沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。週刊レキオ



[No.1436]

　与儀公園でヤギおじさんを発見？　リチャードヤギさん、これはスクープです！　あとはレキオ調査員にお任せくださいませ。では早速、発見現場の与儀公園に向かいましょう！

保育園のペット？

　う〜ん。与儀公園は、いつもと変わらぬ雰囲気で、今のところヤギおじさんは見つかりません。　散歩お姉さん「知りませんね〜」

　ジョギングお兄さん「ちょっと前まではよく見たんだけどね〜」

　野良猫「ふにゃ〜ん」

　この情報の中で考えられるのは、とりあえずここに来ていたということは事実のようです。しかし、最近は見掛けない。もしかしたら、引っ越しなどで移動したのか？　まさか、本当にお祝い用だったのか？（ひえ〜）

　あきらめかけたその時。近くでゆんたくをしていたおじさんたちに会いました。

　「ヤギは、あそこにいるらしいよ」

　なんですと！？　おじさんたちが指をさす方向を見ると、そこには保育園の看板が…。え？　まさか、保育園にヤギがいるの？　目をこすって何度も見ましたが、動物園ではなく確かに保育園と書かれています。とにかく、そこへ行ってみるとしましょう。

　与儀公園から徒歩２〜３分程の場所にある、わかば保育園にやって来ました。

　「あ、あの、ここにヤギがいるって聞いたんですけど、本当ですか？」

　もし間違えていたら、相当恥ずかしいぞ。覚悟を決めて聞いてみました。すると、園長の垣花茂人さんがやってきました。

　「ヤギはいますよ。メスで、名前はメイちゃんです」

　い、いた！　本当にいるのでしょうか。案内してもらうと、遂に発見！　大きなヤギがいました〜。（実は探すのにとても時間がかかり、この瞬間、ちょっと感動する調査員）

　垣花さん、ここにいるヤギ、メイちゃんを飼うきっかけは何だったのですか？　

　「実はですね、園庭にあるがじゅまるの木が倒れないように、そばに大きな小屋をつくったんです。支える役割としてね。それで、よく考えたら、こんな大きな小屋ができたのに、中に動物がいないのは変だなぁと思ったんです。それで２００８年、メイちゃんが３歳の時に飼いました」

　え？　それで、ヤギを飼う決断に至ったのですか？　大きい動物だったら、他にもいたのではないでしょうか。ヤギでなくてはいけない理由があったんですか？

　「ないです。（キッパリ）。まぁでも、沖縄といったらヒージャーかなと思ってね。ちょっと突発的ではあったけど、園内もにぎやかになるだろうと思って」

　ユーモアたっぷりの楽しい園長先生ですね。とりあえず、お祝い用じゃなくて良かった。

大人気のメイちゃん

　最近与儀公園へは、あまり行かないのですか？

　「たまに行きますよ。最近は暑いので、朝や夕方に３０分くらい。メイちゃんももう年なのか、あまり散歩に行きたがらなくなりましたね。散歩に出ても、正門前をウロウロするだけの時もありますし。小さい頃はいつも元気で大暴れでしたよ〜。狭い隙間にはまって出られなくなったり、僕と似たような男の人についていこうとしちゃったり、全然目がはなせな かったです」

　へぇ〜。好奇心旺盛ですね。話を聞いていると、垣花さんもすっかりメイちゃんのとりこになっているみたいですね。

　「はっはっはっ。思いつきとはいえ、世話していると情が出てしまってね〜、かわいくて仕方がありません」

　ちょうど散歩へ行く時間になり、調査員も同行。メイちゃんの角は、危険防止のため発泡スチロールを刺しています。小屋から出たメイちゃんは、園児たちに大人気。「メイちゃーん」とすぐに周りは園児でいっぱいになりました。

　メイちゃんの顔も、ほのかに笑っているように見えた調査員でした。