沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1973]

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「表紙」2023年03月02日[No.1973]号

沖縄アクターズスクール「第二章」開幕!
COO(最高執行責任者)エグゼクティブ・プロデューサー
牧野アンナさん

アクターズスピリットを継承

 1990年代、日本の音楽シーンを席巻した沖縄アクターズスクール出身のアーティスト たち。MAX・DA PUMP・三浦大知さん他、歌って踊る抜群のパフォーマンス力が高く評価 されたスクール出身者の現在の活躍も、多くの人が知ることだろう。開校当初の83年か らスクール生として活動し、メジャーデビューも経験。93年にインストラクターに転身し た後にスクール運営から離れていた牧野アンナさんが、20年ぶりに再始動を図るとい う。思いを語ってもらった。

   40 年前の 11 歳のころ、開校時 の沖縄アクターズスクールに入 校した牧野アンナさん。当初は 俳優養成所だったという。

 「イメージするのとは全く違 う校風でした。祖父が映画監督 で俳優の家系だったので、お芝 居がメイン。大人が多いスクール で、小・中学生はサブ的な存在 だったんですよ」当時の沖縄で 芸能学校は珍しく、応募が殺 到。音楽レッスンでは演歌を歌 い、演劇などを教わっていたとい う。だが1年後に、演劇講師が 別のスクールを開設。多くの生 徒が移動した。

 「子どもだけ残り好きなこと をやっていい、というレッスンに 変わりました。カラオケで好き な曲を歌うようになったので、 それがポップスに切り替わった タイミングだといえますね」

 講師がいないのも特徴で、「先 輩が後輩の面倒を見ながら教 えていました。マイケル・ジャクソ ンなどのビデオをみんなで見て、 一緒に踊ったりもしていました」 と振り返る。

 「校長の父は、歌って踊れるス ターの育成を本気で考えていま した。欧米歌手のパフォーマンス を研究し、体の中にビートを叩 き込むなど1つずつメソッドにしていったんです」

 実践する第一号は娘のアンナ さんなのがお決まりで、「不器用 なお前は習得できた時に人に教 えられる。指導者向きだ」と早 くから言われていたそうだ。

大復活祭から次の道へ

 1992年に安室奈美恵さ んらと「スーパーモンキーズ」と してメジャーデビューを果たし たアンナさんは、安室さんの才 能と観客を魅了する力を間近 で感じ、圧倒された。

 「小学生の時からダンスと歌 のセンスがあり、練習が大好き だった奈美恵。こういう子がス ターになるとデビュー直後に分 かり、指導役に専念したいと父 に話しました」

 マキノ校長は安室さんがス ターになり後輩が続けば、指導 者であるアンナさんも注目され る存在になると確信していたと のこと。スクールに戻り後の SPEEDメンバー含む若い世代の 指導を始め、デビューを見据え てメンタルを鍛え、ホームシック にならないようグループで上京 するなど戦略もできていた。

 そして 90 年半ばに安室さん人 気がブレイクし、アクターズス クール出身者の活躍が続いた。 スクールの全国オーディションに は5 万人以上が集まり、デ ビュー予備軍のB.B.WAVESは 県内での活動はもちろん、テレ ビ番組の収録のために東京に行 くなど大活躍。「いろんな人に会 いたくさんの事をやりましたが 覚えていない。こなすのが精一杯 でした」とアンナさんは語る。

 その後2002年に沖縄を 離れたが、 18 年に沖縄でアクター ズスクールの同窓会を開催。歴 代のショーを舞台で披露し、「み んなの細胞の中に同じものが 入っていると実感。歌って踊って 楽しくて、次は大きなイベント がやれたらいいねと話し、昨年の 大復活祭につながったんです」と 語った。

 大復活祭は人気スターとなっ た卒業生も参加して大成功。出 演者も観客もアクターズスクー ルの素晴らしさを改めて感じる 機会になったという。特に三浦 大知さんは「アクターズのメソッ ドを継承し、スターを育ててく ださい」とアンナさんに訴えたそ うだ。

親子で楽しむエンタメへ

 三浦さんや多くの卒業生の 協力を得て「子どもた ちを育成し、沖縄の才 能を世界に発信しよ う」と目標を掲げたア ンナさん。目下、令和版 B.B.WAVES結成に向 け、オーディションを開 催中だ。

 「現在 30 〜 40 代の元々のB.B.WAVESメンバーが指導 役になり、その子ども世代が新 メンバー。一緒にパフォーマンスす る親子も出てきそうですし、親 子でファンになってくれる方もい ると思います。いろんな世代を 網羅できる楽しさのあるスタイ ルなんですよ」とアンナさんは期 待を込める。歌とダンスに限ら ず、例えばクリエイティブなこと やトークが得意な子、エンタメに 興味があれば勇気を出して応募 してほしいそうだ。

 開校から 40 年が過ぎ、次世代 へと継がれるアクターズスピ リット。体も心もフル回転させ て出し切るエンターテイナーと しての精神が、その根幹だとい う。未来のスターの誕生が待ち 遠しい。 

 (饒波 貴子)



牧野アンナさん

沖縄アクターズスクール令和版「B.B.WAVES」
生徒としてレッスンを受けながら(受講費無料)芸能活動をするメンバーオーディションを開催中です。
参加資格:沖縄在住の小4~高3の男女(2023年4月時点)
・歌、ダンスの経験問わず
・親権者の同意が必要です
・特定のプロダクションと契約している方は不可
※詳細は公式LINE( QRコード)
「B.B.WAVESオーディション申し込み」をクリック
締め切り:3月12日(日)

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牧野アンナさん
1983年に開校し、多くのスターを世に送り出してきた芸能 養成所「沖縄アクターズスクール」。創設者・マキノ正幸さん の娘で、スクール内ではインストラクターを務めていた牧野 アンナさんが、このたびスクールの再始動を宣言。無料レッ スンを受け、全国展開のプロジェクトに参加できるスター予 備軍「B.B.WAVES(ビービーウェイブス)」のメンバーを募集 中だ。=那覇市内にて撮影
写真・村山 望
牧野アンナさん
2022年10月に開催した「沖縄アクターズスクール 大復活祭」でマキノ正幸さん、牧野アンナさんを中 心に記念撮影(提供写真)
牧野アンナさん
「大復活祭」では、SUPER MONKEY'Sメンバーと してステージに立ったアンナさん(提供写真)
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