沖縄の日刊新聞「琉球新報」の副読紙「週刊レキオ」沖縄のローカル情報満載。



[No.1597]

  • (木)

<< 前の記事  次の記事 >>

「ワシントコポスト」2015年11月26日[No.1597]号

このエントリーをはてなブックマークに追加

認知症の祖母の介護

 祖母がアルツハイマー型認知症と診断されてから5年がたちました。これまでの5年間は子どもの成長よりも早い変化で日ごとに変わる祖母への対応に毎日が大変でした。
 診断される以前は、祖母から多くのことを教わり支えられてきました。祖母とまともに会話ができなくなることがさみしくてたまりませんでした。だんだんと家での対応が難しくなり入所先を探す中、「ご家族の皆さん大変ですね。しかし、本人が一番つらいですからね」と言われたとき、本当にそうだと思いました。
 一晩寝ずに家族の名を呼び同じことを何度も尋ねたり、何か不安にさいなまれて同じことを繰り返したり。家族は繰り返されることにイライラして「さっきも言ったでしょ」「やったでしょ」と怒っても泣いても、また始まります。大切な人が失われていくようで悲しくて仕方がありませんでした。
 入所先が見つかり、家にいるときよりも表情が穏やかになって健康的になりました。少しでも心穏やかにゆったりと生きてほしい。今まで女手一つで子育てし、自分に厳しく真面目に生きてきた人だから。
 認知症は本当に悲しくつらい病気です。近所にもなかなか言えず家族だけで抱えてしまうこともあると思います。でも必ず誰かを頼ってほしいと思います。
 まずは本人のために、そして介護者のためにデイサービスや施設を見てください。同じような方がたくさんいらっしゃいます。私たち家族が暗い表情や気分次第で安定しない対応をするよりも、施設の方が笑顔で優しく安定した対応をすることで本人の落ち着きは違うと思います。時間を奪い奪われる関係ではなく互いを尊重し、今ある時間を大切に。より豊かに生きるために介護者の方は一人で悩まないでほしいです。

(沖縄市 宝さがし)

(編コメ)身近な人が認知症になるのは本当につらいことです。介護の悩みや不安は想像以上に大きいと思います。経験者や福祉施設などにも相談しながらより良い選択ができることを願います。宝さがしさん、大いに役立つお話をありがとうございました。

追い越し注意!

 30年ほど前のことです。名護市から恩納村にかけて、道路の道幅は狭く樹木が生い茂って見通しが悪かったと記憶しています。
 名護での用事を済ませた土曜日の午後、樹木が迫る道路を私はルンルン気分で那覇に向かっていました。すると、前にゆっくり運転のダンプが…。免許初心者の私は追い越すこともせずダンプの後ろをチンタラ走っていたのですが、ダンプの窓から手が出て「先に行って」というような動きをしつこくされたのです。私は追い越さなくてはと考えてセンターラインをちょっと越えたのですが、道が曲がりくねっていて対向車線が全く見えなかったので追い越すことは止めて再びダンプの後ろに戻ったのです。その間4秒ほど。戻った直後、対向車線を大型車がすごいスピードで走り抜けていきました。  追い越しをしていたら間違いなく正面衝突でした。ダンプは渋滞の先頭だったので、やがて対向車が来るのは見えていたと思います。ダンプの運転手の悪意を感じ、私は店に立ち寄ってダンプから離れました。
 昔は無理な追い越しでの交通事故が新聞によく載っていたけど、最近はあまり聞かなくなりました。こういう悪魔みたいな人がいるということを免許取りたての若い人に知ってもらいたくて投稿しました。

(西原町 みゃん子)

(編コメ)もう少しで危ないところでしたね。このような場合、初心者はつい焦ってしまうこともあるかもしれません。どんなときでも自分の目で確認するよう十分に注意しましょう。

