沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1394]

  • (火)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2011年12月15日[No.1394]号

弁当のご飯の上におかず?

お弁当屋さんをよく見ますが、沖縄の弁当の特徴などがありましたら教えてください。知りたいです。(2011年12月15日掲載)

弁当のご飯の上におかず?
(那覇市、40代女子)

 那覇市内で、外で弁当を売っているのをよく見かけるのは、久茂地交差点近く、テレビ局の裏、新都心、おもろまち駅近く、市役所の前など、ビジネス街や大きなビルの前。午前11時ぐらいから準備を始める。

 周辺で働く人たちや、営業マン、経営者、学生などが買いにくる。弁当の値段は250円から400円までと手ごろだ。

 

 さんまを揚げる!?

 調査員はおもろまち駅近く、トランスコスモスビル前の弁当屋に足を運んだ。3、4の弁当屋が並ぶ。

 「ブルースカイ2」の売り手の中村一彦さん、買いにくるお客さんに陽気に声をかけていた。中村さんは兵庫県の出身。中村さんに沖縄の弁当と他県と違うところを聞いてみた。

 「ご飯の上におかずがのっている。そして、さんまが揚げられているのに驚きました」と答えた。

 沖縄生まれの調査員は、ご飯の上におかずがのっているのも揚げられたさんまも普通のことと思っていたが、県外からの人にはちょっとしたカルチャーショックだったようだ。

 沖縄の弁当の特徴を県外から来た人たちは、声をそろえて「スープ(汁もの)がついていること」と答える。

 中村さんのところにはスープがなかった。聞くと「保健所からの指導がありました。店でスープを入れて持ってくるぶんには問題はないのですが、外でスープを用意する(具に湯をそそぐ)のはいけないということです」。

 調査員はこの辺が気になっていた。たくさんの弁当屋さんがテントやパラソルを用意して外で売っているが、営業許可とか申請は必要なのか。調べてみると弁当屋の営業許可を出すのは県内の保健所だが、弁当を外で売るのに特に許可はない。しかし、外で弁当を売りその場で弁当を詰めたりスープの具だけを用意して湯をそそいだりすると祭りなどの出店と同じ扱いになるので保健所での許可が必要になるそうだ。

 スープ付き

 同じトランスコスモスビルの前の「こーこー屋弁当」にお話を聞いた。本店は浦添市の浦添高校の前にある。

 「こーこー屋弁当」で買った人に話を聞くと「おいしい。スープがついているのでここで買う」「安いしスープがついているから」と、おいしさ、安さに加えてスープもあるというのが人気。

 調査員も弁当を買うことにした。しかし、悩んでしまった。チキンがメーンの弁当にはインゲンのてんぷらがついているが、もう一つゴーヤーがメーンの弁当も捨てがたい。

 「こーこ屋弁当」は新都心の3カ所に弁当屋を出しているが、トランスコスモス前は若い人が多いので肉や揚げものが中心の弁当を多くおいているという。また、那覇市上下水道局近くは少し年齢が上になるので、野菜、魚を中心にしたものになっているという。

 「量が多い」ということでも有名な沖縄の弁当。「港の近くの弁当屋は量が多いよ」という情報があったので、その近辺に行ってみた。港湾労働者が多い曙の弁当屋「姉妹弁当」、力仕事をする人が相手なので、きっとたくさんの量が…。

 店内に入ると調査員のお腹がグーとなりそうだった。おかずのたっぷりはいった弁当、カレーライス、ナスの炒め物、ポーク卵、軟骨ソーキ…。店主の仲松俊治さんは先代の母親から店をついで3年。店は60年近い。以前は前島の方で開いていたそうだ。朝は6時から仕込みが始まる。現在、平均200個の弁当を用意しているが、港が近い土地柄、船の出入りで弁当の数も変わってくるそうだ。

 安くて、量が多くて、店によってはスープもついている沖縄のお弁当。午後からの仕事もバリバリいける!


弁当のご飯の上におかず?
常連客と楽しく会話しながら弁当を売る中村さん(写真中)=那覇市おもろまち
弁当のご飯の上におかず?
たくさんの種類が並べられた弁当=那覇市曙の姉妹弁当
>> [No.1394]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>