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[No.1556]

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「表紙」2015年2月12日[No.1556]号

gogo sports

GO!GO!スポーツ 13

チアリーディング
沖縄キッズチアリーディング教室
代表 西隈 裕子さん

「応援する心」で子どもたちを笑顔に!

 「ゴー! ゴー! ファイト! ファイト!ウィン! ウィン! ゴー! ファイト! ウィン!」

 元気な声が練習場に響くなか、子どもたちに笑顔で指導をしている西隈裕子(にしぐまゆうこ)さん(28)。チアリーディングはもともとスポーツの応援活動から始まったものだが、観客を楽しませる演技を競うスポーツとして全国大会や国際大会も開かれている。

 「沖縄はスポーツが盛んで、チアリーディングが活躍できる可能性も大きいのですが、まだまだ知名度が低い競技だと思います。チアの魅力は体格や身体能力にかかわらず、その人の特性を伸ばせるポジションが必ずあるところ。笑顔で人を一生懸命応援することで、自分も元気になれる。その楽しさを沖縄の子どもたちに知ってほしくて教室を始めました」



チアのパワーを沖縄で伝えたい

 大阪府出身の西隈さんがチアリーディングを始めたのは高校生の頃。

 「小学校や中学校までは、自分は勉強もスポーツもできないタイプだと思っていて、コンプレックスがあったんです。でも人前で何か表現をしたいという気持ちは持っていました。それで、たまたま入学した高校がチアリーディングの強豪校で、その演技を実際に見たときに震えるほど感動したんです。みんなが協力しあって、笑顔で、人が人の上に乗ったり、高く跳んだり、日常ではありえないようなすごい動きを、人を応援するためにやっているという、そのすべてにすごく感動しました」

 チアリーディング部に入部して練習を重ね、高校2年生の時に全国大会で優勝を果たした西隈さん。大学もチアの推薦で進学し、大学4年生のころにはヨーロッパ選手権で優勝し、イギリス、デンマーク、ロシアなどへの世界遠征も経験した。
「高校と大学の7年間チアを続けたことで、自分自身があきらめずに頑張ったら成し遂げられることがあるということと、チームで頑張ることの大切さを学ぶことができました。人間関係や礼儀の大切さもチアから学んだことがとても大きいので、チアに出合っていなかったら今の自分はなかったと思っています。人を応援するパワーは、自分のパワーになる。今は子どもたちや周りの人たちにも、そのパワーを知ってもらって元気になってもらいたい、という気持ちが強いんです」

 プライベートでは3歳と1歳の子どものお母さんでもあり、子どもにとって良い環境を探すために国内から海外まで各地を転々としていたという西隈さんが、家族で沖縄に移住してきたのは昨年11月のこと。気候のよさと、沖縄の子どもたちの伸び伸びとした雰囲気を肌で感じたことから、沖縄に移住を決め、同時に沖縄でチアリーディングの普及に本格的に取り組もうと決意したという。



沖縄の子どもたちに期待

 もう一人、チアリーディング教室のコーチとして、西隈さんとともに子どもたちの指導にあたっているのは平安(ひらやす)まゆみさん(38)。高校・大学・社会人クラブチームでもチアの経験を持つ平安さんは西隈さんについてこう話す。

 「チアの技術がしっかりしているのはもちろんですが、とにかく元気で明るくて前向きな人です。私は彼女が沖縄に来てから出会ったので、まだ長い付き合いではないのですが、もうずっといっしょにやっているような感じがします。オープンマインドで一生懸命な彼女の熱意は、沖縄のチアの普及につながると思います」

 現在は小学生を中心とした無料体験会を行い、定期的なキッズチアリーディング教室の開催を目指している。体験会では、初心者の子どもたちにも分かりやすい形で、ダンスや大きな応援の声を出しながら機敏に動きを決める「モーション」などの基本を教えている。

 「沖縄の子どもたちはリズム感もいいし、ダンスが上手な子が多くて、チアに向いていると思います。最初はすごくシャイな子も多いんですが(笑)、何か表現したいという気持ちがある。これからもっと練習を重ねて、子どもたちとコーチや仲間との信頼関係を築いて、元気で笑顔にあふれたチアリーディングのチームを生みだしていきたいです」

 チアの魅力を沖縄で伝えていきたい、と西隈さんは目を輝かせた。

長嶺陽子/撮影・村山望

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チアリーディング
西隈さんが指導する「沖縄キッズチアリーディング教室」第2回無料体験会の様子。2歳から7歳まで9人の子どもたちが参加=那覇市・首里公民館 

チアリーディング
首里公民館で行われたチアリーディング体験教室に集まった子どもたち
チアリーディング
練習前の柔軟体操はチアの大事な基本
チアリーディング
コーチを務める西隈裕子さん(右)と平安まゆみさん(左)
チアリーディング
ルール
 チーム編成は8人以上16人以内。女子部門と男女混成部門がある。演技構成上のいくつかの規則に従って、演技の要素(アームモーション、パートナースタンツ、ピラミッド、ジャンプ、タンブリング、ダンス)を、応援の声や音楽と組み合わせて創作する。競技エリアは12メートル四方内。演技時間は2分20秒以上2分30秒以内。難易度、表現力、表情などすべてを合わせた完成度で評価される。日本各地での大会や全国大会、国際大会も開催されている。

● 公益社団法人 日本チアリーディング協会
ホームページ https://www.fjca.jp/
● 沖縄キッズチアリーディング教室
ホームページ http://goo.gl/9AFI67
メール cheer.okinawa@gmail.com
電話 070-5275-3502(西隈)

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