花巡り、街歩き

 一人で暮らす姉を週1で訪ね、1日を共に過ごすようになって半年が過ぎました。その日は暑さも和らぎ、良く晴れた日でした。バスを降りると道向かいの普天満宮ののぼり旗が目に飛び込んできました。激しい往来から一段と高いところにある鳥居と赤瓦の社(やしろ)が10月の空によく映えています。赤、黄、紫、青とはためくのぼり旗、iPad(アイパッド)を取り出して街歩きの始まりです。
普天間高校からりうぼう近くの交差点に向かうアーケード。終戦直後、この辺りに松並木が続いていたことをかすかに覚えています。時刻は昼前、久しぶりの日差しが街をきれいに照らしています。気分はテレビのカメラマン。被写体を探しどんどん追いかけます。左へ折れると、春には黄金色の花が降り注ぐゴールデンシャワーの並木。花いっぱいの鉢植えの並んだ小学校を左に見て進みます。通り沿いの植栽、看板、スーパー、掃き掃除をしている人、舗道に勝手に生えているニチニチソウやタマスダレ。珍しいツタンカーメンが2階まで這い上がってフェンスを覆い、ところどころに濃い紫の花やサヤ豆を付けています。2階のベランダに干し場をうまく作っている家もあります。コンクリートの建物が並ぶ通りに、よく手入れされた昔ながらのトタン屋根があるのが懐かしい。どんな人が住んでいるのだろう。
 ドラゴンフルーツの実をよく付けた家の前まで来たところで携帯が鳴ります。ジュースの準備ができているという電話。いつになくおなかがすいてきました。
今日の弁当は昨夜のソーキとパパイアのお汁、大根とツナの酢の物、それぞれが作ったアンダンスー、カボチャの煮物など。撮ったばかりの写真をスライドショーで見ながら話が弾みます。野菜ジュースを飲んだあとで、ジャコや花がつお、塩昆布でつくだ煮を作りお土産に。
近所にきれいな花が咲いている家があるというので行ってみました。道の突き当たりの角に塀からあふれるように咲いているのはシクンシの花でした。赤ピンクや白の見事な咲きっぷりはこれまで見たこともないほど。2人で花を褒めちぎり愛でたあと、去り難くも「ありがとう」と礼を言って、さらに辺りを一巡りして戻ってきました。
 その日は爆音もなく、基地の街を忘れさせるのどかな昼下がりのことでした。

(沖縄市 ソンダタッシャー)

(編コメ)姉妹で楽しいひとときを過ごした素敵な昼下がり。お便りを読んで、私も写真のスライドショーを見たり、ソンダタッシャーさんたちと一緒にお散歩をしたりしているような気分になりました。

親切な親子

 もうすぐ2歳になる男の子の孫に会いに行こうと、アパートの3階までたくさんの荷物を持って上がっているときのことです。若いお母さんが一言、息子さんに「大変そうだから荷物を持ってあげて」との優しい言葉。とてもうれしくて涙が出ました。
 この方たちは2階の住人なのに、3階まで持っていってくれました。その日1日幸せな気分でした。私も困っている人が目の前にいたら助けてあげたいです。娘にその話をしたら「いい人ね」と喜んでいました。また2階の親切な人に会いたいです。

(金武町 オレンジおばあさん)

(編コメ)若いお母さんの優しさをオレンジおばあさんが受け取り、今度は他の人へ…。次々に伝わっていくといいですね。

感謝の気持ち伝える

 11月12日付の褒めて伸ばすさんの投稿を読みました。アイロンがけは大変ですよね。 
 私なりに考えてみました。ご主人さまに感謝の気持ちを伝え、「お礼に、洗濯物が乾いたときにシワにならないコツを教えてあげる」と優しく話したり、たまには一緒に洗濯物を干しながら、あなたの干し方をさりげなく見せたりしてはどうてしょうか? 

(南城市 いっぽんむす日)

(編コメ)ポイントは”優しく“といったところでしょうか。褒めて伸ばすさん、いかがですか? ご主人の洗濯の腕が上がるといいですね〜。

>> [No.1597]号インデックスページへ戻る

↑このページの先頭へ戻る

<< 前の記事  次の記事 >>