通)。パソコンの画面に表示される情報を見ながら、オペレーターがルートを決定していきます
「おでかけなんじぃ」どう運行!?
(左から)南城市シルバーセンター事務局長の屋我和枝さん、オペレーターの石田英明さん
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