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[No.1471]

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「島ネタCHOSA班」2013年06月13日[No.1471]号

沖縄に絶品ナマコ料理

 県外出身の私は、実家でナマコを食べることがありました。沖縄の海にはナマコがいっぱいいますが、食べられるのでしょうか? 食べたいから調べて!!

(30代、リーコ)

沖縄に絶品ナマコ料理!?

 ナマコ…。調査員も食べたことない。食べるという話もあまり聞かないし、「確かに海が身近にあるのになぜ?」。不思議に思いながら調査に向かいました。
 まずナマコについて情報収集。糸満市の県水産海洋技術センター主任研究員で水産部門技術士の南洋一さんを訪ねました。「正確には分かりませんが、沖縄には数十種類のナマコがいます。浅瀬でよく見るニセクロナマコは内臓ばかりで食べられませんが、中華料理向けの乾燥ナマコにすれば、たいてい食べられます。県内では羽地内海で捕れるハネジナマコがおいしいと有名です」と教えてくれました。
 中国の経済発展によりナマコの消費量が増え、乱獲が懸念されているらしい。「ナマコは中国では高級食材。今は規制がほとんどなく、量が減っているという漁業者からの話も聞きます」。
 ナマコの養殖を研究する南さんですが「陸上養殖は時間がかかるし、広いスペースが必要になります。それよりも資源管理が大事なのです」とのこと。漁の規制が必要なんですね。
 県内では食べないのですか? 「う〜ん、県外では生を酢の物にして食べますよね。これはマナマコという種類ですが、高水温になると仮眠するため、沖縄にはいません。熱帯のナマコは皮が厚くて固いので生には向きません。ただ、北部でみそ煮にしたのを食べたことがありますよ」。貴重な情報をくれました。

みそ煮や酢みそ

 ハネジナマコが有名なら、羽地内海の周辺では食べるのか?そこで、名護市の屋我地島にある「なごそばマリン亭」に電話。「ナマコ料理? あります。羽地より北側の地域では、みそ煮や酢みそで食べることがあります。ナマコは『黒いダイヤ』とも言われ、おいしいですよ」。

 さっそく同店を訪問!

 同店を運営する沖縄マリンブルー代表の松田猛さんと叔父で営業部長の松田稔さんは潜水器漁業の許可証も持っています。ナマコもハネジナマコのほか8種類ほどを捕っていて、県外に出荷するそうです。

 ナマコの調理方法を聞くと猛さんは「3、4時間ゆでて、皮を取り、内臓を出します。下ごしらえが結構大変です」。調理担当の仲本加代子さんは「ナマコはあっさりしていて、何の料理にも使えますよ。コラーゲンが豊富だから肌にもいいのよ」と教えてくれました。

 調理してくれたのは、ナマコとチンゲンサイと豆腐の煮物、酢みそで食べる切り身、ナマコ入りの炊き込みご飯、中華風みそいため—の全4種。料理の種類の多さに圧倒!! 調理後のナマコは、海にいるのとはだいぶ違う。「時々お客さんに出すけど、見た目では何だか分からないらしいです。『ナマコです』と言うと県外の人は喜んでくれますよ」と稔さん。

もちもち食感に驚き

 それぞれの料理を試食。ナマコのもちもちとした食感は驚き。いため物はまったりとしたタレとからみ合い、かむほど味が出ます。煮物も優しい味。切り身は酢みそにピーナツを混ぜたタレが濃厚で淡泊なナマコによく合い、炊き込みご飯は、他とは違い歯ごたえがありました。どれもおいしい! ナマコ料理を堪能し大満足の調査員。「店に来てくれれば、下処理したナマコを販売します。調理方法も教えますよ」とのこと。

 「以前はたくさんいましたが減っています」と心配する同店の皆さん。「資源を守るために、羽地漁協も管理について話し合っています」と付け加えました。

 県によると、ことし9月から県内ほぼ全域でナマコ漁が管理される予定。沖縄の海にいる貴重な黒いダイヤ。そのおいしさと乱獲が懸念される現状を初めて知り、驚きの連続だった今回の調査でした。


沖縄に絶品ナマコ料理
主に羽地内海で捕れるハネジナマコ(南洋一さん提供)
沖縄に絶品ナマコ料理
なごそばマリン亭で食べたナマコ料理の一部。上から煮物、切り身、炊き込みご飯
沖縄に絶品ナマコ料理
調理してくれた、なごそばマリン亭の(右から)松田猛さん、松田光子さん、仲本加代子さん
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