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[No.1535]

  • (金)

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「ワシントコポスト」2014年09月11日[No.1535]号

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去年と違うお盆

 大学2年目の私にとって、今年のお盆は去年とは違う過ごし方ができました。去年のこの時期は、アルバイトをしていませんでした。今年は、お盆の3日間全てをアルバイトして過ごしました。
 私の仕事は焼き菓子を扱う接客業で、土日と重なったお盆は8月で一番忙しかったです。でも、この忙しい中、自分で考えて行動するなど、よい体験ができました。
 また、私の家族は、お盆の最終日にお向かいの家族と合同で花火をしています。子どもたちがたくさん集まるとすごくにぎやかで、それが癒やしになりました。
 今年はお向かいの家族がスイカ割りをしていました。なぜかそれがすごく印象的でした。こうやって毎年、毎年、変化していくお盆が楽しみです。

(中城村 抹茶)

(編コメ)毎年、少しずつ変化しているのですね。家族が集まるお盆は、変化を感じるいい機会なのかもしれませんね。

おばあちゃんの靴

 おばあちゃんが市役所に用事があって、足を引きずりながら歩いていたところ、見ず知らずの女性が手をさしのべてくれました。
 おばあちゃんが「はっさびよ〜、靴底が外れていて、歩きにくいさぁ。ボンド持っていないかね〜?」と、その人に尋ねたら、持っていたようです。さらに、市役所まで案内していただき、靴底をくっつけてくれたそうです。
 私は、おばあちゃんの身内として、この場を借りてお礼を言いたいです。ありがとうございました。
 今はもう靴もボロボロですが、おばあちゃんは「あの時のぬくもりを大事にしたい」と靴を大事そうに手にとって、語ってくれます。

(那覇市 ヒーロー)

(編コメ)見ず知らずの人の心遣いがうれしいですね。そして、靴がボロボロになっても大切にしているおばあさんもかわいいです。

50歳のチャレンジ

 区切り好きの私、年齢の区切り50歳を目前にした2年前、18年間専業主婦であった私の心にフツフツと何かが湧き上がってきました。それは3人の子育ても一段落して、社会参加がしたいということでした。
 友人に連絡し、無謀にも彼女の仕事を手伝うことになり、専門学校で検定試験対策講座を受け持つことになりました。さび付いたスキルの引き出しをゴシゴシ磨きながら開けました。1時間の講義の準備に4、5日を要しました。その時間も新鮮で楽しかったのですが、6人の学生たちの前向きな姿勢と瞳の輝きに魅了されました。若いオーラが私の脳と心を心地よく刺激しました。彼女たちの就職相談などをして、もっと支援できるようになりたいと思いました。
 私自身が資格を取得するための挑戦が始まりました。記憶力が衰えて、6冊のテキストを何度読み返しても漏れていく感覚に焦りながらも、無事に1次試験を突破。しかし2カ月後の2次試験で見事に散ってしまいました。その時の脱力感は半端でなく、ぐずぐずと落ち込み自己否定。「年齢も年齢、もう無理だよ」「もう一度頑張れ」という心の声にゆれました。
 しかし、夫や子どもの励ましに支えられて、再挑戦を決意。本番に向けてねじり鉢巻きであがいている最中です。応援してくれた家族への感謝を忘れずに、いざ行ってきます。

(那覇市 ソフィア)

(編コメ)新しい夢を見つけチャレンジする姿は家族だけでなく、読者の励みにもなります。試験の結果はどうだったのでしょうか? どちらにしてもあきらめないでほしいです!

悔しさをバネに

 恋愛も仕事もとりあえずこなしています。でも、両方に問題があります。恋愛では過去に2回悲しい言葉を言われたことがあります。「子どもができたら、おろすように言う」と言われたことでした。今でも思い出すと悲しさがあふれ出します。
 仕事では、どんなに人一倍努力をしても認めてもらえません。いつまでも一番下の立場です。真剣に働いているので、認められないのは悔しくてたまりません。
 でも、子どものころから悔しさをバネにして生きてきたので、今回もきっと乗り越えられます。鬼の顔をして見返すのではなく、優しく美しい顔で見返します。
 それが私の生き方なのです。

(那覇市 2月)

(編コメ)一生懸命働いているのを見ている人は絶対にいますよ。頑張って。そして、たまには思いっきり楽しんで息抜きしてください。人格を否定するような彼氏ならサヨナラしていいと思います。

元気をくれる本

 さみしくなると、2002年発行の「おばぁが笑ってV(ブイ)」を読んで、笑います。力と勇気をオバーたちからいただいています。私はアメリカに住んでいますが、アメリカにもウチナーオバーたちがたくましく生きています。
 今では70代〜90代になっています。孫やひ孫たちの面倒をみて淡々とした生活を送っていますが、異国での結婚生活、子育てには、苦しみや楽しみ、無知ゆえのユーモアなどいろいろあったと思います。
 アメリカのウチナーオバーたちの人生、生きる力などを本にしてくれる人が現れるといいな〜と思っています。素晴らしいオバーたちが元気なうちに記録を書いてくれる人が現れることを祈ります。

(米国テネシー州 H・K)

(編コメ)きっとパワフルおばあさんたちがいるのでしょうね。海を渡りたくましく生きた沖縄女性たちの記録は必要だと思います。

価値観押しつけないで

 私は39歳の独身です。20歳の時に遺伝性疾患の難病になりました。視野が狭くなり、病状が進むと失明の可能性がある病気です。告知を受けた時に「7割強の確率で子どもが視覚障がい(全盲)になる可能性がある」と言われました。医師個人としては出産をあまり勧めないとのことでした。
 その後、知人から「女の幸せは子どもを産むことだよ」「産めないのなら、嫁にはちょっと」「障がいがあるくらいで出産をあきらめるの? ひどいね」「結婚もしないで孫もつくらないなんて親不孝だね」など、いろいろ言われました。私の女性としての存在を否定された気持ちが数年続き、ストレスから持病のぜんそくがひどくなり、ノイローゼ気味になり、重度のうつ病にまでなりました。いろいろと現実的なことを考えて、結局独身で子どももいません。
 「子どもがいて当たり前」というような発言をする人に言いたいのは「自分の価値観を押しつけないで」ということです。体や家庭の事情があり、価値観は人によって違うということを分かってほしいです。私は独りですが、友達の子どもをかわいがることや趣味を通して楽しく生活しています。日々を平穏に健康に暮らせることが幸せだと気付いたら、個人の視点や価値観も変わるのではないかと思います。

(浦添市 たま)

(編コメ)子どもがいない人への無神経な発言は、読者からも「信じられない!」という反響が多いです。たまさんのように投稿していただくことで、理解が深まると思います。

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