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[No.1469]

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「島ネタCHOSA班」2013年05月30日[No.1469]号

今、工事現場がポップ

 最近、工事現場の看板に絵が描かれていたり、人形のような物やシーサーが置かれています。どんな意図なのか調べてください。

(那覇市・Tさん)

今、工事現場がポップ?

 調査依頼と共に送られてきたシーサーの写真は、確かにかわいらしい。現場を通るのが楽しくなっちゃいそうですね。

 まずは、工事資材を製作するうるま市江洲のタイガー工業株式会社へ。「うちでは、沖縄の題材をモチーフにしたオリジナルシールを作っていますよ」と、案内してくれた保安用品課主任の島澤喜弘さん。工期や請負業者名を書いた看板用に受注しているそうですが、どんな理由があるのでしょうか? 「特に公共工事を請け負う際、現場の『イメージアップ』が求められるんですよ」。一定期間、生活エリアで行われる工事を目にする人たちに不快感を与えないよう、いろいろと工夫しているそうです。

 「沖縄は観光立県ですし、工事現場の雰囲気を和らげて景観をそこなわないために作ったんです」と経緯を話します。マンタやハイビスカス、首里城、サトウキビなどの種類があり、現場周辺の雰囲気に合わせて発注されるそうです。

沖縄らしさ演出

 シーサーの写真を片手に訪ねたのは、与那原町上与那原の南栄工業株式会社。代表取締役の長嶺由浩さんは「これは『シーサーガード』といって、頭とおなか部分にパイプを通して現場と歩道などを仕切るものです。仙台に本社を置く仙台銘板が製作し、県内での販売・リースはうちで請け負っています」と製品を説明します。

 作業員と歩行者両方の安全のためガードするのが目的だそうですが、なぜシーサー? 「工事現場が殺伐としていると、周りにストレスを与えてしまいかねません。それで仙台〜では、10数年前からサルやカエルなどのアニマルガードシリーズを製作しているんです。その中で沖縄限定バージョンを作ろうという話になった時、すぐにシーサーが浮かびました」。「建設現場の安全はシーサーが守るさぁ〜」をキャッチコピーに2011年4月から製作・販売・リースを行っています。

 「海洋博公園にシーサーガードが並んだ時は、記念撮影をする観光客が多く、現場監督が撮影場所を設けたんですよ。工事現場にシーサーが並べば、観光PRにもなるんじゃないかな」と楽しそうに長嶺さんは話します。

現場に合わせデザイン

 最近、工事現場でよく見掛けるペコリと頭を下げる男の子と女の子もパイプが通され、シーサーガード同様の役割です。この商品を扱う浦添市当山の株式会社グリーンクロス沖縄営業所所長の渡具知武洋さんは、「自社の中国工場で作って全国で使われています」と話します。最初に男の子「セフティーファースト」を作ったところ好評で、女の子「レディーファースト」を製作したそう。「実は、初めて沖縄オリジナルバージョンを依頼されたんですよ。現場にありますからぜひ見てください」

 案内されたのは、那覇市首里池端町。県立首里高校前の県道道路工事現場事務所を訪れると…。なんと! 琉装した男女がスタンバッテます! 

 「工事中はたくさん並べる必要がありますし、首里という場所柄、さらに一工夫できないかとこのデザインを提案しました。観光客のみなさんにも喜んでもらえるとうれしいですね」と渡具知さん。6月から3カ月間行われる工事でデビュー予定です。

 今回訪ねた三社に共通するのは、「工事現場のイメージアップ」。近隣に気を遣っていることはもちろん、工事を行う作業員のみなさんも楽しんでいるのではないかしら、と思う調査員なのでした。


今、工事現場がポップ
作品を手にする島澤喜弘さん=うるま市江洲のタイガー工業
今、工事現場がポップ
浦添市立前田小学校前の現場に置かれたシーサーガード
今、工事現場がポップ
長嶺由浩さん
今、工事現場がポップ???
渡具知武洋さん
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首里バージョンは琉装
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