沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1754]

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「ワシントコポスト」2018年12月06日[No.1754]号

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 今週のレキオはクリスマス特集号。サンタさんにまつわるお話に切なくなったり、プレゼントのリクエストに感動したり…。クリスマスエピソード満載でお届けします!
サンタさんが来た

 娘が小学校2〜3年のころ、12月24日の夜は高窓を少し開けて「サンタさんが来ますように」と言って寝ていました。
 翌日、学校へ行ってサンタが来たとか、鈴の音が聞こえたとか友だちに自慢したら、男の子が「おまえフラーか、あれは父ちゃん、母ちゃんがデパートで買ってきたんだよ」と言われたそうで、学校から帰るなりしつこく問い詰められました。
 いまじゃ高校生の娘もいる、フンデー(甘ったれ)末っ子の懐かしいクリスマスの思い出話しです。

(那覇市 シーサー大すきババ)

(編コメ)娘さんにとって衝撃的な出来事だったでしょうね。シーサー大すきババさんが、どう答えたのかも気になります。

何をお願いするの?

 遠い過去のクリスマス。サンタさんを待ち焦がれていた小学校2年生の私。ですが、その正体をクリスマス後に親友から告げられ一瞬、頭の中が真っ白になったことを覚えています。
 そんな私は3年生になり「知っている」ことを親にも言えず。クリスマスも近づき、当然、母が私に聞きます。「何をお願いするの?」と。笑顔で聞く母になんとなく申し訳ない気がして、そのことは告げず「いらない」とだけ言いました。驚く母は「何でもいいんだよ?」と何とか聞き出そうとします。
 当時、私の父は大けがをし、仕事などできるような状態ではなく、代わりに母がパートに出て家計を支えている姿を見ていました。そうでなくても、家計は苦しかったと子どもながらに感じていました。
 本当は新しい服が欲しかったのですが、とても言えません。そこで、ふっと思い浮かんだ近くの商店で売っていたクリスマスブーツのお菓子をお願いしました。これなら安いし…と。母は「本当にそれでいいの?」と聞き返し、納得してくれました。
 寝静まった25日の夜、ふすまが少しだけ開き、まぶしい光が差し込む中、母が枕元にそっとプレゼントを置くのを確認し眠りについたのを覚えています。何よりも一番うれしいプレゼントになりました。
 いまでは サンタになった私も、子どもたちのよろこぶ顔が見たくて「何をお願いするの?」と予算内に納まるよう、腕利きの交渉人さながら聞いています。

(うるま市 ちあ)

(編コメ)ちあさんが一つ大人になったクリスマスのエピソードですね。少し切ないけれど、忘れられない思い出ですね。さて、ちあさんのお子さんたちはサンタさんに何をお願いするのかな?

屋上の桑の実

 免許を返納してから、たまにバス旅を楽しんでいます。バスを降りて、いつものようにとある商業施設へ向かいました。もう欲しいものはほとんどないので、本屋さんとギャラリー、そして食品売り場を一回りするのがお決まりのコース。鶏めし弁当とお茶を買いいつものようにエレベーターで屋上までいってみました。
 屋上は私のお気に入りの場所です。亜熱帯の高い木や灌(かん)木がセンス良く植栽され庭づくりの参考になります。台風の後の傷んだ葉もよく手入れされ、そこここに新芽も出て、見上げる青空を背景に森林浴の気分に浸っていたそのとき―。
 目の前に突然、来訪者を迎えるクリスマスの電飾のように鈴なりの実が目に入ってきました。近づいてみると、それはなんとよく熟れた桑の実でした。
 台風で葉は振り払われ、大粒の色とりどりの桑の実が鈴なりです。高さもちょうど背の高さで柵にもたれて手を伸ばすといくらでも採れるところにあります。うちの近くにある桑の木は、いずれも大きく実がなっているなと思っても手をこまねいて見上げるだけです。しかし、いま目の前にある桑の実は 、「どうぞお好きなだけ」と差し出されています。濃いめのひと粒を軽くもぎとって口にしてみました。「甘い」。思わず続けて2つ、3つ。
 商業施設の屋上で桑の実が摘めるとは。「お金も払わずにごめんなさい」。どなたがこんな粋な植栽をしてくださったのだろう。ふっくらとよく熟れた大粒の桑の実に、思いがけないところで出会って一足早いクリスマスプレゼントをもらった気分になりました。
 ひとしきり周りの植栽を愛(め)で、奥のベンチで鶏めし弁当を開きました。階下の歳末の大売り出しの喧騒(けんそう)を忘れさせるようなひとときでした。

(沖縄市 極楽鳥花)

(編コメ)たまのバス旅もいいものです。屋上での極楽鳥花さんの様子が目に浮かぶようです。お気に入りの場所で、いつも以上に気分よく過ごせたことでしょう。

今年のプレゼント

 まだ一カ月以上先のクリスマス。
 今年は早めに何が欲しいのか探りを入れてみました。
 すると、「父ちゃん見ないで。今からサンタさんに手紙を書くから」と言うのでビックリ。そして昨年と同様、息子は寝る前にベランダに手紙を置いて寝ました。(今年は取り忘れがないよう、すぐ取りましたよ)
 今年は余裕を持って準備ができそうで楽チンだ。いったい何が欲しいんだろうと手紙を読んでみると…。  「さんたさんへ まちをへいわにするつえをください ○○より」
 小学校1年生のクリスマスプレゼントが町を平和にするつえですよ。もう胸が熱くなり、涙がこぼれそうになりました。でも冷静になって考えると、とんでもないプレゼントをリクエストされてしまいました。
 純粋で心優しい息子の思いをどう叶えてやるか、夫婦2人で思案中です。

(宜野湾市 りゅうすけ)

(編コメ)少し前にいただいたお便りです。町を平和にするつえとは感動しますね。まだ思案中でしょうか? クリスマスまであともう少しですよ!

職場の方が仮装して

 毎年クリスマスには、楽しみがあります。それは旦那の職場の方たちが仮装して自宅までプレゼントを持ってきてくれることです。
 事前に会社の予算内で準備し、予定日にサンタがプレゼントを持って各家庭へサプライズ訪問するという形です。
 当日は、サンタやトナカイの奇抜な格好に子どもたちは怖がる様子でしたが、プレゼントには喜んでいました。今でも思い出話をするほどなので、かなりインパクトがあったようです。私たちも楽しませてもらいました。 社員家族への心配り、ギフトに感謝です。

(糸満市 げんちゃんときよちゃん)

(編コメ)子どもたちが怖がるくらいの気合いを入れた仮装だったんですね!? 今年も職場の方が訪問されるのでしょうか? ワクワクしますね。

心踊るポインセチア

 花屋さんの前を通りかかったとき、真っ赤なポインセチアが目に飛び込んできました。色は赤だけだと思ったら、白もありました。私はやっぱり赤がいいな〜。

(宜野湾市 メリークリスマス)

(編コメ)ポインセチアはクリスマス気分を盛り上げてくれる花ですよね!

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