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[No.1384]

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「表紙」2011年10月06日[No.1384]号

うちなー未来創る 7

うちなー未来創る 7(2011年10月06日掲載)

知性身に付け 技能伸ばす
那覇商業高校 商業科

 何冊もの分厚い参考書を広げ、一心に数字と格闘する。そろばんから電卓、パソコン、モバイルへと時代は移り変わっても、106年繰り返されてきた県立那覇商業高校の授業風景。正確さが求められ、誠心誠意客へ対応し、ミスが許されないビジネスの世界。そんなシビアな世界に進むべく、日々コツコツと努力を積み重ね、資格取得や実践的研究発表でも全国に名を知られる。夢は、企業を支え、客に最高のサービスを提供する商人だ。

努力は自分に返ってくる

 お金の流れをつかみ、管理する番頭さんであり、ビジネスチャンスを探るマーケティング担当であり、システムデザインを手がけるエンジニア…。さらには、簿記や英語、秘書検定、販売士などの資格取得にも積極的に取り組む那覇商業高校の生徒たちが学ぶ範囲は、想像以上に多岐にわたる。世界中で普遍的、しかも日々進歩する職業である商売の基礎を学ぶ生徒たちは、どんな学校生活を送っているのだろう。

 「入学するまでは、堅い学校かな、授業も難しいだろうな、というイメージがありましたが、のびのびしています」と一人が語れば、「仮想会社を運営したり、模擬商取引を経験するので、社員=仲間との協力が不可欠。みんなで作り上げていくワクワク感があります」と、別の生徒も授業風景を語る。

 さまざまな角度からの知識や技能を身につけようと、通常の授業はもちろん、朝から放課後まで自主トレーニングや部活で数字漬けの生徒たち。伝統校であるがゆえ、さぞやプレッシャーを感じていると思いきや、

 「入学前に想像していた以上に勉強しています。それがとても楽しい。努力すればするだけ自分に返ってきますから」

 と、屈託ない。検定試験の前は、土・日も返上。日々積み重ねた努力が実力となり、数々の資格取得やコンテスト上位入賞などの結果を生み出し、さらなる高みを目指す好循環が生まれている。 教師や卒業生が語るアドバイスは共通していると言う。

 「3年間、コツコツと努力しなさい。そして、いろいろな人と関わって視野を広げなさい」。

 「自分で考えて行動してほしいので、学校が全てお膳立てはしません。目的意識が高い生徒が多いので、頼もしいです」と担当教諭も語る。

 インタビュー中、まっすぐにこちらの目を見つめて会話を進める生徒たち。質問に対してあいまいな部分は、教諭や生徒同士確認しながら正確に伝える。ていねいに敬語で、自身の主張を確実に伝えてくる。年齢より大人っぽいって言われませんか?

 「あいさつや身なり、言葉遣いなどは常に意識して、相手に良い印象を持っていただこうと気をつけています。商売の基本の基本ですから」と、しっかりした言葉が返ってきた。

 机上の学習を基本に、企業訪問も多く、それらが貴重な体験ともなっている。この日も、地域の金融機関へ。行員から普段の仕事の様子、客との対応の楽しさ、難しさを聞き、年の近い卒業生から生の声を聞くことで、社会人としての仕事の厳しさ、やりがい、そして現場の緊張感を、自身の意識にぐっと近づける。近い将来、自分が立っているかもしれない現場で。

 「私たちは、表に出ることは少なく地味かもしれません。ですが、企業の土台になりたい」―ある生徒の言葉が印象的だ。企業・社会の”いざ“という時、どっしりと踏ん張って未来を切り開いていこうという気概がみなぎっている。

 「お客様に満足いただける、お客様に求められる営業マンになりたい」、「観光とIT産業に関わって、沖縄の発展に貢献したい」―大人びた口調は、すでに社会を見据えている。

島 知子/写真・照屋俊


知性身に付け 技能伸ばす
真剣な表情で課題に取り組む=同校
知性身に付け 技能伸ばす
企業訪問で現場を体感する
知性身に付け 技能伸ばす
輝かしい受賞歴
知性身に付け 技能伸ばす
学校紹介
 明治38年、県内初の商業高校・那覇区立商業学校として創立。歴史の変遷によって校名、場所を変え、昭和47年現在の校名へ。全日制課程生徒数1,010人(男子233人・女子777人)。商業科・会計科・情報処理科・国際経済科、定時制課程・商業科。「士魂商才」「自主独立」を校訓に、各種資格取得、個人・団体競技において輝かしい成績をおさめ、企業とタイアップした商品開発などにも取り組む伝統校。
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