沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1420]

  • (日)

<< 前の記事  次の記事 >>

「島ネタCHOSA班」2012年06月14日[No.1420]号

闘牛も自主トレするの?

闘牛を見たことはありませんが、とても興味があります。どんな試合をするのでしょうか? また牛も試合のために練習したり、エサに気を遣ったりするのでしょうか? ぜひ調べてください(2012年06月14日掲載)

闘牛も自主トレするの?
(那覇市、20代女性)

 闘牛(ウシオーラセー)が盛んな沖縄。特にうるま市を中心とする中北部には闘牛場も多く、地元には熱狂的なファンも大勢います。調査員も以前、うるま市に住んでいましたが、実は一度も闘牛を見たことがありません。牛も自主トレとかするのでしょうか??? 百聞は一見にしかずということで、いざ闘牛場へ!

 牛同士の熱き闘い

 5月13日(日)にうるま市石川の石川多目的ドームで開催された「第97回春の全島闘牛大会」。試合開始1時間以上も前だというのにたくさんの人でにぎわっていました。うちなータイムじゃないんだ〜(笑)

 中に入ると、すり鉢状の中央に丸い闘牛用のリングがあり、周囲を1メートルほどの鉄柵で囲まれていて、そこから放射状に客席が広がっています。自由席なので牛が入場するゲートが見える位置を確保。一番前の座席は間近で観戦できそうですが、闘牛初心者の調査員、牛が突っ込んで来たら怖いので回避決定〜(笑)

 入り口で渡された取組表を見ると総勢24頭の猛牛が紅白に分かれ下位〜上位の取組へと進みます。相撲の取組に似ていますね。

 演歌の入場曲とともに尾に紅白それぞれのリボンを付けた雄牛が登場すると、興奮気味なのか頭を地面にこすり付けたり、前足で土を蹴り上げる姿も。

 さぁ〜いよいよ勝負です! 二頭の巨体がゆっくりと角を突き合わせて開始の合図。それぞれの牛に闘牛士が一人ずつ側に付き、喝を入れるように声(ヤグイ)をかけたり、激しく地面を踏んだりしながら牛を刺激します。

 早い闘いは1分程度、遅い試合は約40分もかけて決着をつけるそうです。闘牛の技もいろいろありますが、基本的には「逃げた方が負け」という勝敗システム。勝機を逸したと審判に判定されても負けになります。戦意をなくしたフリをして側面から横腹を狙う牛や対戦中に脱ぷんし会場に笑いを誘う牛などさまざま。勝敗が決まる瞬間の迫力に場内は沸き上がります。勝った牛には勝利を表す布がかけられ、牛主の家族がリング内に集まりカチャーシーを踊りながら皆で祝います。

 強さは生まれ付き

 今回優勝したのは、4回目の防衛に成功した「荒風号」(1030kg!)。牛主の新垣明さんにお話しを聞いてみました。

 勝つためにどのような練習をしているのですか?

 「毎週練習している人もいますが、私の場合は約1週間前から闘牛場で子牛を相手に練習する程度。試合前に角でケガしたらいけないからね」。日頃は牛舎近くの屋外で縄を付けてほぼ放し飼いをしているらしく、木の幹に体をこすり付けている様子も見られるのだとか。一人(一頭)自主練習でもしているのでしょうか!本人(本牛?)にしか分かりません。

 またまた素朴な疑問。強い牛にするためにエサは何を与えているのですか?

 「農協でもらうエサ(2種類)だよ。牛主によっては複数種類混ぜる人もいるよ」。一般的な家畜のエサを与えているだけだという。もはや荒風号は生まれ付きの強さなのか。あっぱれです!

 対戦中に角が折れて血が出ている牛もいましたが、ケガをしたら誰が手当するのですか?

 「軽いケガは牛主が焼酎で消毒し薬を付けます。深い傷は獣医師に診せます。角が折れたら焼き印を入れて消毒しますが、もう試合には出られない決まりになっています」。荒風号の対戦相手の大嵩写真号は激闘の末、角が折れてしまったので少し気の毒な気がしました。人間も牛も勝負の世界は厳しいですね。

    ◇    ◇  

 最初はちょっぴり怖かったけど、迫力満点の闘牛観戦を満喫した調査員。沖縄の新たな魅力を発見しました。マンネリ化したデートコースに闘牛観戦を加えてみるといい刺激になるかもしれませんよ♪

 ちなみに、うるま市のマンホールには闘牛が描かれているそうです。訪れる際はぜひ探してみてはいかがでしょうか。


牛同士の熱き闘い
新垣明さん
牛同士の熱き闘い
4回目の防衛に成功した1030kgの「荒風号」。優勝した牛は「闘牛の里」の碑の前で記念撮影するのが恒例だそうです。
>> [No.1420]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>