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[No.1375]

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「島ネタCHOSA班」2011年08月04日[No.1375]号



沖縄の結婚披露宴の特徴といえば余興。新郎新婦の親せきや友人、職場の仲間が趣向を凝らした演出で、出席者の笑いや涙を誘い宴に華を添えています。しかし、この数年は「余興」を含め、披露宴の内容が変わってきていると聞きましたが?(2011年08月04日掲載)

ライブからデジタルへ
(那覇市、40代男性)

 沖縄の結婚披露宴の特徴といえば余興。新郎新婦の親せきや友人、職場の仲間が趣向を凝らした演出で、出席者の笑いや涙を誘い宴に華を添えています。しかし、この数年は「余興」を含め、披露宴の内容が変わってきていると聞きましたが?   (那覇市、40代男性)

 調査依頼を受けた調査員、自らの経験と出席した披露宴の様子を照らし合わせ、おぼろげな記憶の糸をたどっていきますと、仲のいい友人や職場の披露宴に招待されると、合わせて「余興もお願いね」と頼まれることが度々ありました。出演依頼? を受けると、参加メンバーが顔合わせ。続いてシナリオ作りから配役まで段取りが決まり、前夜まで練習に励んだように記憶しています。

 本番の舞台は観客数百人(出席者)。大勢の人で緊張感もピーク。さらに披露宴の雰囲気に圧倒され、普段より飲む酒の量も多め。そのせいか? アドリブ、ハプニングも続出。予期せぬ結果に苦い思い出も結構ありました。

 それが、最近の披露宴では「ライブ」の余興に代わりDVDでの上演が増えているというではありませんか。

 本当のところどうなのでしょうか。披露宴を仕切るプロに聞くのがいちばん。調査員は早速、沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザを訪ね、最近の実態についてお聞きしました。

 主催者の思いやり 

 対応していただいたのは婚礼販売担当の宮良ゆかりさん。この道十数年、結婚プランナーとして多くの披露宴を手掛けてきたベテランです。

 宮良さんは開口一番「婚礼のスタイルは時代とともに様変わりしています」と現状を紹介し、「特に最近目立って増えたのが披露宴でのDVD上演です」。

 調査員の時代は新郎新婦の人となりを紹介する「スライド」上演くらいでしたが。

 「業界ではDVD上演を『ビデオレター』と呼んでいます。10年ほど前から少しずつ増え、いまでは余興の半分以上を占めています」との説明に、調査員は「そんな多いのですか」と、またもやびっくり。

 なぜ、そんなに増えたのですかと、調査員の素朴な質問に「ビデオレターが増えてきた一つの要因に、主催者側が招待者にゆっくり食事や披露宴を楽しんでもらいたいとの思いやりからです」と宮良さん。

 なるほど、主催者の優しい配慮。余興の出演者は準備や舞台に20分ほどかかりますね。その間、食事や会話を楽しむ時間が減りますし、他の余興を鑑賞する時間もなくなってしまいます。すごく合理的ですね。

 自分流に演出 

 宮良さんは「また最近の特徴として以前はプランナーが企画した案を新郎新婦で多少アレンジして披露宴を催す方が多かったのですが、最近は当事者が『オリジナルの披露宴がしたい』と起案される方が増えました。自分たちが楽しみ。かつ出席者にも喜んでもらいたいと、いう思いが強くなっているように感じます」

 やはり一生に一度の披露宴ですから『自分流』にこだわる気持ち分かるような気がします。

 「内容も年々充実し、短編映画やお笑いなどプロ顔負けの素晴らしい作品も結構あります」

 更に調査員は県内の結婚式・披露宴を企画・挙行する三つの業者にお尋ねしたところ、記憶に残る自分たちだけの「オリジナル」にこだわるカップルがかなり増えているそうです。例えば、仲人・媒酌人を省き、プログラム数を減らしたり、披露宴のセッテイングや飾る花の種類を特定するなどです。

 担当者のお話しをまとめると、「ビデオレターが増えた分、時間計算ができるので披露宴も1時間ほど短くなった」とも聞いています。

 DVDではその場の雰囲気に合わせた「即興」が見られないのは少しさびしいのですが、主催者の個性に合わせ、趣向を凝らした内容が詰まったビデオレターによる余興も楽しいですね。


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宮良ゆかりさん
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招待者の笑いを誘い、披露宴の場を盛り上げる「ライブの余興」


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