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[No.1674]

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「表紙」2017年05月25日[No.1674]号

ザ夫婦

ザ・夫婦(み〜とぅ) 8


チョークアーティスト 津堅 早代さん
リゾートホテル勤務 津堅 卓さん

バランス満点の2人

 飲食店などでよく見掛けるチョークアート。黒板に油性チョークで描かれたポップで色鮮やかな絵柄が人気を集めている。そんなチョークアートに魅せられ技術を学んだ津堅早代さん(33)。昨年チョークアーティストとして独立し、制作や指導に従事している。ホテルマンの夫、津堅卓さん(33)は、保育園からの同級生。やりたいことを見つけ、夢を追いかけている妻の良き理解者だ。「お互いにないものを補い合っている」という2人に話を聞いた。



成長した同級生に再会

 チョークアーティストの早代さんとホテルマンの卓さんの出会いは、保育園までさかのぼる。中学校まで一緒だった2人だが、「同じクラスになったことがなく、中学生のとき、塾が一緒で話したぐらい」と早代さんは振り返る。

 一方、卓さんは「彼女は美人で学校でも人気があった。自分は好印象を持っていた」とはにかむ。別々の学校に進んだ高校生時代、共通の友達を通して早代さんをダブルデートに誘った卓さんだったが、結果は「シャイで、気持ちを伝えられずに終わってしまった」

 食べることが好きだった卓さんは高校を卒業後、レストラン勤務などを経てホテル業界に就職。ホテル内の飲食店で経験を積んだ。海外のゲストと触れ合ううちに、「英語でコミュニケーションを取れるようになりたい」と留学を決意。ワーキングホリデーを利用してカナダへ渡り、語学学校に通いながらレストランやホテルなどで働いた。

 1年半後に帰国した卓さんに運命の再会が待っていた。ダブルデートの相手カップルでもあった友人夫婦が卓さんの「お帰り会」を開催。そこに呼ばれたのが早代さんだった。

 早代さんの前に現れたかつてのシャイボーイは「社交的で、男らしくなっていた」。卓さんのアプローチで付き合うようになった2人。卓さんは「結婚するなら彼女しか考えられなかった」という。再会から1年後、卓さんが一人暮らしを始めるタイミングで2人は入籍した。

チョークアートとの出合い

 当時、クリニックで医療事務の仕事をしていた早代さんは、結婚と前後して仕事でも転機を迎えた。趣味で習っていたハワイアンフラの発表会で会場の飾り付け係を担当したことが人生を変えるきっかけになった。ウエルカムボードや飾り付けの準備をしている間「昔、こういうの好きだったな」と何度も思った。絵が好きで、漫画などをよく描いていた子どものころの記憶がよみがえった。趣味として絵に関わる何かを始めたいと地元の書店に行き、たまたま見つけたチョークアートの本に魅せられた。

 「これをやろう」。県内にいる著者の教え子にチョークアートを習い始めた。「本当にやりたいことが見つかった」と早代さんはほほ笑む。

 2年半後には、働いていたクリニックを辞め、2016年にチョークアーティストとして独立し、教室をオープン。新たな道に進み始めた早代さんを卓さんも理解し応援。東京やオーストラリアでの研修にも快く送り出してくれた。

 ホテル勤務の卓さんは夜勤もあり、休日も不定期。卓さんが休みのときは早代さんも教室を休み、できるだけ一緒に過ごす時間を作っている。

夫は良き理解者

 「お互いに自分にないものを持っている」と口をそろえる2人。卓さんは、アーティストとしての早代さんを「チョークアートをしている姿はかっこいいと思う。素敵だし、尊敬しています」と評価する。チョークアートを広めたいと願う早代さんの良き理解者である卓さんは、イベントなどにも時間が合えば応援にかけつける。

 けんかになったことはほとんどなく、お互いを思いやり、尊敬する気持ちを忘れない2人。

 早代さんは「私は決めたら一直線で、壁にぶち当たると行き詰まってしまう。彼はそんなときにアドバイスをくれ、視野を広げてくれる。バランスをとってもらえるのがありがたいです」と話す。

 今後もさまざまな経験を積み重ね、2人なりの夫婦の形を築き上げていくだろう。

(坂本永通子)



円満の秘訣は?

津堅早代さん:相手を縛り付けるようなことはしない。私も好きなことさせてもらっているので、友人と出掛けたいという時などは、行動を制限せず好きなことをしてもらうように心掛けています。

津堅卓さん:尊敬する気持ち。考え方やチョークアーティストとして一生懸命に活動しているところも好きだし、尊敬している。だからうまくいくのかなと思います。

プロフィール

つけん・さより:1983年那覇市生まれ。那覇市立石嶺中学校、県立那覇商業高校、沖縄ビジネス外語学院を経て医療事務職員として約7年間勤務。2014年にチョークアートに出合い、チョークアートを学び始める。15年チョークアートの認定講師資格取得(MCA協会)。16年7月からチョークアーティストとして教室での指導・制作活動開始。
つけん・すぐる:1984年那覇市生まれ。那覇市立石嶺中学校、県立浦添工業高校卒業。飲食店勤務を経てホテル業界に約10年間勤務。1年半のカナダ留学を経て、帰沖。2014年8月に早代さんと結婚。全米ヨガアライアンス(RYS200)認定インストラクターの資格を取得。

チョークアートのよんな〜よんな〜 http://chalkartyonna.ti-da.net
E-mail:chalkart_yonna@yahoo.co.jp

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津堅 早代さん 津堅 卓さん
お気に入りのハンモックに座り、早代さんの作品を手に持つ早代さん(左)と卓さん。「おいしいものを食べるのが好き」という2人は休みのときは食べ歩きなどを楽しむという=那覇市首里石嶺町の自宅兼教室
写真・喜瀨守昭(サザンウェイブ)
津堅 早代さん 津堅 卓さん
保育園の卒業式で偶然隣同士だった2人。前列左から2番目が早代さん、3番目が卓さん
津堅 早代さん 津堅 卓さん
新婚旅行で行ったハワイのダイヤモンドヘッドにて
津堅 早代さん 津堅 卓さん
東京の展示会に早代さんが出展した際は、旅行を兼ねて一緒に見に行った =2016年3月
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