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[No.1558]

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「表紙」2015年2月26日[No.1558]号

gogo sports

GO!GO!スポーツ 15

自転車競技
沖縄サイクリング女子会
大石育子さん 牧志美和子さん

自然の中 風を切り走る!!

 シャーッ、シャーッ、シャーッと車輪が風を切る音を残して、すごい勢いで自転車がコーナーを曲がっていった。

 2月8日日曜日、豊見城市豊崎海浜公園特設コースにおいて、県自転車競技連盟主催よる「新春ロードレース競技大会」が行われた。この日の気温は14度、風速10㍍以上の北風が吹く中で行われた大会に出場したのが「沖縄サイクリング女子会」のメンバーで、「トライアスロンチームCoosu」と「米須自転車チーム」で活動している大石育子さん(43)と「チームINLINK」所属の牧志美和子さん(33)。

 「沖縄サイクリング女子会」とは、県内でサイクリングや競技にかかわらず、自転車に乗っている女性なら誰でも入会でき、交流をしているグループ。現在、メンバーは20人ほど。寒い日も暑い日でも自転車に乗り続ける2人に、自転車の魅力などについて聞いてみた。



脚力で自然と一体になる

 雪の降らない沖縄は野球をはじめ、サッカーや陸上競技など、あらゆるスポーツの合宿のメッカとなっている。中でも自転車は整備された道路が全県に広がり、青い海や緑の山々など豊かな自然の中を走ることができることから、プロの選手や国内トッププレーヤーたちが一年を通してトレーニングに訪れる。特に本島北部は車も少なく自転車競技者にとって楽園のようだという。

 しかし沖縄県の人口当たりの自転車保有台数は全国で最下位。暑い日差しと歩かない県民性の影響ではないかといわれている。近年、トライアスロンやツール・ド・おきなわの影響からスポーツサイクリングとして自転車に乗る人は少しずつ増えてきているが、女性の愛好者はまだまだ少ない。

 大石育子さんが自転車に出合ったのは7年前、トライアスロンを始めたのがきっかけ。当時、子育ても一段落つき、ダイエットのために通っていた自宅近くのトレーニングジムで、高校時代の先輩に会い、一緒にトライアスロンをやろうと声をかけられた。「トライアスロンのことがよくわからなかったが二つ返事でOKした(笑)」

 高校卒業後はスポーツとはまったく縁のない生活を送っていたため、最初は体力的にきつかったけれど、だんだんと面白さに目覚めていろんな大会に出場。3年前トレーニング中に、トライアスロンチームの先輩から「体が自転車向きだからもっと速く走れる」といわれ、それがきっかけで自転車に重点を置くようになった。

 沖縄市に住んでいる大石さんは、自転車に乗る前まで名護以北は山ばかりで距離感がつかめなかったが、トレーニングで塩屋や辺戸岬まで行って戻れるようになると、自転車ならどこまでも行けると知って、さらにのめり込む。5〜6時間かけて北部を回ることも楽しくなった。



 牧志美和子さんは競技としてではなくサイクリングからスタートした。

 「5年前に自転車が趣味の会社の上司から誘われて始めたのがきっかけです」という。「レースをやっている友達にも誘われたんですが、接触や落車が怖くて逃げていました」

 しかし、昨年の1月に、順位を気にしないで風景を楽しみながら走るファンライドの大会、「美ら島オキナワセンチュリーラン」で160kmのコースに出場したら、完走はできなかったけれど、「思っていた以上に走れた」という。そして自分はどこまで出来るのだろうかと可能性を試したくなり、競技のための練習をするようになった。

 自転車の魅力について大石さんは「自然との一体感かな。車ではやんばるへ行こうとは思わないけれど、自転車だと景色の素晴らしさに加えて、2回に1回くらい同じ場所に現れるヤンバルクイナが見られたりするので、走りたくなるんですよ」と話す。

 「自転車に乗っている人同士、いろんな職種の老若男女と仲良くなれるところです。競技では自分の力が結果として残るところです」と牧志さん。

 「膝や足首などの負担を自転車が吸収してくれるので、歩くことや走ることよりも体に優しい競技です」と大石さん。「何よりも季節を風で感じることできるのがいいですね」と2人は語った。

嘉手川 学/写真・喜瀬守昭(サザンウェイブ)

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自転車競技
レース直後の記念撮影の大石育子さん(右)と牧志美和子さん(左)。風が強くて寒いなかでのレースだったが、ランニングや水泳に比べて体へのダメージが少ないため、走った直後は疲労よりも爽快感が勝るという。豊見城市豊崎海浜公園特設周回コース

自転車競技
沖縄サイクリング女子会のメンバーはだいたい20人くらい。県内あらゆるサイクリングの大会やイベントには誰かが参加しているという
自転車競技
スタート直後の牧志美和子さん(左)と大石育子さん(右)。冷たい風が吹きつけるなかでのスタートだったが、真剣さのなかにもどこか楽しんでいる様子がうかがえた
自転車競技
デッドヒートを繰り広げる大石さん。接戦の場面ではカーブの走りが順位争いの重要なカギになる
自転車競技
ルール
[ ロードレース ]
 道路上で速さを競う。交通規制した公道や、隔離された一般道路で行われる。基本的にレース距離は決められていないが、300km近いプロレースから数キロのホビーレースまで幅広い。県自転車競技連盟主催よる「新春ロードレース競技」では1周約1kmの特設周回コースを使用。レディースクラスは12周。
 競技方式は、参加選手全員が一斉にスタートし、フィニッシュ線での着順で決めたり、参加選手が一定時間差で個別にスタートしフィニッシュ線までの所要時間で決める方法がある。
・沖縄サイクリング女子会 問い合わせ先:近隣の自転車ショップでお尋ねください
取材協力:沖縄輪業株式会社
南風原店:098-888-0064

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