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[No.1555]

  • (金)

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「ワシントコポスト」2015年2月5日[No.1555]号

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謎の青年

 ある日の夕方、公園で時間をつぶしていた時のことです。グラウンドでは、サッカーをしている数人の少年と、ベンチに座ってゲーム機で遊んでいる子どもたちがいました。
 すると、ゲームをしていた子どもたちが、ゲーム機を取り合ってけんかに…。そこへ偶然、20代くらいの男性が現れました。
 その男性は車から降りると、ゲーム機を奪い合う子どもたちのもとへ駆け寄りました。物騒な世の中です。不審者情報も後を絶ちません。とっさに心配になり、僕も子どもたちの方へ駆け寄ると、その青年が子どもたちに「一緒にサッカーしよう!」と声をかけているのが聞こえました。でも、子どもたちに「俺たち、子どもだから知らない大人とは遊ばん」とあしらわれる始末。
 すると青年は「俺は大きいけど、気持ちは子どもだよ! だから知らない大人じゃないだろ? サッカーしよう!」と半ば強引に、ゲームをしていた子どもたちとサッカーを始めました。最初は嫌そうだった子どもたちですが、次第に夢中になっていくのが見ていて分かります。青年につられ、大きな声を出しながらプレーしていて、皆が笑顔になっていました!
 最近の若者は…と非難したくなる人も多くいるかもしれませんが、こういう若者がいることも知ってほしいと思った…僕も若者です(笑)

(北谷町 コンどぅし)

(編コメ)ドラマに出てきそうな好青年ですね! 子どもたちと同じ目線に立って対話し、率先して行動できるなんてとても立派だと思います。

サプライズCD

 2014年のクリスマスの翌日のことです。家に帰ると、玄関に少し分厚い封筒が置かれていて、直感的に、誰かからのクリスマスプレゼントだ! と気付きました。宛名を見ると、福岡に住んでいる仲の良いメル友さんの名前が書かれていました。
 開けてみると、なんとチャイコフスキーのCDでした! 実は私はロシアの音楽が好きなんですが、ブログにチャイコフスキーのCDが欲しいけれど、予算がないから諦める…と書いていたのです。サプライズにびっくりすると同時に、細かな事に気付いて、CDを送ってくれた彼女の心配りがとてもうれしかったです。
 曲目はチャイコフスキーの最後の交響曲「悲愴(ひそう)」とバレエ組曲「くるみ割り人形」。聞く人にとって気持ちが入りやすい「悲愴」を選んでいるところが、センスいいなぁと思いました。
 クラシックなら、同じ曲でも演奏家によって違いが楽しめますよね。私も音楽が好きな人にプレゼントをするなら、クラシックのCDがいいかなと思いました。いいアイデアもいただけて、改めて彼女に感謝です。

(那覇市 マナ)

(編コメ)「マナさんに喜んでもらいたい」という思いが伝わる、真心のこもったサプライズ。いっぱい聞き込んで、クラシックの奥深い魅力を堪能なさってくださいね。

25年ぶりの再会

 1月15日付、「心の声」のスターさんへ。好きな人からメールがあったということは、あなたをちゃんと見ていたってことですよ。
 昔のことですが、私も幼稚園から中学生まで、何度か同じクラスになったことがある人にずっと恋をしていました。私が中学3年生のころは、携帯なんてない時代。勇気を出してラブレターを渡しましたが、見事に断られました。それでも卒業アルバムには、どさくさに紛れてメッセージを書いてもらえて、それだけでうれしかった。でも、失恋はとても辛いものですよね。
 卒業から25年たったとき、勇気を出して同窓会に参加したところ、彼がいました。私のことなんて覚えていないだろうな、と思いつつも、視線は自然と彼の方へ…。それでも知らん顔して、他の人たちと会話して盛り上がっていました。
 2次会へ移動する前に外で友達に電話していたら、彼が近くにいて、私が電話を済ませた後、話しかけてきたんです。「元気だった?」「あの時はごめんね。自分も好きな人がいたから。結局ふられたんだけどさ」と言われ、恥ずかしかったけど、覚えてもらっていたことが本当にうれしかったです。それからいろいろと話をして、連絡先も交換しました。2次会でも彼といっぱい話したかったのですが、残念ながらあまり話せず、そのまま別れてしまいました。
 42歳になった私は、独身で彼氏もいませんが、とてもいい思い出です。スターさんも、これからたくさんの人と出会い、恋もするでしょう。時間がすてきな思い出に変えてくれますよ。
 残念なことに、スマホが壊れて連絡先が消えてしまい、彼とはそれっきりですが、いつかまた会えたらいいな、連絡きたらいいなって思います。

(那覇市 ポポ)

(編コメ)私の親戚のお姉さんは、40歳の同窓会をきっかけに中学時代の同級生と結婚にいたったことがあり、ポポさんのドラマチックな展開にドキドキしました。悲しい記憶も、温かい思い出に変わることもありますよね。また再会できるといいですね!

授かった命大事に

 1月8日付、さくらさんの「新型出生前検査」を読んで。がん検診、特定検診などは必ず受けなさいと言われているのに、出生前検査はあまり勧められないのはなぜでしょう。それはおそらく、その結果次第で、産まない選択をする人が増えるからだと思います。
 さくらさんが検査を受けてどうしたいのかが重要なのだと思います。病気が見つかれば産まないのでしょうか…。
 厳しい言い方かもしれませんが、アレルギー疾患を持つ人も、高齢出産の人もたくさんいます。私も4人の子どもがいますが、発達障がいかもしれない子どもがいます。
 おなかの中にいたときに障がいがなくても、出産時のトラブルで障がいを負ったり、インフルエンザで脳しょうになったり、生涯寝たきりだったり、精神的な障がいのある人など、いろいろな人がいます。
 万が一、障がいがあったとしても、さくらさんがその子を育てることができる力を持っているからこそ、神様から赤ちゃんを授かるのだと思います。心配なら、検査は受けたほうがいいと思います。でも、結果を知っても、授かった赤ちゃんを大事に育ててほしいです。

(糸満市 4児の母)

昔の人の言葉

 さくらさんへ。昔の人は、生まれてくる子は皆、「ナークェーブークェーブー」を持って生まれてくると言っていました。私たちの時代は3人目、4人目の子を授かると、こんなに産んでいいのかと悩む人もいましたが、そういうときにお年寄りがこの言葉を伝えて、大丈夫だよ〜とたしなめていたものです。
 今思えば、子どもたちは皆、クェーブーを持って生まれてきているなぁと思いますよ。さくらさんも何も心配しないで、生まれてくる子を楽しみに待っていてください。

(沖縄市 カーナのひいばあちゃん)

(編コメ)「ナークェーブークェーブー」という方言。私は初めて触れた言葉ですが、「食に関する運がある」というような意味合いなのでしょうか。さくらさんを励ますメッセージの中では、「授かった命を大事にしてほしい」「前向きに考えて」という意見が多く寄せられました。悩むこと、考えること、いろいろあるかと思いますが、さくらさんにとって良い未来となることを、心から願っています。

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