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[No.1657]

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「島ネタCHOSA班」2017年01月26日[No.1657]号

元祖うずまきパン 人気の秘密

 白いクリームを生地でぐるりと巻いた「うずまきパン」の元祖は、伊良部島の「まるそうパン」製だと聞きました。元祖はどのように作られているのかを知りたいです。伊良部島まで出張調査できませんか。

(那覇市 謎がうずまきまきさん)

元祖うずまきパン 人気の秘密!?

 行ってきました! 宮古島市伊良部島。2015年1月伊良部大橋が架かって、宮古島市から車でスイスイでした。「まるそうパン」が作っているのは「うずまきサンド」で、県内で出回る「うずまきパン」と形は変わらないようです。早速、突撃取材開始です。

製造は50年以上前

 対応してくれたのは、社長の渡久山政輝(せいき)さん(59)。うずまきサンドは、創業者である父親の渡久山知宗さん(88)が考案し50年ほど前から販売しているそうですが、正確な記録は残っていないそうです。

 うずまきサンドは、発売当初からヒットしたのでしょうか?

 「当時はそんなに人気はなかったですよ。製造個数が増えたのは、30年ほど前、伊良部島と宮古島を結ぶ、佐良浜のフェリーターミナル内の『田舎屋』という売店に置かせてもらってからです」

 伊良部島土産として口コミで広がり、徐々に売れ行きが伸びて、噂を聞いた地元テレビ局が取材。番組放送後、一気に販売個数が増えました。一時は、佐良浜港から宮古島の平良港へ運ばれるうずまきサンドは1日に300個を超えた事もあったそうです。

 伊良部大橋が開通してから、販売個数に変化はありましたか?

 「注文の分だけ作ってきたので特別変化はありませんが、配達区域は広がり、宮古空港まで配達しています」

手作業、注文製造

 パン製造所を訪ねたら焼き立てを食べたい、人気の秘密は焼き上げる工程から解明できるものと、必死の調査員に「明日、8時にいらっしゃい」と社長は快諾。

 明朝8時、香ばしい焼きたてパンの香りに包まれた製造所を訪れました。

 しっとり焼き上げたロール生地にクリームが塗られていきます。手際よく丸めた生地を包丁で1個1個スライスし、包装寸前に再度クリームを塗っています。「見た目も大切だからね。クリームが少ないロールの端に追加で塗っているのよ」と、答えるのはベテランの職人。クリームは多すぎず、少なすぎず。

 巻くときの力加減は、季節やその日の天気、焼き上がりからの時間経過で替えるとか。包丁は力を入れず押して引き、滑らせるのがポイントだそうです。

 そのうち、ご近所さん(女性・60代)が来店。注文したのは長いロールの二つ切り! 「1本そのままで欲しいのだけど、箱に入らないから二つに切ってもらっている。45年は通っていますよ」。ご近所さんならではのカスタマイズを持ち帰ります。

 次のお客さん(女性40代)は、「今日は少なくて、30個。子どものバレーの試合が那覇であるのでお土産。喜ばれますよ〜!」と笑顔だ。子どものころ、5人きょうだいで1つのうずまきサンドをちぎって分け合いながら食べたそうで、「大人になったら1人で1個食べようね!って。今は1個で足りるわけないね」と、豪快に笑います。地元ならではの食べ方を教えて下さったのは、伊良部島育ちの下地美喜子さん(45)。「冷凍して、食べる時には自然解凍。レンジでチンはダメ。ザラミ(伊良部島の方言で白砂糖)が溶けちゃう。まるそうパンのうずまきサンドは、ザラミのシャリシャリ感がポイントだけど、社長のこだわりは生地で分かります」

 渡久山社長、他社のうずまきパンを食べたことがありますか?

 「島からあまり出ないから、食べたことはないね」

 全ての工程が手作業で、注文の数だけを毎日焼き上げるまるそうパン。製造数が増えても原料や工程に変化はない。ひたすら真面目、仕事に対する誠実な姿勢に、人気が途絶えない秘密を見た気がしました。



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元祖うずまきパン 人気の秘密
二代目社長の渡久山政輝さん
元祖うずまきパン 人気の秘密
手作業でクリームを塗る。しっとり焼き上がった生地だからこそ手巻きできる
元祖うずまきパン 人気の秘密
一個一個包丁でスライスする社長の渡久山さん
元祖うずまきパン 人気の秘密
元祖うずまきパンのまるそうパン「うずまきサンド」
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