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[No.1717]

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「表紙」2018年03月22日[No.1717]号

ザ夫婦

ザ・夫婦(み〜とぅ) 50


A.K DANCE international
新垣 幸三さん 新垣 貴子さん

ダンスアスリート、ラテンの同志

 チャチャチャ、サンバ、ルンバなど、中南米の音楽でアクロバティックなステップやターンを繰り広げるラテン。その自由度の高さは、社交ダンスのイメージとほど遠い。「二人で踊る楽しさを知ったとき、スポーツだと共感した」という、新垣幸三さん(41)と妻の貴子さん(38)。役者志望だった幸三さんは、県内社交ダンス界をけん引する両親に勧められラテンダンサーに転じた。 プロデビューから13年目、夫婦ともに全日本ファイナリストのトップダンサーに成長した。



遅咲きのトップダンサー

 彫りの深い顔立ち、情熱的なラテンの表現――。„南風を感じるダンサー“と評される幸三さん。その熱さを、貴子さんはすきのないフォローでペアダンスの世界を広げる。

 二人が出会ったのは18年前の東京。幸三さんが役者として舞台に立ち始めた頃、友人を介して出会った。役者の卵と看護専門学校生。共通の趣味にしようと、貴子さんと社交ダンススタジオに通った。

 幸三さんは、那覇市で40年来社交ダンスを指南する新垣幸一・美枝子さん夫妻の三男。「役者になるのが子どもの頃からの夢。両親がレッスンで上京するたびに、芸の肥やしになるからとダンススタジオに同行を強いられました」と振り返るが、ワルツやタンゴなどのスタンダードでは味わえなかった魅力に引き込まれた。それが、貴子さんとペアで踊ったラテンである。「リズム、瞬時の動作、これはペアで踊るスポーツだ」と共感する。

 二人は、競技大会に出場しプロを目指した。幸三さん27歳、貴子さん24歳。実力、年齢ともに遅いスタートとなった。

東京でプロデビュー

 一般に他府県では、大学のダンスサークルなどで修練を積み、卒業時にダンサーとしてプロデビューするという。当然、競技大会にも若くして出場する。

 幸三さんは役者の夢を捨てきれずにいたが、それでもプロになるなら若いほうがいいと競技大会に臨んだ。「根がポジティブだから、学生時代から踊り続けているライバルを相手にプロデビュー戦で勝てると思い込んでいた。結果は5位、勝てませんでした」と、笑う。二人は想像以上にラテンが性に合っていると知り、幸三さんのリードでレッスンに励んだ。

 社交ダンスのプロは、競技大会で最高ランクのA級を勝ち取っていく段階で実力を磨く。二人は世界60カ国の加盟団体であるJDC(日本ダンス議会)の競技大会で、ライバルを目標にして毎年ランクを上げ、08年ラテンアメリカンA級資格者に至った。

 「同じスタジオのライバルの存在、所属するスタジオのオーナーの師匠がグレートコーチャーで、世界各国のトップダンサーのレッスンを目のあたりにする幸運もありました」。 東京という一流ぞろいの環境が幸三さん夫婦をトップダンサーに押し上げた。

二人で踊る楽しさ

 プロデビューが遅かったからこそ、必死になってある程度ポジションをつかめたと語る二人。ラテンの表現には、幸三さんの役者修業も生きている。貴子さんは長女、長男を出産し、全日本ファイナリストには珍しい子育てダンサーだ。

 競技大会に臨めば、レッスン中はプロ意識をむき出しけんかが絶えないという。「試合に懸けているとき、互いに高みを目指している分、ストレートに言い合う。僕はがんがん言うほうです」と、幸三さん。

 ラテンとは、„リード&フォロー“が幸三さんの大切にしていることだ。「リーダーは女性をこう踊らせたいと思いを伝える。女性がリードを見事なフォローで応えてくれる楽しさがラテンの奥義」

 幸三さんのリードを強く感じて踊る貴子さん。クールビューティーの雰囲気漂う妻は、スイッチが入ればセクシーなダンサーに豹変(ひょうへん)するも、生来の品格も魅力を放つ。ダンスの最中、テンションが上がり周りが見えなくなったとき、幸三さんにとって貴子さんの芯の強さが頼りだ。

 リード&フォロー。二人の踊りがラテンの奥義を伝えている。

(伊芸久子)



円満の秘訣は?

幸三さん・貴子さん:思いやりの心と信頼を持って毎日ハグすることです!

プロフィル

あらかき こうぞう: 1976年生まれ、那覇市出身。大阪経済法科大学卒業後、役者を目指し上京。劇団を立ち上げ主役でいくつか舞台に出演しながら、両親の勧めで社交ダンスを始め2005年にプロデビュー。ダンスの世界でも舞台「Dance with Me!!」「Hotel Dance with Me!!」ダンスショー「Dance A La Mode」などに出演。JDC全日本ファイナリストとして活躍中

あらかき たかこ: 1979年生まれ、東京都出身。東京医科大学看護専門学校卒業後、東京医科大学病院で3年間勤務。当時から幸三さんと社交ダンスを始める。2012年長女を出産。社交ダンサーには珍しい子育てダンサーとしてファイナリストになる。08年1月長男出産。夫婦でJDC全日本ファイナリストとして活躍中

新垣幸三公演予定
「Hotel Dance with Me!!」4月14日(土)大阪 豊中市立文化芸術センター
「ボールルームナイト(仮)」6月1日(金)かりゆしアーバンリゾート那覇・当スタジオ共催
「大琉球神楽」6月24日(日)県立武道館
「FOCUS」7月14日(土)東京・大井町駅きゅりあん大ホール
問い合わせ:AKダンスインターナショナル ☎ 098-868-8377

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新垣 幸三さん  新垣 貴子さん
瞬時のポーズが絵になる二人。新垣幸三さんは、「楠潤一郎ダンスアカデミー(東京)」と沖縄のスタジオで併行して指導する。妻の貴子さんは2月に長男を出産、子育てダンサーとして復帰に臨む=那覇市「A.K DANCE international」
写真・喜瀨守昭
新垣 幸三さん  新垣 貴子さん
ラテンの競技種目「チャチャチャ」を踊る二人。社交ダンス本来の楽しさを県内で伝えたい思いがある
新垣 幸三さん  新垣 貴子さん
リード&フォローでダンススポーツのラテンの競技大会に臨む
新垣 幸三さん  新垣 貴子さん
JDCファイナリストの幸三さんは子煩悩のパパ。長女と生後1カ月の長男。貴子さんはただ今育児休業中
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