沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1547]

  • (火)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2014年12月4日[No.1547]号

県内にパイプオルガン

 もうじきクリスマスですね。この時季は、教会に足を運んでみたくなります。県内でパイプオルガンの演奏が聞ける教会はあるのでしょうか?

(那覇市 きよしこのよるさん)

県内にパイプオルガン!?

 クリスマスの夜、教会に響き渡るパイプオルガンの清らかな調べ―。いいですね。すぐに調査に行きましょう!!

 パイプオルガンの場所については、調査員仲間から「沖縄キリスト教学院で見たよ〜」との情報が。さっそく西原町翁長の同学院へ直行。宗教部長の青野和彦さんに連れられて、厳かな空気が漂うチャペル(礼拝堂)に足を踏み入れました。

 すると―。ありました! 想像していたよりずっと巨大で立派です。「このオルガンは、2000年にキリスト教の礼拝のために作られました。主に学生と教職員のための月曜礼拝の伴奏に使われています。不定期で、一般向けに演奏会を開くこともありますよ」と青野さん。

 ここで、あることに気がついた調査員。鍵盤の上に、淡い光を放つ小さな液晶パネルがあるではありませんか。青野さん、これは?

 返ってきたのは、「実はこのオルガンは、『チャーチオルガン』と呼ばれる巨大な電子オルガンなんです」という驚きの答え。ええーっ!?

 話を聞くと、湿度が高い沖縄の気候に合わせ、メンテナンスを考慮に入れて、あえて電子オルガンを選んだのだとか。電子といっても、値段は古典的なパイプオルガンと肩を並べる超高級品。パイプはイミテーションとのことですが、24個のスピーカーから出力される音は大迫力! いや〜、電子オルガンといってもいろいろあるんですね。

 一方、アンプを使わない古典的なパイプオルガンが別の教会にあると教えてもらい、調査員は次なる場所へと向かいました。

風送り鳴らす

 訪れたのは、北谷町吉原の日本聖公会 北谷諸魂(しょこん)教会。礼拝堂の中から、荘重なオルガンの音が聞こえてきます。この日は、同教会で礼拝のオルガン奏者を務めるチャーチ弘美さん、仲村道子さんの2人に、県のパイプオルガン演奏の第一人者・糸洲のぶ子さんを交え、練習会が行われていました。

 「この教会のオルガンは、県内で唯一の現役のパイプオルガンなんですよ」とチャーチさん。沖縄戦の犠牲者を追悼するため、1996年にドイツから部品を取り寄せ、技師を招いて組み立てられたそう。

 使われているパイプの数は720本に及ぶというから驚き。「パイプオルガンは巨大な笛のようなもの。パイプに風を送って、音を鳴らす楽器です」と仲村さんは話します。風の力で音を響かせるなんて、ステキですね〜。でも、どうやって音を制御するのでしょうか。

 この疑問に答えてくれたのは糸洲さん。「鍵盤を押すと対応するパイプのフタがスライドし、風が通って特定の音が出ます」。ふむふむ、だんだん仕組みが分かってきました! 「鍵盤のタッチの具合によって、出る音が違ってくるのが、面白くもあり難しくもあるところです。なめらかにタッチしないと音が割れてしまいますから。空間に音の余韻を残すように弾くのが大事ですね」(糸洲さん)

 湿気やヤモリの侵入など、沖縄の気候風土に悩まされるというパイプオルガン。それでも、メンテナンスしながら大切に使っているそうです。

 曲を演奏してもらうと、礼拝堂を包み込むように響く音の世界にウットリ…。耳というより全身で聞くといった感じ。心が清らかになるような感動を味わいました!

 同教会では、毎週日曜日10時から行われる礼拝のほか、24日(水)の午後5時・午後11時から開かれるミサでパイプオルガンの演奏を聞くことができるそう。一般の人も無料で参加できますが、あくまでコンサートではなくミサ。敬虔(けいけん)な気持ちで参加してくださいね。

このエントリーをはてなブックマークに追加


県内にパイプオルガン
青野和彦さん
県内にパイプオルガン
沖縄キリスト教学院(大学・短大)の仲里朝章記念チャペルに設置されたチャーチオルガン。大きさに圧倒されます=西原町翁長
県内にパイプオルガン
(左から)糸洲のぶ子さん、チャーチ弘美さん、仲村道子さん
県内にパイプオルガン
北谷諸魂教会にある県内で唯一現役のパイプオルガン。巨大ですが、あたたかみを感じます=北谷町吉原
>> [No.1547]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>